公開日:2020年3月23日

「メーカーのネット直販自由化宣言」を日経新聞の全面に出した理由

「メーカーのネット直販自由化宣言」を日経新聞の全面に出した理由

株式会社いつも.取締役副社長の望月です。2020年3月23日、「メーカーのネット直販 自由化宣言」を日本経済新聞の全面に掲載しました。

日本流D2C「メーカーのネット直販 自由化宣言」を日本経済新聞に掲載
日本流D2C「メーカーのネット直販 自由化宣言」を日本経済新聞に掲載

なぜ今、「メーカーのネット直販 自由化宣言」に至ったのかを中心にお伝えします。

なぜ今、日経新聞に掲載したのか?

単刀直入に言いますと、メーカー企業の皆様の中で直販に悩んでおられる方へ、「自分たちで直販できる」というメッセージを広く届けたかったからです。

弊社では、定期的にデジタル先進国であるアメリカや中国に出向き、最新情報を収集しています。2014年頃から感じていたこと、それはメーカーが作るだけでない、直接お客様に販売する仕組み、いわゆるD2Cがこれからの主流になっていくということ。

日本では、とくに2019年の前半頃から増えてきた実感がありました。D2Cという言葉が世の中に出回り始め、多くのメーカー企業が、どのように取り組んでいくのかを考え始めていたため、「日本流D2C」を広める今回の施策は、実は半年前から考えていました。

しかし、新型コロナウイルスの影響や巣ごもり消費など、実店舗での買い物が減り、経済的に後ろ向きな現状を見て、メーカー企業のD2Cを何とか加速させたい。そのために、多くの方々に届く新聞掲載という手段を選びました。

メーカー企業に日本流D2Cをオススメする理由

2020年はD2C元年になると思っています。

小売店での売り場が減っていることは、多くのメーカー企業が実感していらっしゃると思います。PB商品の流通やブランド競争の中で、一部の大手メーカーは商品を置いてもらえますが、メーカーにとっては難しい時代が来ています。さらに今後もブランドはどんどん増えていき、競争はますます厳しくなるでしょう。

そんな中、色々な企業で重要なキーワードになっているのが、デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)です。デジタル技術を利用して、既存の価値観や枠組みの概念を覆すような改革のことを言います。メーカーや小売がすべきDXは、Eコマース(EC)。メーカーが直接お客様に商品を販売するD2Cは、これからのメーカーの販売戦略の大きなキーワードとなります。

今回の新型コロナウイルスの影響で巣ごもり消費が増え、これまで実店舗で買っていた人々がネットで買う機会を持ちました。ネットでモノを買うことに抵抗感のあった方々も、ネット通販の便利さは少なからず感じているでしょう。これをきっかけに、2020年は今まで以上にEC売上は上がっていくと予測されます。

しかしながら、「作る」ことに注力してきた企業が、「売る」ことにまで意識を向けるには、手が回らない・理解している担い手が少ないなど、問題が山積みであると思います。

そこで、弊社が提唱している新しい買い物の仕方「日本流D2C」について解説していきます。

日本流D2Cは始まるとはどういう意味か?

D2Cはアメリカを中心に始まって盛り上がりを見せていると認知されていますが、アメリカでも業績では苦戦していて「本当にD2Cはうまくいくのか?」という声が上がっています。しかし、アメリカでさえ、上手くいっているところとそうでないところがありますから、正しい売り方でD2Cを実践してほしいというのが弊社の願いであります。

アメリカのEC化率が12%であるのに対し、日本のEC化率は7%。国土の広さや求められる商品に合わせた売り方が必要ですから、アメリカのやり方とは異なってきます。

また、日本は他国に比べて特殊で、日本にフィットした価値観を表現することが必要です。日本では、楽天・Amazon・メルカリなどのECプラットフォームが最も売り上げが上がりやすく、自社ECだけで売上を上げるというのは難しいのが現状です。
日本なりの売り方が日本のメーカーには合っているということを理解した上で、メーカーとお客様が直接接点を持ち、その企業のモノ作りの世界観に共感するお客様と共に商品を作っていく時代になっていきます。

弊社の13年の知見とノウハウで、日本に合った正しいやり方・売上が上がるD2Cを発信したいと思い、「日本流D2Cが始まる」という言葉を使いました。

「自由化宣言」に込めた弊社の想い

日本では、これまでメーカー企業がモノを作り、卸業者を通じて小売が販売するという流れが主流でした。しかし、情報が溢れた中で、消費者が本質を求める時代になり、メーカーから直接買いたい、モノ作りの世界観に共感した商品を求めるといった新しい買い物の概念が生まれています。

しかし、時代の変化を実感していても、既存の売り方で売上の大半を占めているメーカー企業が直販をする難しさは、弊社でも多くの企業様とお話しする中で感じていました。これまで長く一緒に仕事をしてきた卸業者様がいて、小売様がいて、そこには会社の歴史があり、人との繋がりがある。その中で直販すると角が立つし、やりづらい。そう感じる企業様にこそ、新しい売り方に自由に挑戦してほしい、その機会も知ってほしいという想いがあります。なぜなら、そんな企業様を消費者は求めている時代だからです。

買い物はもっと自由で、無限の可能性を秘めています。「自由化宣言」に込めた弊社の想いが少しでも皆様に届いたら嬉しいです。

日本流D2C
日本流D2C

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望月智之
望月智之
1977年生まれ。株式会社いつも 取締役副社長。
東証1部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつも を共同創業。
自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費の専門家として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、ブランド企業に対するデジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。

番組ナビゲーターを務めるニッポン放送「望月智之 イノベーターズ・クロス」のほか、J-WAVE、東洋経済オンライン、ダイヤモンド・オンラインなど、メディアへの出演・寄稿やセミナー登壇など多数。著書に『2025年、人は「買い物」をしなくなる』、『買い物ゼロ秒時代の未来地図』がある。
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