公開日:2022年11月30日

楽天市場内の広告の種類とクーポンアドバンス広告の運用方法について

楽天市場内の広告の種類とクーポンアドバンス広告の運用方法について

楽天市場には様々な種類の広告が存在しますが、楽天市場初心者の方にもおすすめの広告メニューに「クーポンアドバンス広告」があります。

クーポンアドバンス広告はRPP広告とならび「運用型広告」として知られ、店舗様サイドで広告商品の選定や、入札単価の調整が行えるROAS・CVRを追求しやすい広告といえます。

また、クーポンアドバンス広告は、RPP広告以上にリターゲティング要素が強い広告であるため、新規顧客獲得はもちろん、リピート客獲得にも活用されています。

本記事を参考にクーポンアドバンス広告を活用し、自店舗の売上改善にお役立てください。

※当記事は2022年11月時点の情報を基に制作しています。記事閲覧のタイミングによっては情報が古くなっている可能性がありますのでご了承ください。

楽天市場で出稿できる広告の種類について


楽天市場で出稿できる広告の種類には下記の3つがあります。

  • 運用型広告
  • 楽天市場広告(ディスプレイ広告)
  • ニュース広告

これらの楽天市場広告は楽天市場の様々な場所に露出枠を持っており、運用型広告の一種である「RPP広告」や、今回解説する「クーポンアドバンス広告」などは、掲載する商品や入札単価を店舗側で調整できる特徴を持っています。

運用型広告と比較される広告フォーマットに楽天市場広告(ディスプレイ広告)がありますが、運用型広告のようにクリック課金型ではなく、一定期間の露出枠を買い取ることで費用が発生する課金方式のため、確実に掲載されるというメリットがある反面広告を露出する場所やタイミングによって成果が出にくいというデメリットも覚えておきましょう。

運用型広告

楽天市場の運用型広告には下記のような広告フォーマットが含まれます。

  • RPP広告(検索連動型広告)
  • クーポンアドバンス広告
  • 楽天CPA広告
  • ターゲティングディスプレイ広告(TDA)

「RPP広告(検索連動型広告)」は特に認知度が高い広告フォーマットであり、ユーザーが検索窓に入力したキーワードに連動して広告が配信されます。

ユーザーが検索窓に入力した商品検索を行う行為は「購買意欲の高い行為」と想定されるため、検索結果の上位に自店舗の広告を出稿することで高い費用対効果が見込めます。

今回詳しく解説する「クーポンアドバンス広告」では、RPP広告と同様に楽天市場に蓄積されている膨大な顧客購買データから算出されています。

店舗側が楽天RMS上で設定した「配信商品」と「クーポン割引率」をもとに、商品に興味がありそうなユーザーのトップページや検索結果画面に「あなたにおすすめのクーポン」として表示されるため、RPP広告よりも高い転換率を期待できます。

楽天市場広告(ディスプレイ広告)

楽天市場広告の主な露出枠は「楽天市場トップページ」や「楽天市場が開催する大型イベントの特設ページ」、「季節イベントの特集ページ」、「各ジャンルページ」になります。

運用型広告と比較した時、下記のようなメリットを持っています。

1.露出枠に必ず広告を露出できる
2.商品・ブランドの認知度を上げやすい

一定期間の広告露出が保証されるため、顧客以外のユーザーに対して商品やブランドの認知を獲得する際に適しています。

一方、運用型広告と比較したデメリットは以下のようなことが挙げられます。

1.広告露出枠の費用が購入時に決まっているため、広告の成果が悪い場合でも露出枠購入費を支払わなければいけない
2.人気の広告枠は購入できないことも多く、優先販売や楽天ECC(楽天コンサルタント)経由で枠をまとめて押さえる出稿者に勝てない
3.バナー画像の作成・出稿が必要

広告出稿の目的が「認知獲得」の場合、高い効果を期待できますが、事前の画像制作など出稿費用が必要になることも覚えておきましょう。

ニュース広告

おすすめニュース広告は、2022年9月30日をもって終了し、メルマガ配信(自動)が代替に該当します。

店舗側がキャンペーン設定時に作成したメールを、自店舗のメルマガ購読リストの中で特定の条件を満たすユーザーに自動的に配信するメール形式の広告です。

短期間で大きく売上を作りたい店舗とは相性の良い広告ですが、一方でターゲットユーザーの広さ・セグメントによっては売上に繋がらず、ROASが悪化する可能性もあるため注意が必要です。

クーポンアドバンス広告について解説


楽天市場の広告の中でも、特に小規模事業者や初心者におすすめの広告フォーマットが「運用型広告」ですが、中でも特にチャレンジして頂きたいのが「クーポンアドバンス広告」です。

クーポンアドバンス広告とは

クーポンアドバンス広告では「商品登録」と「継続月予算」を設定すれば、登録した商品の最適な値引き価格を予測し自動でクーポンが発行されます。

楽天会員に対してログイン時のみ表示され、商品に応じて購入意欲の高いユーザーを楽天が自動で選定し、 クーポンが表示される仕組みです。

ユーザーの購入履歴等をもとにクーポン表示を行っているため、リターゲティングの要素が強く、「相対的な広告」といえます。

ちなみに、RPP広告ではどのユーザーがキーワード検索を行った場合でも、同じ広告表示になるため「絶対的な広告」と表現できるでしょう。

クーポンアドバンス広告のメリット

クーポンアドバンス広告のメリットは6点と非常に多く、初心者の方にもおすすめです。

1.検索結果上位をはじめ、楽天モール内における自店舗商品の出面が増加
2.クーポン付きの広告のため、CVに至りやすい
3.クーポンを配布するため、リピート利用が期待できる
4.検索連動型の広告のため、購買意欲の高いユーザーにリーチが可能
5.有効期限が切れる前に自動通知されるため、自店舗への再来訪を促せる
6.商品ごとにキーワード設定を行うことで、任意のキーワードで露出強化が可能

先述した通り、リターゲティングの要素が強い広告のため、新規顧客獲得はもちろん、リピート客獲得やロイヤルカスタマー醸成にも活用可能です。

クーポンアドバンス広告のデメリット

クーポンアドバンス広告のデメリットは、配信商品を自動で選定する場合、サーチ非表示や倉庫指定商品は除外登録できないため(RPP広告では除外登録が可能)、非表示解除や倉庫から出した時に広告出稿されてしまう恐れがあります。

本来除外登録を行いたい商品(低単価商品や粗利率の低い商品)が広告出稿されることで、広告の費用対効果が悪化する懸念があるのです。

また当然ではありますが、クーポンアドバンス広告はクーポン発行後の値引きされた商品がユーザーに購入されるため、出数に対する売上の減少や、粗利率の低下など数値面でデメリットと捉えられることがあります。

しかし、クーポンアドバンス広告は、RPP広告や他の広告ではアプローチが難しかった既存顧客へのピンポイントのアプローチが可能であることに加え、クーポンを配信しなければ購入に至らなかったユーザーも自店舗へ取り込めるため、既存顧客との関係値の向上や、新規顧客の発掘を目的で活用すると費用対効果が高まります。

他の広告や自店舗のキャンペーン、店舗総売上におけるクーポンアドバンス広告経由売上の割合など、様々なデータとのバランスをみながら設定・運用するとよいでしょう。

クーポンアドバンス広告の出稿方法


キャンペーンの新規作成には「クーポン値引率、商品選択、除外リスト」の詳細設定が必要です。

キャンペーン登録時、クーポンの値引率に「最適化」を選んだ場合、ユーザーの需要予測に合った店舗様の商品が自動で選択され、選択した値引きプラン(低、中、高)に該当する商品数が自動で設定されます。

任意の商品を出稿したい場合や、任意で商品のキーワード設定を行いたい場合は、必ず「手動」を選択しましょう。

そのほか設定時によくある質問と答えを下記にまとめましたので参考にしてください。

Q.「キャンペーン名は任意設定→おすすめの設定はありますでしょうか?」
A.キャンペーン名は何でも構いません。店舗様で決めた命名ルール等で管理してください。

Q.「キャンペーン開始日時→最短は翌日の15時〜の配信は変更ないでしょうか?」
A.キャンペーン開始は、キャンペーン開始翌日の15時~が配信となります。開始したい日にキャンペーンを立てるとその日には配信されないため注意が必要です。必ず前日に対応しましょう。

Q.「継続月予算→最低月額予算5,000円は変わりないでしょうか?」
A.継続月予算は5,000円から設定可能で、変更するには現在の消化額から+5,000円以上でなければ設定できません。

クーポンアドバンス広告運用のポイントと注意点

クーポンアドバンス広告運用のポイントと注意点は下記の4つです。

  • 翌月曜日14:59までクーポンが使用できてしまうため、途中で広告を停止しても値引きされてしまう可能性がある
  • クーポン値引費用の設定が全て「%」の設定になる(広告表示は「値引き金額」)
  • 配信商品を自動選定した場合、サーチ非表示や倉庫指定商品は除外登録できない
  • 配信商品を自動選定した場合、除外登録していない商品は全て配信対象になる
  • リターゲティングの要素が強いため、露出状況がユーザーによって異なる

特に注意いただきたいのは、翌月曜日14:59までクーポンが使用できてしまう点です。

途中で広告を停止した場合も値引きが適用されてしまうため、クーポンの使用条件や値引き率を誤って設定してしまい、慌てて停止しても、その期間に取得されてしまったクーポン使用は止められないので注意しましょう。

RPP広告とクーポンアドバンス広告による広告効果の最大化

クーポンアドバンス広告とRPP広告を同時に活用することで、クーポンアドバンス広告の出面とRPP広告の出面を押さえられます。

これによって競合への流入経路を絶ち、いわゆる「オフェンス配信」が可能になります。

つまり、クーポンアドバンス広告とRPP広告の同時配信は、自店舗のジャンルシェアをキープ・向上しつつ、かつ競合にシェアを取られることを防ぐために効果的なのです。

なお、クーポンアドバンス広告とRPP広告で同じ商品が同時に掲載された場合、値引き訴求があるクーポンアドバンス広告にユーザーが流れる可能性がある点だけ留意しておきましょう。

クーポンアドバンス広告の分析方法


クーポンアドバンス広告の分析方法は主に下記の3つです。

  • 「ROAS」や「CVR」で判断する
  • クーポン獲得数で検討する
  • クーポン利用率で検討する

それぞれ解説していきます。

「ROAS」や「CVR」で判断する

基本的には「ROAS」や「CVR」で広告効果を判断することが多いです。

ROASやCVRが良ければ売れる可能性があるため、入札単価を高くして露出を強化すると、効果がみられる可能性があります。

反対にROASやCVRが悪い商品は、露出されると広告が無駄な配信となってしまい、販売訴求力の高い商品に広告費が行き渡らない可能性があるため、入札単価を下げて様子を見ましょう。

クーポン獲得数で検討する場合

クーポン獲得数で検討する場合は、自店舗の広告が「しっかりと露出できているかどうか」が重要になります。

入札単価を高く設定し、クリックが増えるかどうか検証することが重要です。

また、イベント時は競合も入札を強めてくる可能性があるため、通常時よりも高く入札額を設定しなければ、クーポン獲得数(クリック数)を最大化できない可能性があります。

クーポン利用率で検討する場合

検証が難しい方法ではありますが、「クーポンが利用される=ユーザーにとって魅力がある」という意味と捉えられるため、値引き率の設定を変えることで利用率が改善される可能性があります。

クーポン利用率が改善されない場合は、除外登録もしくは出稿商品から外すことも検討してください。

まとめ

クーポンアドバンス広告は、購買意欲の高いユーザーに露出できるリターゲティング要素の強い広告で、自店舗のアクセス数向上やCV率向上にも効果が見込める広告メニューといえます。

ただし効果検証せずに出稿するだけでは、ROASやCVRが低いままで運用される恐れがあります。商品ごとに入札単価を調整し、売れる商品によりユーザーが集まるよう工夫していきましょう。

いつも. マーケティングチーム
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いつも.のマーケティングチームです。
ECが大好きなメンバーが集まっています。国内からグローバル、自社からAmazon&楽天市場まで、ECにまつわるあらゆることを発信していきます!

クーポンアドバンス広告に関するよくある質問

 

クーポンアドバンス広告とは何ですか?
クーポンアドバンス広告とは、楽天市場内でクーポンを配信する広告で、RPP広告以上にリターゲティング要素が強い広告であるため、新規顧客獲得はもちろん、リピート客獲得にも活用されています。
クーポンアドバンス広告の分析方法を教えてください。
分析の際は、「クーポンを獲得された数」と「クーポンを利用された率」の主に2つの視点から分析します。詳しくは本記事をご覧ください。
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