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Amazonのスポンサーディスプレイ広告とは?始め方を設定方法から詳しく解説

Amazonのスポンサーディスプレイ広告とは?始め方を設定方法から詳しく解説

Amazonの広告配信サービスには様々な種類が存在しますが、今回紹介するのは「Amazonスポンサーディスプレイ広告」です。
Amazonスポンサーディスプレイ広告は、Amazon内外の多様な場所に表示することが可能な広告フォーマットで、なおかつユーザーの購買行動に基づいたターゲティングが可能となっています。新規顧客獲得からリピーター獲得まで、その使用方法は多岐にわたります。

しかし、効果的な運用のためにはその特性を理解し、適切な設定を行うことが必要不可欠です。本記事では、スポンサーディスプレイ広告の基本的な特徴から設定方法、そして注意点まで詳しく解説していきます。
それぞれの項目を理解し、自社のビジネス戦略にどのように活用すべきか、具体的な運用イメージを持って読んでいただけますと幸いです。

Amazonのスポンサーディスプレイ広告とは?


Amazonスポンサーディスプレイ広告とは、自身で制作や配信を設定できるAmazonの運用型広告(スポンサー広告)の一種で、自社商品やブランドの認知度向上から、リターゲティング機能を使った購入促進まで、幅広く活用できる広告です。
また、Amazonスポンサーディスプレイ広告は、Amazon内外で表示されるため、広範囲なユーザーにアプローチすることができます。
Amazonの広告全体については以下の記事でまとめていますので、あわせてご覧ください。
関連記事:【2024年最新版】今から始めても遅くない!Amazon広告の必要性と具体的運用事例を解説

スポンサーディスプレイ広告の特徴

Amazonスポンサーディスプレイ広告は、商品の認知度や購買促進を目的に設計された広告形式です。その特徴は主に以下の3つに集約されます。

これらの機能により、広告主は最適なターゲット層へ効果的に訴求することが可能です。

掲載場所

Amazonスポンサーディスプレイ広告の掲載場所は非常に幅広く、Amazon内外の様々な場所で表示されます。
Amazon内では、商品詳細ページやカスタマーレビューの横、商品検索結果ページ上、おすすめ出品の下などに広告が表示されます。また、Amazonの検索結果ページにも出るため、ユーザーが商品を探す際に最初に目に留まる可能性が高いのが特徴です。

一方、Amazon外では、Amazonオーディエンスキャンペーンを通じて、アプリやサードパーティのWebサイト(Twitchなど)にも広告が配信されます。この機能により、Amazonを通じて具体的な購入意思がまだないユーザーに対しても広告を見せることが可能になります。
こうした掲載場所の多さは、スポンサーディスプレイ広告の大きな魅力となっており、より多くのユーザーに対して広告を表示することが可能となっています。

課金方法

Amazonスポンサーディスプレイ広告の課金方法には、「クリック課金制(CPC)」と 「インプレッション課金制(CPM)」の2つが存在します。
基本的には、広告のクリック数の最大化や、広告クリックからのコンバージョン最大化を狙う場合は「クリック課金」を選び、広告の表示回数の最大化を狙う場合は「vCPM」を選択しましょう。

ターゲティング

Amazonスポンサーディスプレイ広告におけるターゲティングとは、具体的にどのようなユーザーに広告を表示するかを設定するための機能です。具体的には以下の二つの方法があります。

こうしたターゲティング設定を活用することで、広告効果の最大化を狙うことが可能です。

スポンサーディスプレイ広告のメリット


Amazonスポンサーディスプレイ広告のメリットは以下の4つです。

  • リターゲティングできる
  • 新規顧客を狙いやすい
  • インプレッションの増加を期待できる
  • 広告の表示箇所が幅広い

リターゲティングができる

Amazonスポンサーディスプレイ広告の特筆すべきメリットの一つが、リターゲティング機能です。この機能を利用すると、一度自社商品の詳細ページを見て離脱したユーザーや、同じカテゴリーの商品を検討したユーザーに対して再度広告を表示することが可能となります。

具体的には、以下のような流れでリターゲティングが行われます。
1.ユーザーが自社商品の詳細ページを閲覧
2.ユーザーがページを離脱
3.ユーザーが他のAmazonページやアプリを閲覧中にスポンサーディスプレイ広告が表示される

このように一度関心を持ってくれたユーザーに対し、繰り返し商品をアピールすることが可能です。見込み客の購入意欲を引き出し、最終的な購買行動へとつなげることが期待できます。

新規顧客を狙いやすい

Amazonスポンサーディスプレイ広告は新規顧客獲得に非常に効果的です。なぜなら、広告の配信範囲が広く、Amazon内外の様々な場所に表示されるため、自社商品をまだ知らないユーザー層にも露出するチャンスが増えるからです。
例えば、以下のような状況を考えてみましょう。

この表のように、Amazon以外のサイトを利用しているユーザーや、Amazonを利用しながらもまだ自社商品を知らないユーザーへも出稿することが可能です。その結果、自社商品の認知度を向上させ、新規顧客の獲得を促進することができます。

ただし、新規顧客獲得のためには、どのようなユーザーに対して広告を表示するか、つまりターゲティング設定が重要となります。詳しくは後述の「ターゲティングの選択」をご覧ください。

インプレッションの増加を期待できる

Amazonスポンサーディスプレイ広告は、その広範な掲載場所と詳細なターゲティング機能により、大幅なインプレッションの増加を期待できるというメリットがあります。

インプレッションとは、広告がユーザーに表示された回数を指します。広告が掲載されることで、商品やブランドへの認知度が高まり、結果的にこれが購入へとつながる可能性があります。

また、詳細なターゲティング機能により、自社商品のターゲットとなる具体的なユーザーセグメントに向けて広告を配信することができます。このおかげで広告効果が最大化され、より多くのインプレッション獲得が期待できるでしょう。

広告の表示箇所が幅広い

Amazonスポンサーディスプレイ広告は、その表示箇所の広さが特徴の一つです。Amazon内であれば商品詳細ページやカスタマーレビューの横、商品検索結果ページ上、おすすめ出品の下など、購買意欲が高まる多くの場所に広告を掲載できます。
さらにはAmazon以外のウェブサイトやアプリ内でも表示できるため、潜在顧客へのリーチが大幅に広がります。

スポンサーディスプレイ広告のデメリット


Amazonスポンサーディスプレイ広告のデメリットとして、以下の2つが挙げられます。

  • CPA(顧客獲得単価)が高まる恐れがある
  • 掲載までと配信効果が出るまで時間がかかる

CPA(顧客獲得単価)が高まる恐れがある

Amazonスポンサーディスプレイ広告は非常に効果的な広告ツールですが、その一方でCPA(顧客獲得単価)が高くなる可能性があります。これは、広告の範囲が広く、新規顧客を獲得するのが難しい場合に特に顕著になります。
例えば、商品Aの広告を出稿しました。その結果、1,000クリックで10人の購入者が得られたとしましょう。この場合、クリック単価が100円だとすると、CPAは10,000円になります。

このように、Amazonスポンサーディスプレイ広告のCPAは、出稿した広告のクリック数と実際の購入者数から計算されます。そのため、広告をクリックしても実際の購入につながらない場合、CPAは上昇します。

掲載までと配信効果が出るまで時間がかかる

Amazonスポンサーディスプレイ広告は非常に効果的なツールですが、その効果を実感するまでには時間がかかります。具体的には、広告の初回掲載から効果が見えるまでには約1~2週間ほどを見ておくとよいでしょう。

そして広告が掲載されるまでにも時間がかかる場合があります。これは、Amazonが広告を審査し、承認するまでの時間が必要となるためです。この審査期間は通常3日ほどですが、内容によってはそれ以上かかることもあります。

また、広告運用を始めてから効果が見えるまでの期間はキャンペーンの目的や広告の内容、ターゲティングの設定により異なります。したがって、初回の広告配信からすぐに成果を求めず、適切な期間と予算を設けて試行錯誤しながら最適な運用方法を見つけることが重要となります。

スポンサーディスプレイ広告の設定方法を解説


Amazonスポンサーディスプレイ広告の設定方法は以下の通りです。

  • キャンペーンの作成
  • 広告グループの作成
  • 入札方法の決定
  • 広告フォーマットを選択
  • 対象商品の選択
  • ターゲティングの選択
  • クリエイティブの設定
  • Amazonにて審査に通過したのち配信開始

キャンペーンの作成

まずはAmazon広告のキャンペーンマネージャーで「キャンペーンを作成する」をクリックしましょう。
複数のキャンペーンから「スポンサーディスプレイ広告」を選択し、以下の項目を入力していきます。

  • キャンペーン名
  • ポートフォリオ
  • 開始日、終了日
  • 1日の予算

「1日の予算」には初期の値が設定されていますので、自社の予算に応じて自由に設定しましょう。

広告グループの作成

広告グループの作成では、任意の広告グループ名を決めます。

入札方法の決定

入札方法(入札戦略)を決定する項目では、下記の3つの方法から選択します。

  • リーチに合わせた最適化
  • ページの訪問数に合わせた最適化
  • コンバージョンに合わせた最適化

商品の認知度を向上させたい場合は「リーチに合わせた最適化」、商品のコンバージョンアップなどを図りたい場合は「ページの訪問数に合わせた最適化」や「コンバージョンに合わせた最適化」を選択しましょう。

広告フォーマットを選択

広告フォーマットは「画像」と「動画」から選択できます。
画像を選択した場合は、表示される商品画像が自動で作成されるため、画像素材を準備する必要がなく手間がかかりません。

対象商品の選択

広告フォーマットを選択した後は、対象商品を選択しましょう。
商品名やASIN、SKUで検索を行い、表示された商品を追加します。

ターゲティングの選択

Amazonスポンサーディスプレイ広告では、「コンテキストターゲティング(旧 : 商品ターゲティング)」と「オーディエンス」の2つのターゲティング方法から選択します。

コンテキストターゲティング

コンテキストターゲティングでは、選定した商品に応じて推奨されるカテゴリーが表示されます。カテゴリー単位で広告を表示させたい場合は、これらの提案の中から選択しましょう。

広告を配信したいカテゴリーが「推奨」に含まれていない場合は、隣の「検索」から任意のカテゴリーを探しましょう。
また、カテゴリーではなく、特定の商品を閲覧したユーザーに広告を露出したい場合は、「個々の商品」を選択してください。

オーディエンス

「オーディエンス」では、下記の3つのカテゴリーから選択できます。

クリエイティブの設定

広告フォーマットで「画像」を選択した場合、自動で表示される広告画像の変更が可能です。
ロゴ画像や見出しの変更、画像の変更などの操作ができるため、選定された画像を調整したい場合はこの段階で修正しましょう。

Amazonにて審査に通過したのち配信開始

審査期間は、通常24時間から最長で3営業日程度かかるといわれています。広告の承認ステータスについてや変更の有無については、キャンペーンマネージャーの「クリエイティブ」タブで確認が可能です。

スポンサーディスプレイ広告の注意点


Amazonスポンサーディスプレイ広告には以下のような注意点が存在します。

  • Amazonブランド登録が完了またはブランド所有者のみが出稿できる
  • 除外ターゲティングを設定できない
  • 出稿できない商品がある

1つずつみていきましょう。

Amazonブランド登録が完了またはブランド所有者のみが出稿できる(セラー出品の場合)

Amazonスポンサーディスプレイ広告は、特定の条件を満たす企業や個人だけが利用できるサービスです。その一つが、Amazonのブランド登録が完了していること、またはブランド権限の所有者であることです。この点は広告出稿を検討するにあたり、非常に重要な要素となります。

ブランド登録をすると、自社の製品をしっかりと保護することが可能となり、偽造品や著作権侵害から自身のブランドを守ることができます。また、Amazonブランド登録が完了している出品者は、スポンサーディスプレイ広告を通じて、自身の製品をAmazon内外の両方で広告配信が可能となります。

ただし、ブランド登録が未完了であれば広告の出稿は不可能となりますのでご注意ください。また、ブランド登録は一定の手続きと時間を要しますので、広告出稿を計画する際には、事前にこの手続きを進めておくことをお勧めします。
Amazonブランド登録方法と申請方法については下記の記事をご覧ください。
関連記事:【最新版】ECサイト運営に欠かせないAmazonブランド登録方法と申請手順を解説

除外ターゲティングを設定できない

Amazonスポンサーディスプレイ広告は、多くの利点を享受できますが、一方でスポンサープロダクト広告やスポンサーブランド広告のような「除外ターゲティング」の設定ができないという制約が存在します。

「除外ターゲティング」とは、広告が表示される対象から特定のキーワードや特定のターゲティングを除く設定のことを指します。例えば、すでに商品を購入したユーザーや、特定の地域のユーザーを除外するといった戦略が可能です。

しかし、Amazonスポンサーディスプレイ広告ではこの「除外ターゲティング」ができません。つまり、広告を表示させたくない特定のユーザーや属性を自由に設定できないという制約があるため、ターゲティング設定を行った全てのユーザーに広告が均一に配信されます。

これは費用対効果を考えると、一部の広告主には不利に働く可能性もあります。そのため、広告戦略を練る際には、この制約を十分に理解した上で、適切なターゲティングを行う必要があります。

出稿できない商品がある

Amazonスポンサーディスプレイ広告では、全ての商品が対象となるわけではありません。出稿できない商品も存在します。
具体的には、禁止・制限されている商品、成人指定商品、アルコール商品、病気または健康診断キットなどが該当します。

広告を出稿する際には、Amazonのガイドラインを必ず確認し、適切な商品選択を心がけることが重要です。違反商品の出稿は厳しく制限されており、場合によってはアカウントが停止されることもあります。広告効果を最大限に引き出すためにも、ルールを遵守した運用を心掛けましょう。

まとめ

本記事では、Amazonスポンサーディスプレイ広告について詳しくご紹介しました。スポンサーディスプレイ広告は、リターゲティングや新規顧客獲得など、様々なメリットがあります。しかし、一方でCPA(顧客獲得単価)が高まる潜在的リスクや時間がかかることも事実です。

また、設定方法についても手順ごとに解説しましたが、Amazonブランド登録が必要であること、出稿できない商品が存在することなどの注意点も確認しておきましょう。

Amazon専門チーム
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株式会社いつもが誇るAmazon専門チームが、Amazonにおける最新の集客支援の施策や運用のポイント、広告戦略についてお送りします。

Amazon専門チームは、Amazon専門のマーケティングセンターとして、全国のAmazon運営企業から大手メーカーまで豊富な実績を有しています。Amazon社内の担当者と都度打合せを行っており、現在のAmazonの動向や今後の動きなどを把握し、「今」ではなく「その後」の動きに合わせた対策を行うことができるのが強みです。

本ブログでは、米国での最新事例から、今後日本でも起こるであろうAmazonでの対応策まで、幅広くお伝えします。

Amazon支援グループ 事業責任者
丸山 晃一

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Amazonのスポンサーディスプレイ広告に関するよくある質問

 

Amazonのスポンサーディスプレイ広告とは何ですか?
Amazonスポンサーディスプレイ広告とは、自身で制作や配信を設定できるAmazonの運用型広告(スポンサー広告)の一種で、自社商品やブランドの認知度向上から、リターゲティング機能を使った購入促進まで、幅広く活用できる広告です。
Amazonのスポンサーディスプレイ広告の注意点を教えてください。
Amazonスポンサーディスプレイ広告には以下のような注意点が存在します。

・Amazonブランド登録が完了またはブランド所有者のみが出稿できる
・除外ターゲティングを設定できない
・出稿できない商品がある

詳しくは本記事をご覧ください。

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