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ECサイトリニューアルを成功させるポイントは?手順から注意点まで徹底解説

ECサイトリニューアルを成功させるポイントは?手順から注意点まで徹底解説

昨今のスマホ普及やインターネット技術の進歩によって、消費者の購買行動も多様化してきました。従来はリアル店舗で事業展開していた企業も、ユーザーがEC市場で商品購入を行う動きを無視できなくなったのが実情でしょう。今日の企業にとって、ECサイトのリニューアルは避けて通れない課題となっています。

しかし、リニューアルには多額の費用がかかり、失敗すれば企業の売上に大きな影響を与えかねません。本記事では、ECサイトのリニューアルを検討する5つのタイミングと、リニューアルを成功に導く4つのポイント、注意点、手順・流れについて詳しく解説します。

このようなサインに気づいたら、ECサイトのリニューアルについて真剣に検討する必要があります。

ECサイトのリニューアルを検討する5つのタイミングとは?


ECサイトのリニューアルを検討するタイミングとして、以下の5つのケースが挙げられます。

  • 既存システムが老朽化し、情報セキュリティ対策に不安が出てきた
  • 同じデザインのまま長期間運用している
  • 売上やKPIが伸び悩んでいる
  • 事業拡大を予定している
  • 既存のベンダーサポートに不満を感じている

既存システムが老朽化し、情報セキュリティ対策に不安が出てきた

ECサイトのシステムは年々進化を遂げており、利用者の増加やサービスの拡大に伴い、処理負荷も高まってきます。そのため、導入から数年が経過すると、徐々にシステムが老朽化し、パフォーマンスの低下や障害の発生リスクが高まります。

特に懸念されるのが情報セキュリティ対策です。脆弱性が見つかると、不正アクセスの危険性が増すだけでなく、重要データの漏洩や改ざんにつながりかねません。

こうした課題の解決には、システムのリニューアルが有効です。最新技術を取り入れ、セキュリティを強化することで、安定したサービス提供と事業継続が可能になります。

同じデザインのまま長期間運用している

ECサイトのデザインは、見た目だけでなく、サイト構造やユーザビリティにも影響を与えます。そのため、長期間同じデザインを使い続けていると、時代に合わなくなり、ユーザーの離脱や売上の低下を招く恐れがあります。

例えば、以下のような課題が考えられます。

  • スマートフォン対応が不十分で、モバイル閲覧に不便
  • 最新のWebデザインのトレンドから遅れをとっている
  • ユーザーインターフェース(UI)が古く、使いづらい

このように、長期間デザインを変更しないと、ユーザーの利便性が損なわれ、サイトを見捨てられてしまう可能性があります。また、デザインだけでなく、システムの根幹部分も陳腐化しているかもしれません。

そのため、一定期間ごとにサイトのリニューアルを検討し、時代に合わせてデザインやシステムを見直すことが重要です。

売上やKPIが伸び悩んでいる

ECサイトの売上やKPIが伸び悩んでいる場合、リニューアルのタイミングだと言えます。具体的な兆候として、以下のようなケースが考えられます。

  • 過去数年で売上が横ばい、もしくは減少傾向にある
  • アクセス数やユニークビジター数の増加が見られない
  • 顧客単価が下がり続けている
  • コンバージョン率が低迷している
  • 離脱率が高止まりしている

こうした数値の悪化は、ユーザビリティの問題やサイト設計の陳腐化が原因とされます。リニューアルによってサイト改善を図ることで、売上アップやKPIの向上が期待できます。

ただし、単に売上が伸び悩んでいるからといってリニューアルに踏み切るのは危険です。経営判断として、リニューアルのメリット・デメリット、費用対効果を十分に検討する必要があります。

事業拡大を予定している

事業拡大を見据えた場合、既存のECサイトでは対応が難しくなることがあります。例えば以下のようなケースが考えられます。

  • 新規事業やサービスの追加に伴い、ECサイトに新機能が必要になる
  • 取扱商品の増加に伴い、商品管理が複雑化する
  • 売上増加に伴い、トラフィック処理能力が不足する
  • 新規顧客層の取り込みを目指し、UIやデザインの全面的な見直しが必要になる

事業拡大を見据えたECサイトのリニューアルを検討することで、将来の成長に向けた基盤づくりが可能になります。リニューアルを通じて、柔軟性の高いシステムを構築することが重要です。

既存のベンダーサポートに不満を感じている

ECサイトを長年運用していると、サポートベンダーに次第に不満を感じるようになることがあります。

主な不満点としては、以下のようなものが挙げられます。

  • サポート対応が遅い
  • 技術力が伴わず、最新の機能追加やカスタマイズができない
  • 担当者がよく変わり、サイトの状況を把握しきれていない
  • 料金が高すぎる

こうした不満が蓄積すると、別のベンダーに切り替えたくなるものです。サポートベンダーの選定を見直す良いきっかけになり、リニューアルに向けた後押しとなります。

ECサイトリニューアルの成功へつながる4つのポイント


ECサイトリニューアルの成功へつながるポイントとして、以下の4つが挙げられます。

  • リニューアルの目的と与件を明確に決める
  • リニューアル後の目標イメージを明確にする
  • 基幹システムやクラウドサービスと連携できるかを確認する
  • 3年後の事業・サイト規模を見据える

リニューアルの目的と与件を明確に決める

ECサイトのリニューアルを行う際には、まずリニューアルの目的と与件を明確にしなければなりません。リニューアルの目的が曖昧だと、作業工程で方向性を見失いかねません。

リニューアルの目的としては、以下のようなものが考えられます。

  • 売上アップ
  • 新規顧客獲得
  • ブランドイメージの刷新
  • 利便性の向上
  • セキュリティ強化

これらの目的に加え、以下の与件も事前に整理しておく必要があります。

目的と与件を明確にすることで、効果的なリニューアル計画を立案できます。リニューアルが成功するかどうかは、この初期段階の検討がカギとなります。

リニューアル後の目標イメージを明確にする

リニューアル後の目標は、売上アップや会員数増加、コンバージョン率の向上など、具体的な数値目標を立てることが重要です。
例えば、以下のような目標を設定することができます。

数値目標に加えて、ユーザー体験の向上なども重要な目標になります。ターゲットユーザーの行動分析を行い、サイト訪問からカート、決済に至るまでのユーザーフローを改善する必要があります。

さらに、リニューアル後の運用体制やコスト削減など、サイト以外の側面も見据えた目標設定が求められます。サイトリニューアルには多額の費用がかかるため、投資対効果を意識しましょう。

基幹システムやクラウドサービスと連携できるかを確認する

ECサイトリニューアルにあたっては、新しいECカートシステムが既存の基幹システムやクラウドサービスと連携できるかを確認する必要もあります。連携対象としては、以下のようなシステムが挙げられます。

新しいECカートシステムと、これらの既存システムの連携が不十分だと、運用時の業務効率が著しく低下する可能性があります。そのため、ECカートシステム選定時の重要な評価項目として、APIなどによるデータ連携機能を確認する必要があります。

3年後の事業・サイト規模を見据える

ECサイトのリニューアルを検討する際は、現状のみならず将来の事業拡大も見据えることが肝心です。

3年後の想定売上高や検索流入数、商品ラインナップの拡充計画などを事前に検討し、それに合わせて以下の項目を見積もっておく必要があります。

初期費用を抑えるあまり、将来の拡張性を犠牲にしてはいけません。中小規模の場合でも、最低3年程度は見据えたスペックが求められます。事業拡大を考えれば、それ以上の余裕を持たせることをおすすめします。

ECサイトリニューアルをする際の注意点


ECサイトリニューアルを行う際は、以下の点に注意しましょう。

現状の課題を徹底的に洗い出すこと

ECサイトのリニューアルに際して、現状の課題を徹底的に洗い出すことが重要です。課題を見落とすと、リニューアル後もそれらが解決されずに引き続き問題となってしまいます。

課題の洗い出しでは、以下の3点に注力しましょう。

課題の種類としては、UI/UXの不備、セキュリティ上の脆弱性、システムの老朽化など様々な側面から検討する必要があります。洗い出した課題は、優先順位をつけて対応方針を立てましょう。

社内説明を怠らないこと

ECサイトのリニューアルを行う際は、社内への丁寧な説明が欠かせません。全社員が変更内容を理解し、新しいサイトに対する心構えができるよう、リニューアルの目的や概要、スケジュールなどを社内全体で共有することが重要です。

【社内説明における主なポイント】
・リニューアルの背景・理由
・新サイトのコンセプト
・期待される効果
・スケジュール
・社内への影響

特にtoBの場合は、営業部門やカスタマーサポート部門などの現場スタッフには、新サイトの操作方法や機能の変更点を具体的に伝え、サイト公開後のユーザー対応に備えさせる必要があります。

社内説明を怠ると、リニューアルの意義が伝わらず、現場の混乱や不安が生じかねません。十分なコミュニケーションを取ることで、社内の理解と協力を得られ、リニューアル後のサイト運営が円滑になります。

失敗する場合もあることを意識しておく

ECサイトリニューアルはメリットが多い一方で、失敗する可能性もあります。

【カートシステムから見直す場合】
・自社ECの既存会員データを新サイトに移行できなかった(会員移行のご案内をユーザー様に送り、新たに会員登録してもらう必要があります)
・自社ECのページURL構成が変わったことでSEOの順位が落ちた(リダイレクトをかけたとしてもそのすべての評価を引き継ぐことはできない)
・既存サイトの契約を新サイトOPENと同時に終了させることで、SEOリダイレクトの効果が発揮されない(半年程度は既存カートシステムの契約は維持した方がいい例もある)
・GA4などの計測タグを移行するのを忘れてしまった
・社内オペレーションを変更するため発送等のミスが発生

【カートシステムの変更がない場合】
・サイトのUIが変わったことで既存客の慣れ親しんだ使いやすさが低下して離反の原因になる

既存顧客の利便性を損なわないよう、リニューアル後のサイト操作性やデザインについて十分検討する必要があります。また、リニューアル後の稼働状況を注意深く監視し、即座に改善を行うことも重要です。

ECサイトのリニューアルは顧客体験を大きく変えるため、失敗すれば売上の減少や、既存顧客の流出につながる可能性があります。したがって、リニューアルに向けては経営陣と現場の意見を十分にすり合わせ、顧客の立場に立った検討を行うことが不可欠です。

ECサイトのリニューアルの手順・流れ


ECサイトリニューアルの流れとして、以下の7ステップを押さえておきましょう。

プロジェクトチームの発足

ECサイトのリニューアルを成功に導くためには、適切なプロジェクトチームを立ち上げることが重要です。プロジェクトチームには以下のようなメンバーが含まれることが望ましいでしょう。

このようなメンバー構成でプロジェクトチームを発足させ、定期的な会議を開催することで、リニューアルの進捗を適切に管理できます。また、プロジェクトチームではリーダーを選任し、各種判断や調整を行う権限を与えることが推奨されます。

コンセプト定義

ECサイトのリニューアルを行う際、最も重要なステップが「コンセプト定義」です。 ここでは、リニューアルの目的や方向性、ターゲット層、サイトが目指す価値観などを明確にします。

例えば、リニューアルの目的として以下のようなものが考えられます。

目的に合わせてコンセプトを定め、サイトの機能要件や画面デザインなどを検討します。 ターゲット層の年齢層、性別、嗜好なども重要な要素となります。
コンセプト定義の段階で、関係者全員が目指す方向性を共有することが成功のカギとなります。

ECカートシステム・ベンダーの選定

ECサイトリニューアルを行う際、ECカートシステムの選定は非常に重要な工程です。自社の運用体制やニーズに合わせて、以下の観点から慎重に選定を行う必要があります。

  • 機能面での要件を満たしているか
  • 初期導入費用や運用費用が自社の予算に合致しているか
  • ベンダーの実績や信頼性があるか
  • 自社の今後の事業拡大に合わせたスケーラビリティがあるか
  • 機能面では、例えば以下の点を確認します。

このように、自社のニーズを洗い出した上で、適切なECカートシステムを選定することが重要です。ベンダーの選定を誤ると、後々大きな障害となる可能性があります。

要件定義

要件定義は、ECサイトのリニューアルにおいて最も重要なプロセスの1つです。この段階で、リニューアルの目的や期待される効果を具体的に定義し、実装すべき機能や仕様を詳細に決めます。

一般的な要件定義の項目は以下のようなものが挙げられます。

要件定義段階では、利用者や運用者の視点に立って、リニューアル後のサイトの姿を具体的にイメージすることが重要です。また、今後の事業拡大や新規サービスの展開なども見据え、柔軟性の高い設計を心がけましょう。

サイトデザイン制作

サイトデザインは、サイトの顔となるだけでなく、ユーザビリティやコンバージョン率に大きな影響を与えます。ECサイトのデザインは特に重要で、以下の点に留意する必要があります。

  • ターゲットユーザーを明確にしたうえで、ペルソナを作成する
  • サイト全体のコンセプトに基づき、ワイヤーフレームを制作する
  • モックアップを作成し、デザイン案を複数用意する
  • ユーザビリティテストを実施し、問題点の洗い出しと改善を行う

社内関係者のフィードバックを経て、最終デザインを決定します。その後、HTMLやCSSを用いてコーディングを行い、検収を経てリリースに備えます。

リリース準備

リニューアルしたECサイトをリリースする前に、十分な準備が必要になります。主な準備項目は以下の通りです。

このように、リリース前の準備を怠らず、細かい点までチェックすることが重要です。問題があれば修正を行い、本番環境でのリリースに備えましょう。

リリース

リリースまでに、十分な検証作業と社内外への周知が必要です。まずは、新ECサイトのテストリリースを行います。各種デバイスでの動作確認や、ユーザビリティテストなどを実施し、問題がないことを確認します。

【テストリリースの項目例】
・デバイスごとの動作確認
・ユーザビリティテスト
・負荷テスト
・セキュリティ確認

問題がなければ、正式リリースへと進みます。事前に社内外に新ECサイトの告知を行い、リリース時期を周知します。切り替え後は、改めて動作確認を行い、正常に稼働していることを確認しましょう。

リリース後も、定期的な監視と保守運用が欠かせません。アクセス解析やユーザーの声を収集し、継続的な改善サイクルを回していくことが大切です。

まとめ

ECサイトをリニューアルする際は、事前に十分な準備が必要となります。まず自社のECサイトの課題を徹底的に洗い出し、リニューアルの目的と目標を明確にすることが重要です。また、リニューアル後の理想のサイト像を具体的にイメージする必要があります。

【リニューアルに向けた準備】
・現状の課題の洗い出し
・リニューアル目的の明確化
・目標イメージの具体化

その上で、3年後の事業規模を見据えた上で、基幹システムやクラウドサービスとの連携を考慮したECカートシステムやベンダーを選定します。社内への丁寧な説明を怠らず、リニューアルに向けた体制を整備することが成功のカギとなります。

リニューアルには一定のリスクも伴いますが、適切な準備と手順を踏めば、売上アップやブランド力向上など、事業にプラスの影響を与えることができます。

いつも. マーケティングチーム
いつも. マーケティングチーム
いつも.のマーケティングチームです。
ECが大好きなメンバーが集まっています。国内からグローバル、自社からAmazon&楽天市場まで、ECにまつわるあらゆることを発信していきます!

ECサイトリニューアルに関するよくある質問

 

ECサイトリニューアルを検討すべきタイミングはいつですか?
ECサイトのリニューアルを検討するタイミングとして、以下の5つのケースが挙げられます。
・既存システムが老朽化し、情報セキュリティ対策に不安が出てきた
・同じデザインのまま長期間運用している
・売上やKPIが伸び悩んでいる
・事業拡大を予定している
・既存のベンダーサポートに不満を感じている
詳しくは本記事をご確認ください。
ECサイトリニューアルを成功に導くポイントを教えてください。
ECサイトリニューアルの成功につながるポイントとして、以下の4つが挙げられます。
・リニューアル目的と与件を明確に決める
・リニューアル後の目標イメージを明確にする
・基幹システムやクラウドサービスと連携できるかを確認する
・3年後の事業・サイト規模を見据える
詳しくは本記事をご確認ください。
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