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指名検索マーケティングとは?ECサイトで売上を伸ばす極意を解説

指名検索マーケティングとは?ECサイトで売上を伸ばす極意を解説

近年、ECサイトを運営する企業にとって、検索エンジンからの集客は重要な課題となっています。特に、自社製品やサービスの名称を直接検索して訪問するユーザーは、購買意欲が高く、獲得したい顧客層です。 こうした「指名検索」と呼ばれるユーザーの検索行動に着目し、マーケティング施策を講じることで、より効果的な集客が可能になります。

本記事では、指名検索マーケティングの概要から、具体的な対策手順、成功のポイントまで、ECサイト運営者必見の内容を解説していきます。 自社製品の認知向上を目指し、売上拡大につなげていきましょう。

指名検索とは


指名検索とは、ユーザーが企業名・店名・商品名などの固有名詞を含むキーワードで検索することを指します。
例えば、「●●化粧品」というキーワードで検索した際、自社の「●●化粧品」の公式サイトが上位に表示されるよう対策することが指名検索マーケティングです。

このように、ユーザーが自社製品に興味を持っている段階で自社サイトに誘導できるのが指名検索のメリットです。指名検索は、ユーザーの興味や検索意図に合わせた狙い撃ちのSEO対策が肝心となります。

しかし、中小企業ECにとって、自社の企業名やブランド名が知られるだけではあまり意味がありません。

重要なのは「指名検索とユーザーの購入意図を推察して対策していること」です。

指名検索対策に欠かせない4つのクエリとは


検索ワードであるクエリは、大きく以下の4種類に分類されます。

ユーザーの検索意図を推察したサイト構成を実現するためには、クエリのタイプを理解しておきましょう。

  • Knowクエリ(知りたい)
  • Goクエリ(行きたい)
  • Doクエリ(やってみたい)
  • Buyクエリ(買いたい)

特に意識したいBuyクエリ

Buyクエリは、前述した「ユーザーの購入意図」を示すキーワードを指します。

スニーカーを例にとったとき、夏場などであれば、
「スニーカー 蒸れにくい」

行楽シーズンで外出で使用されることが予想される場合は、
「スニーカー 疲れにくい」
「スニーカー 歩きやすい」
など

buyクエリと合わせて指名検索されるようにマーケティングを仕掛けることが重要です。

指名検索を対策するメリット


指名検索マーケティングを行うメリットは主に4つあります。

  • 自社製品に興味を持つユーザーを着実に自社ECサイトへ誘導できる
  • 競合他社へ流れてしまうことを予防できる
  • 一度対策できれば検索アルゴリズム変動の影響を受けづらくなる
  • Googleから信頼を獲得できる

自社製品に興味を持つユーザーを着実に自社ECサイトへ誘導できる

自社製品の指名検索に対してしっかりと対策を行うことで、製品に関心を持つユーザーを確実に自社ECサイトへ誘導することができます。

例えば、「○○傘」という指名キーワードで検索したユーザーは、その製品に対して高い購買意欲があると考えられます。そのため、そのようなキーワードで上位表示できるよう最適化しておけば、自然とユーザーは自社サイトを訪れ、商品購入へとつながります。

上表のように、指名検索は明確な商品購入意向があるキーワードです。このようなキーワードで上位表示できれば、確実にユーザーを自社サイトへ誘導し、売上アップに貢献できるでしょう。

競合他社へ流れてしまうことを予防できる

指名検索マーケティングを実施することで、自社製品に興味を持つユーザーが競合他社のECサイトに流れていってしまうリスクを大幅に下げることができます。

例えば、「〇〇のiPhoneケース」というキーワードで検索した場合、以下のようなケースが考えられます。

このように指名検索マーケティングを行うことで、自社製品に興味があるユーザーを確実に自社ECサイトに誘導し、売上アップにつなげることができます。競合他社に顧客を奪われるリスクを最小限に抑えられるのが、大きなメリットです。

一度対策できれば検索アルゴリズム変動の影響を受けづらくなる

指名検索マーケティングでは、自社製品の名称や特徴を表す「指名キーワード」にフォーカスしてSEO対策を行います。

指名キーワードは、検索エンジンのアルゴリズム変動によって上位表示が左右されにくい特徴があります。なぜなら、検索者の検索ニーズと強く結びついているからです。

例えば、次のような指名キーワードは検索アルゴリズムが変わっても需要が続きます。

  • 製品名(商品名)
  • メーカー名
  • 商品の種類や特徴を表す言葉

このように製品に関する本質的なキーワードで上位表示を獲得できれば、検索アルゴリズムの変動による影響は最小限に抑えられます。

指名検索マーケティングで重要なのは、まず商品の本質的な価値をキーワード化し、そのキーワードで上位表示を獲得することです。そうすれば、アルゴリズムの変動に大きく振り回されることなく、安定した検索流入を得ることができるようになります。

購入確率が高い

指名検索に強みを持つ製品は、顧客の購買意欲が高く、商品への関心が強いことから、購入確率も高い傾向にあります。

自社の強みや特徴を的確に表現したキーワードで上位表示を獲得できれば、ニーズが顕在化している顧客を効果的に自社サイトへ誘導でき、売上増加につなげることができます。つまり、指名検索マーケティングは、顧客の購買意欲の高い層にアプローチできる強力なツールになるのです。

指名検索マーケティングを始める前に


指名検索マーケティングを始める前に、自社出店サイトの現状把握と、サイトと指名キーワードの関連性を高めることが重要です。

自社出店サイトの現状把握をする

指名検索マーケティングを始める前に、自社のECサイトの現状を正しく把握しておくことが重要です。まずは、Google Search Consoleなどのツールを活用し、自社サイトのキーワード分析を行いましょう。Google Search Consoleを使うことで、どのようなキーワードで自社サイトにユーザーが流入しているかを把握することができます。

また、各キーワードの検索順位や、クリック率(CTR)、表示回数などの重要な指標も確認できるため、サイトの課題や改善点を明確にすることができます。さらに、分析の結果から、自社の強みや特徴を表すキーワードを抽出することも可能です。

【Google Search Consoleのレポート例】

サイトと指名キーワードの関連性を高める

指名検索マーケティングを成功させるためには、自社サイトと指名キーワードの関連性を高めることが重要です。ユーザーが検索した際に、自社サイトが上位に表示されるよう、以下の点に留意しましょう。

サイト自体のUX改善とコンテンツ強化を図ることで、指名検索マーケティングの効果が最大化されます。

指名検索マーケティングを始める4つのステップ


指名検索マーケティングを始めるには、以下の4つのステップを踏む必要があります。

  • 自社製品と関連する指名キーワードを幅広く洗い出す
  • 指名キーワードを選定する
  • 指名キーワードに該当ページを割り当てる
  • 各ページをSEO対策していく

自社製品と関連する指名キーワードを幅広く洗い出す

指名検索マーケティングを行う上で最も重要なのが、自社製品に関連する指名キーワードを幅広く洗い出すことです。

まずは自社製品の特徴や用途を整理し、それらに関連するキーワードを拾っていきます。

例えば「ワンピース」を販売している場合は、

  • ワンピース 夏
  • ドレス 結婚式
  • ワンピース 大人
  • ワンピース ブランド

このように製品の種類や用途、対象ユーザーなど、様々な観点からキーワードを洗い出します。

次にそれらのキーワードを組み合わせた指名キーワードを作成します。

  • ブランド名 ワンピース 夏
  • ブランド名 ドレス 結婚式

このように、ブランド名やジャンル名を組み合わせることで、的確な指名キーワードを作れます。指名キーワードはロングテールキーワードになる傾向がありますが、検索意図が明確なユーザーにアプローチできるメリットがあります。

指名キーワードを幅広く洗い出すことは手間がかかりますが、確実に自社ECサイトにユーザーを呼び込むために欠かせない作業です。

指名キーワードを選定する

指名キーワードの選定は慎重に行う必要があります。選定の際は以下の3点を押さえましょう。

このように、検索ボリューム、競合状況、自社製品との関連性を総合的に勘案し、最適なキーワードを選定しましょう。選定の際は、サイト内全体で指名キーワードが重複しないよう調整することも重要です。

指名キーワードに該当ページを割り当てる

指名検索マーケティングにおいて、選定した指名キーワードに適切なページを割り当てることが重要です。

このように指名キーワードの種類に応じて、該当する商品詳細ページやカテゴリページ、ブランドページなどを割り当てていきます。

ただし、すでにそれらのページが存在していても、必ずしもキーワードに最適化されているとは限りません。そのため、次のステップでページ内の構造化データやコンテンツ、リンク構造などを見直し、SEO対策を行う必要があります。

また、自社サイト内に該当ページが存在しない場合は、新規にページを作成する必要があります。その際は、キーワードに適したページURLやタイトル、コンテンツを設計することが重要です。

各ページをSEO対策していく

指名検索マーケティングで選定した指名キーワードに対して、適切なページを割り当てた後は、そのページに対してSEO対策を行う必要があります。
主なSEO対策の内容は以下の通りです。

  • タイトルタグの最適化
  • ページ内コンテンツの充実
  • 適切なHTMLマークアップの実施
  • ページ読み込み高速化
  • 内部/外部リンク対策
  • スマートフォン対応(レスポンシブWebデザイン)

特にユーザビリティの高いコンテンツを作ることが大切です。単にキーワードを詰め込むのではなく、ユーザーが求める情報を分かりやすく解説することで、Googleからの評価も高まります。

加えて、ページを作る際は以下の点にも留意しましょう。

  • 新規ページ作成の場合は適切なURLを付与
  • ページの内容が類似しすぎないよう注意
  • 古いページは最新の情報に更新
  • ページ移動の際はリダイレクトを適切に設定

このように各指名キーワードに対して1ページずつSEO対策を行うことで、検索結果の上位表示を目指せます。

各ECプラットフォームやECサイトのSEOに関するお役立ち記事もあわせてご覧ください。
関連記事:https://itsumo365.co.jp/blog/post-20315/ (自社EC SEO)
関連記事:https://itsumo365.co.jp/blog/post-18664/(Amazon SEO)
関連記事:https://itsumo365.co.jp/blog/post-2132/(楽天市場 SEO)

指名検索マーケティングを成功に導く5つのポイント


指名検索マーケティングを成功に導くためには、以下の5つのポイントに留意する必要があります。

  • 誰にどんな価値を認知させたいか考える
  • 認知拡大に適した広告メディアを活用する
  • 良質なクリエイティブを作成する
  • ユーザーの買い場を増やす
  • プレスリリースを配信する

誰にどんな価値を認知させたいか考える

まずは、自社の製品やサービスが誰にとってどのような価値があるのかを明確にする必要があります。自社の強みや特徴を詳しく把握し、それが顧客にどのように役立つのかを考えましょう。そして、その価値を最も効果的に伝えられる顧客層を特定することが重要です。

例えば、ある化粧品メーカーであれば、肌の悩みを持つ30〜40代の女性に、自社製品が肌のトラブルを改善し、健やかな美しい肌を実現できる価値があると訴求することが考えられます。

このように自社の強みや特徴を活かして、顧客にどのような価値を提供できるかを明確にすることが重要です。その上で、その価値を最も効果的に伝えられる顧客層を絞り込むことで、指名検索マーケティングの効果を最大限引き出すことができます。

認知拡大に適した広告メディアを活用する

指名検索マーケティングを成功に導くためには、自社の製品やサービスの認知を広げることが不可欠です。そのために適した広告メディアを活用することをおすすめします。

リスティング広告は、検索ユーザーの認知獲得に適しています。例えば、自社製品の商品名で広告を出稿すれば、その製品に興味のあるユーザーに訴求できます。

一方、ディスプレイ広告は認知向上に適しています。バナー広告をユーザーの目に触れる場所に出稿すれば、製品の存在を知ってもらえます。メディアの特性をふまえ、目的に合わせて使い分けましょう。

良質なクリエイティブを作成する

指名検索マーケティングを成功に導くためには、良質なクリエイティブの作成が欠かせません。ユーザーの心をつかむためには、以下の3点に留意する必要があります。

良質なクリエイティブを作成することで、ユーザーの興味を惹きつけ、自社ECサイトへの流入を促進できます。クリエイティブは指名検索マーケティングの成否を左右する重要な要素となります。

ユーザーの買い場を増やす

指名検索マーケティングを成功に導くには、ユーザーの買い場を増やすことが重要です。製品を探す際のユーザーの行動経路を分析し、自社ECサイト以外の販売チャネルを設けることで、ユーザーの購入機会を拡大できます。

例えば、Amazonや楽天市場などのマーケットプレイスへの出店や、自社サイト内でのレコメンドなど、ユーザーが商品を探しやすい環境を整備しましょう。

また、実店舗の展開やオフラインイベントの開催、ポップアップストアの設置など、オムニチャネル戦略の推進も有効です。実店舗とオンラインショップを連携させることで、ユーザーは自身に合った購買方式を選択できるようになります。

具体的には、オンラインで製品を検討し、実店舗で実際に確認して購入するといった具合です。このようにユーザーの利便性を高めることが、指名検索マーケティングの成功につながります。

さらに、SNSやYouTube、メルマガなど、様々なデジタルチャネルを活用して製品情報を発信することで、ユーザーの目に触れる機会を増やすことができます。これらのチャネルを通じて、ユーザーの関心を高めることができます。デジタルメディアでは、製品の魅力や使用シーンなどを動画やインタラクティブなコンテンツで効果的に訴求できます。また、SNSでは顧客の声や口コミを発信し、製品への信頼性を高めることも可能です。さらに、メルマガでは潜在ユーザーに向けた情報発信を行い、購買意欲の醸成につなげられます。

このように、オムニチャネル戦略の一環として、さまざまなデジタルメディアを活用して製品情報を発信することで、ユーザーの買い場を増やすことができます。

プレスリリースを配信する

プレスリリースの配信では以下の3点に留意しましょう。

プレスリリースを戦略的に配信することで、指名検索マーケティングの効果を高めることができます。

【一緒に】指名キーワードとリスティング広告の関係


指名キーワードを設定した際には、リスティング広告との連携も重要です。なぜなら、リスティング広告は検索結果の上位に表示されるため、ユーザーの目に付きやすいからです。

指名キーワードとリスティング広告を組み合わせた場合のメリットは以下の通りです。

つまり、指名キーワードでSEO対策を行って検索結果に自社ページを上位表示させ、あわせてリスティング広告も出稿することで、より多くのユーザーに自社サイトを認知してもらえます。

ただし注意点として、リスティング広告は常に費用がかかるため、予算内で最適化していく必要があります。また、広告の訴求内容と指名キーワードのSEO対策ページとの整合性を取る必要もあります。

さまざまな注意点こそありますが、指名キーワードとリスティング広告を組み合わせて運用することで、認知獲得からコンバージョンまでをスムーズに行えます。

関連記事:【最新版】Googleリスティング広告のやり方ガイド!出稿方法から注意点まで解説

まとめ

指名検索マーケティングは、自社製品に興味を持つユーザーを確実に自社ECサイトへ誘導し、競合に流れるリスクを防ぐための重要な戦略です。

一度対策を行えば、検索アルゴリズムの変動にも左右されづらくなるメリットもあります。

ただし、指名検索マーケティングを成功させるには、以下の4つのポイントを押さえる必要があります。
1.認知拡大に適した広告メディアを活用する
2.良質なクリエイティブを作成する
3.ユーザーの買い場を増やす
4.プレスリリースを配信する

これらのポイントをおさえることで、自社製品の認知度を高め、指名検索の獲得につなげることができます。

その上で適切なページに指名キーワードを割り当て、SEO対策を行うことで、指名検索で上位表示を獲得できるようになります。

指名検索マーケティングは、長期的な視点で取り組む価値のある施策です。自社ECサイトの売上拡大につなげていきましょう。

いつも. マーケティングチーム
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いつも.のマーケティングチームです。
ECが大好きなメンバーが集まっています。国内からグローバル、自社からAmazon&楽天市場まで、ECにまつわるあらゆることを発信していきます!

指名検索に関するよくある質問

 

指名検索とは何ですか?
指名検索とは、ユーザーが企業名・店名・商品名などの固有名詞を含むキーワードで検索することを指します。
指名検索のメリットを教えてください。
指名検索マーケティングを行うメリットは主に4つあります。

・自社製品に興味を持つユーザーを着実に自社ECサイトへ誘導できる
・競合他社へ流れてしまうことを予防できる
・一度対策できれば検索アルゴリズム変動の影響を受けづらくなる
・Googleから信頼を獲得できる

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