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EC/D2C関連法制の基礎知識④~独占禁止法

EC/D2C関連法制の基礎知識④~独占禁止法

ECやD2Cに係るビジネスはB2B、B2CそしてC2Cとその形態を多様化しながらその取扱製品の種類・量ともに取引を拡大しています。またその拡大に伴い、様々な関連する法律による規制を受けるようにもなっています。

EC/D2C関連法制の基礎知識として、EC/D2Cを展開する上で注意すべき規制についてご紹介する本連載の第四回は独占禁止法についてご説明します。

独占禁止法

独占禁止法の目的は、公正かつ自由な競争を促進し、事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすることです。
このような考え方に基づいて競争を維持・促進する政策のことを「競争政策」と言い、競争法とも一般に呼称される場合があります。

市場に競争関係がない場合等に「カルテル」や、市場の独占による不当な値上げである「トラスト」が行われたり、独占価格を形成するために生産から販売までを統制する企業グループ「コンツェルン」が形成されることなどにより、消費者に不利益を与えないようにするために制定された法律です。

公正取引委員会が、独占禁止法の運用を行っており、具体的には以下のような行為を規制しています。

カルテル

事業者又は業界団体の構成事業者が相互に連絡を取り合い、本来、各事業者が自主的に決めるべき商品の価格や販売・生産数量などを共同で取り決める行為です。

不当な取引制限として禁止されており、事業者団体によるカルテル及び外国事業者との間の国際カルテルも禁止されています。

独占・寡占

独占的状態に関する規制は、競争の結果、50%超のシェアを持つ事業者等がいる等の市場において、需要やコストが減少しても価格が下がらないという価格に下方硬直性がみられるなどの市場への弊害が認められる場合に、競争を回復するための措置として当該事業者の営業の一部譲渡を命じる場合があります。

また、市場が寡占状態にある場合における価格の同調的引き上げの監視についても規定しています。

不公正な取引

不公正な取引方法は「自由な競争が制限されるおそれがあること」「競争手段が公正とはいえないこと」「自由な競争の基盤を侵害するおそれがあること」といった観点から、公正な競争を阻害するおそれがある場合に禁止されます。

主な不公正な取引には以下のようなものがあります。

・共同の取引拒絶
・不当廉売
・再販売価格の拘束
・拘束条件付取引
・優越的地位の濫用
・競争者に対する取引妨害
・競争者に対する内部干渉

具体的な例としては、メーカーによる流通業者への安売り広告の禁止、抱き合わせ販売、小売業者が優越的な地位により棚替えなどを理由に購入業者に不利益となる返品を行うこと、輸入総代理店が並行輸入品の修理を拒否したり、補修部品の供給を拒否したりする行為なども規制の対象となります。

近年においても独禁法をめぐっては、ECプラットフォーム側と店舗の事業者間の取引に関して、ECモール内検索の表示順位や決済方法、手数料、送料無料などの条件について、公正取引委員会の調査が実施されるケースも出ています。競争政策上の観点からのEC運用への影響についてもぜひ注視していきましょう。