【決定版】Amazon(アマゾン)と楽天市場を徹底比較!出店者とユーザー側それぞれから違いを解説
ネットで買い物をする際に、よく利用されているのが「Amazon」や「楽天市場」だと思います。日常的に利用しているものの、自社で出店するとなった場合にどちらのECプラットフォームで出店するのが良いのか悩んでいる方はいませんか。
実は、Amazonと楽天市場は、ECプラットフォームの特徴から出品手数料、配送サービスなどさまざまな点に違いがあります。
メリット・デメリットもあるため、違いを把握してからどちらのECプラットフォームで出店するのかを検討することをおすすめします。
本記事では、出店者とユーザーのそれぞれの視点から、Amazonと楽天市場の違いについて解説します。どちらのECプラットフォームで出店するか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
Amazonと楽天市場の基本情報を解説
利用しているユーザー側からすると、Amazonと楽天市場の違いについては、あまり意識したことがないと思います。同じように見えるECプラットフォームでも、実は全く違う仕様になっています。
それは、Amazonは「出品」するECプラットフォームで、楽天市場は「出店」するECプラットフォームだという点です。
ここからは、Amazonと楽天市場の基本情報の違いについて解説していきます。
Amazonは「出品」するECプラットフォーム
そもそも、Amazonとは、米国を本拠地にする2000年11月に開設されたネットショッピングサイトです。世界的にも認知度があり、オンライン上でさまざまな商品を取り扱っています。
検索するだけでさまざまな商品を閲覧することができ、品ぞろえも豊富です。Amazonプライム会員になっている場合は、配送料が無料になるサービスも行っています。
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参考:Amazonについて
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Amazonは「出品」するECプラットフォームと前述しました。Amazonは、いわば総合スーパーのようなイメージが近いです。ECプラットフォーム上の商品のほとんどは、Amazonが管理しています。Amazonはさまざまな商品を出品・販売することで利益をあげています。
ちなみに、Amazonにはブランド登録を行うことで出品者がブランドオーナーとなりストアページを作成できます。ストアの作成についてお悩みの方は、以下の記事も合わせてご覧ください。
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参考記事:【最新版】Amazon(アマゾン)ストアの作成方法と自社ブランドを強くする活用方法まとめ | ECマーケター by 株式会社いつも
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楽天市場は「出店」するECプラットフォーム
楽天市場とは、楽天グループ株式会社が運営するインターネットショッピングモールです。日本企業が運営しているため、国内での認知度が高いです。また、楽天経済圏として銀行や証券会社などのサービスも行っています。
楽天市場は「出店」するECプラットフォームと前述しました。イメージとしては、商店街や複数の店舗が入っている商業施設が近いです。
楽天市場はAmazonとは違い、楽天市場自体で商品の在庫管理などは行いません。あくまで出店場所を管理しているのが楽天市場です。そのため、楽天市場は出店料が利益につながります。楽天市場に出店してもらうことで、利益を上げていくビジネスモデルになっています。
また、楽天市場に出店を考えている方には、以下の記事もおすすめです。出店時に忘れずにチェックしたいポイントをまとめていますので、参考にしてください。
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参考記事:【最新版】楽天市場へ出店の際に忘れがちな5つの対策を徹底解説 | ECマーケター by 株式会社いつも
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出店者から見たAmazonと楽天市場の5つの違い
ここまで、Amazonと楽天市場の違いについて説明してきました。
Amazonと楽天市場は同じように見えても、ビジネスモデルが異なるECプラットフォームであることが明らかになりましたが、その他に違いはあるのでしょうか。
Amazonと楽天市場の違いについては、出店者側から見るか、ユーザー側から見るかでも内容が異なります。
まずは、出店者から見たAmazonと楽天市場の違いについて、解説していきます。
自社ページのデザイン自由度の違い
前述しましたが、Amazonは「出品」するECプラットフォームで、楽天市場は「出店」するECプラットフォームだと説明しました。
しかし、異なる点はビジネスモデルの違いだけではありません。Amazonと楽天市場では、商品ページの自由度が違います。
Amazonの商品ページは、商品名や商品画像、商品説明文など、掲載する内容が決まっています。自由度は低いですが、規約を守りながらカスタマイズすることが可能です。そのため、どのような商品ページを作ればいいのか、迷うことがなく作成できるのがメリットです。
反対に、楽天市場の商品ページは自由度が高く、自分の好きなように掲載したい内容を入れ込むことができるため、商品や店舗の特色を打ち出しやすいのが特徴です。しかし、他の事業者と差別化を図るためには、HTMLを使ってページを作るなど、知識や知見が必要です。
キャンペーンの違い
当然ですが、Amazonと楽天市場では、行っているセールやキャンペーンが違います。
Amazonでは、年に一度のビックセールである「Amazon Prime Day(プライムデー)」が有名です。その他にも、日替わりでセール商品が変わるタイムセールやブラックフライデーなど、季節ごとのセールがあります。
楽天市場では、ほとんど毎月開催されている「お買い物マラソン」というセールがあります。他にも年に4回開催される「楽天スーパーセール」が有名です。買えば買うほどポイントアップも狙えるため、お得にお買い物ができます。
出品手数料の違い
Amazonの場合、プランによって出品手数料が違います。
毎月の販売数が49点以上になる場合は、大口出品プランの方がお得です。反対に、商品がどのくらい売れるのかが分からない場合や、広告出稿を考えていない場合は小口出品をおすすめします。
また、カテゴリーごとに販売手数料もかかります。本、CD、レコード類は15%、カメラやパソコン類は8%と商品によって異なるため、注意が必要です。
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参考:料金プラン、配送手数料、料金シミュレーター | Amazon出品サービスの料金
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楽天市場の場合は、プランによって出店料やシステム利用料が変わります。
料金の一覧表は、以下の通りです。
また、登録が可能な商品数や画像容量もプランによって異なります。
商品数が多く、容量などが気になる場合は、容量無制限で利用できるメガショッププランがおすすめです。しかし、初めてネットショップを運営する場合は、がんばれ!プランを活用してみるのがいいでしょう。出品する商品数などを加味してプランを選択してください。
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参考:出店プランと費用・料金体系|楽天市場出店
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配送サービスの違い
Amazonの場合、自社発送だけでなく、フルフィルメント by Amazon(FBA)を利用できます。
ちなみに、自社発送とは、手元にある商品をお客様に直接発送する方法です。Amazon側で管理できない商品や、長期間の在庫保管手数料がかかってしまう場合におすすめです。
フルフィルメント by Amazon(FBA)とは、商品の保管やピッキング、梱包、発送などの作業を丸ごとAmazonに委託できるシステムです。FBAを利用する場合は、FBA配送代行手数料とFBA在庫保管手数料がかかります。
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参考:[公式] Amazon出品サービスの配送方法
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楽天市場の場合は、楽天スーパーロジスティクス(RSL)を利用できます。
楽天スーパーロジスティクス(RSL)とは、楽天市場で売れた商品を楽天市場の倉庫から発送するサービスです。出荷指示を行うことで、梱包・発送などの作業をお任せできます。
楽天スーパーロジスティクス(RSL)を利用する場合は、在庫保管料、出荷作業料、配送料がかかります。
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参考:サービスの詳細|楽天スーパーロジスティクス(RSL)
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アフターサービスやサポート体制の違い
当然ですが、Amazonと楽天市場では、アフターサービスやサポート体制が違います。
Amazonでは、出品者として登録するとセラーセントラルにアクセスできます。セラーセントラルとは、出品に関する情報がまとまっているポータルサイトです。出品情報の更新から、テクニカルサポートへの問い合わせなどが行えます。
テクニカルサポートとは、出品者専用の問い合わせ窓口です。疑問や問題に答えてくれるため、相談することで出品時の不明点を解消できます。
また、Amazonでは公式SNSで出品サービスについて学ぶことが可能です。販売の仕組みや出品アプリについてなど、出品に関する情報を学ぶことができます。
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参考:Amazonで売る【公式】 – YouTube
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楽天市場の場合、常に専任のコンサルタントによるサポートがつきます。気軽に質問や相談ができるため、ネットショップ初心者でも安心して利用できます。無料のECセミナーも行っているため、売上拡大に関する知識を勉強できる点も魅力的です。
また、ショップ開設後も引き続きサポートをしてくれます。売上に関する悩みも解決しやすいのが特徴です。
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参考:無料ECセミナー/ネットショップの始め方|楽天市場出店
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ユーザーから見たAmazonと楽天市場の3つの違い
ここまで、出店者側からのAmazonと楽天市場の違いについて解説してきました。
では反対に、お客様となるユーザーから見たAmazonと楽天市場には、どのような違いがあるのでしょうか。
ユーザーから見た違いについては、大きく分けて3つのポイントがあります。
- ポイントのたまりやすさ
- 使いやすさ
- アフターフォロー
ここからは、それぞれのポイントについて解説していきます。
ポイントのたまりやすさ
一つ目の違いは「ポイントのたまりやすさ」です。Amazonにも楽天市場にもポイント制度があります。たまったポイントは1ポイントにつき1円分のお買い物ができるなど、ユーザーにとって嬉しいサービスになっています。
基本的にAmazonのポイント付与率は、購入する商品ページに記載されています。商品によって還元率に違いがあるため、ユーザーはサイト上で確認する必要があります。
ただし、Amazon Mastercardを利用してAmazonでお買い物をした場合、プライム会員は2%、プライム会員以外は1.5%のポイントを獲得できます。日常的にAmazonでお買い物をする場合は、Amazon Mastercardを利用する方が効率的にポイントがたまります。
楽天市場の場合、各種サービスの利用金額に応じて基本的に1%のポイントが還元されます。ただし、ポイントの付与率は利用するサービスによって違いがあるため注意が必要です。
また、楽天市場の場合はSPU(スーパーポイントアップ)によっても還元率が変わります。SPUとは、楽天グループのサービスを利用すればするほどお得にポイントがたまるサービスです。うまく利用できれば最大で15.5倍のポイントを狙うこともできます。
その他にも、毎月1日に開催される「ワンダフルデー」など、ポイント獲得に関するキャンペーンが行われています。クーポンなどの配布もあるため、お得にお買い物をしながらポイント獲得を狙うことができます。
使いやすさ
Amazonも楽天市場もサイトの使い勝手については大きな差はありませんが、送料や配送システムが違います。
基本的なAmazonの通常配送料金は、以下の通りです。
2,000円以上は無料、2,000円以下の場合でも一律の料金形態のため購入時の費用を計算しやすいです。また、プライム会員の場合は、購入金額に関わらず通常配送が無料になる点も嬉しいポイントです。
反対に、楽天市場の配送料金は、販売店舗によって異なります。
39ショップでの購入の場合、注文金額が3980円(税込)以上の場合、送料無料です。しかし、沖縄・離島、一部の地域への配送は、9,800円(税込)以上で送料無料です。
ただし、39ショップだとしても、クール便や大型便などは対象外です。そのため、カートに入れていた商品を購入する際に想定より送料がかかってしまうケースもあります。
アフターフォロー
商品を購入後、問い合わせ対応の仕方もAmazonと楽天市場では違います。
Amazonで不良品などの問題が発生した際には、カスタマーサービスに問い合わせる必要があります。出品者が異なる場合でも、一律でカスタマーサービスへの問い合わせで完結するため、非常に便利です。
反対に、楽天市場の場合は、各ショップごとに問い合わせが必要です。それぞれに問い合わせが必要なため、複数の商品について確認したい場合は、手間がかかります。
【出店者目線】Amazonと楽天市場のメリットと注意点
ここまで、Amazonと楽天市場の基本的な違いについて解説してきました。
では、実際に出店する際のメリットや注意点にはどのようなものがあるでしょうか。
ここからは、出店者目線でどのようなメリットがあるのか、注意点と合わせて解説します。
Amazonへ出店する際のメリットと注意点
Amazonで出店する際のメリットには、以下の項目があります。
- 集客力が高く、海外向けにも販売が可能
- FBAを利用して、販売に関する手間を省くことができる
Amazonは世界的にも有名なECプラットフォームのため、集客力が期待できます。海外でも利用されていることから、手軽に自社商品を海外に向けて販売することが可能です。
フルフィルメント by Amazon(FBA)も利用できるため、忙しくなりがちなECサイト運営の手間も省くことが期待できます。
しかし、注意するべき点もあります。それは、以下の項目です。
- 集商品ページで独自性が発揮しにくい
- 価格競争が激しい
Amazonの商品ページは、基本的なフォーマットが決まっています。そのため、自社商品やブランドなどの独自性を表現したい場合、希望通りのページ作成が難しい場合があります。
また、AmazonはAmazon自体で商品の在庫を持ち、販売している商品もあります。安く購入できることで人気のAmazonですが、商品によっては価格競争に巻き込まれるケースもあります。
購入してもらうために価格を下げなければならず、結果的に売上につながらない場合もあるため、注意が必要です。
楽天市場へ出店する際のメリットと注意点
楽天市場で出店する際のメリットには、以下の項目があります。
- 自由度の高い商品ページで自社商品を訴求できる
- 売上拡大とリピート客を狙える
楽天市場の商品ページは知識や技術があれば、自由にカスタマイズが可能です。商品やブランドイメージに合わせて商品ページの制作ができるため、商品の魅力や特徴を伝えることができます。
また、2022年の楽天グループ国内EC流通総額は5.6兆円と拡大を続けています。大手百貨店の約9.7倍もの売上を出しているという実績があるため、楽天市場に出店することで新たな売上拡大を狙える可能性があります。
また、楽天ポイントを活用した集客も見込まれます。ポイントがたまったことによるリピート訪問をするユーザーも多いことから、リピート客を狙うこともできます。
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統計参考:口コミだけでは分からない!楽天市場の出店のメリットとデメリット
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楽天市場への出品で注意すべきポイントは以下の通りです。
- 出店するための審査に時間がかかる
- 出店料金が高い
楽天市場に出店する場合、審査があるため注意が必要です。楽天市場の場合、出店申し込みの審査に1〜2カ月、開店前審査にも1〜2カ月もの時間がかかります。申し込み後、すぐにショップを開設できるわけではないため、余裕を持って準備を行いましょう。
また、楽天市場はAmazonと比べても出店料金が高いのがネックです。想定よりも利益を出しにくく、気づいたら赤字になるケースもありますので気をつけましょう。
結局どっちで出店するべきか?
Amazonと楽天市場には、それぞれメリットや注意点があります。そのため、結局どちらのECプラットフォームで出店するべきなのかは、ケースバイケースです。
出品までのスピードを重視したい場合は、Amazonがおすすめです。しかし、独自性や商品価値を重視するのであれば、楽天市場を利用するのがいいでしょう。
それぞれのケースについて、くわしく解説します。
スピード重視の場合は「Amazon」
前述しましたが、Amazonは商品ページのフォーマットが決まっています。そのため、商品名や商品情報、商品写真などを入れ込むだけで簡単に商品ページの作成が可能です。
自由度が低いとも言われていますが、その反面、早く出品したい場合は悩まずに商品ページを完成させることができます。
また、Amazonの場合、楽天市場と比較すると出品までの審査も早く、情報を送信後、3営業日で審査が完了します。事業者登録から商品ページの作成、出品までのスピード感を重視したい場合は、Amazonを利用するのがおすすめです。
独自性や商品価値を重視するなら「楽天市場」
楽天市場は、Amazonに比較すると独自性のある商品ページを作成できるのが魅力です。そのため、自社商品の魅力や特徴を伝えたい場合は、楽天市場を利用するのがいいでしょう。
また、楽天市場の場合はメールマガジンの配信で集客できます。商品ページ以外でも商品の魅力や特徴をアピールできるため、商品の価値を訴求したい事業者向けのECプラットフォームだと言えます。
まとめ
本記事では、出店者とユーザーのそれぞれの視点から、Amazonと楽天市場の違いについて解説してきました。
Amazonも楽天市場も、それぞれメリットや注意点があります。
スピード感を重視して、商品販売などのサービスを提供したいと考えている事業者の方には、Amazonがおすすめです。審査も早いため、今すぐにでも販売が可能です。
また、独自性や商品価値の訴求を狙いたい事業者の方には、楽天市場がおすすめです。自由度の高い商品ページを作成することで自社商品の魅力や特徴を伝えやすいでしょう。
しかし、株式会社いつもでは「どちらのECプラットフォーム(ECモール)へも出店し、クロスチャネル戦略をとること」を推奨しております。
各ECプラットフォーム(ECモール)の特徴を理解しつつ、どちらに先に出店するのかという参考にしてください。
また、クロスチャネルについての記事は、別途詳しく紹介しております。こちらの記事についても合わせて是非ご参照ください。
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関連記事:「クロスチャネルマーケティングとは?オムニチャネルやマルチチャネルとの違いも解説」
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楽天市場とAmazonの違いに関するよくある質問
- Amazonと楽天市場の商品ページはどのように違いますか?
- Amazonと楽天市場の商品ページは、自由度が違います。
Amazonは商品ページのフォーマットが決まっているため、自由度が低いです。しかし、入れ込む情報が明確なため、初心者でも簡単に商品ページを作成することができます。
楽天市場は、商品ページの自由度が高く、デザイン性の高いページを作成できます。しかし、場合によってはHTMLなどの知識が必要です。
- Amazonと楽天市場のどちらで出店するのがいいですか?
- 理想的には、「どちらにも出店すること」がおすすめです。クロスチャネル出店を実現することで、顧客に合ったコミュニケーションが可能になるためです。
ただし、強いて言えば各ECプラットフォームには、
Amazon:出店までのスピード感重視
楽天市場:独自性や商品価値の訴求を重視といった特徴があります。