顧客満足度を向上させる物流側のおもてなしとは?
みなさんこんにちは。株式会社いつものコンサルタントです。
D2C・EC市場が成長している中、物販系分野のBtoC-EC市場規模は、2019年から2020年度にかけて21.71%と特に高い伸長率を記録しました。今後も継続した市場拡大が予想されており、ECサイトの競争も比例して高まるでしょう。(参照:経済産業省「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」)
今回は、自社のECサイトを顧客の満足度向上から売上アップに繋げるため、物流の側面から接客・おもてなしを行う方法を考えていきましょう。
1)ECサイトで接客・おもてなしを行うメリット
接客やおもてなしという点でECサイトは、リアル店舗に敵わないと思われている事も多くあります。
しかし、ECサイトでもリアル店舗に匹敵する接客・おもてなしを行う方法があります。それは、ECサイトを運営する上で、「顧客情報の活用」や「効率的なバックヤード業務を実現すること」です。こうした接客・おもてなしとしてのバックヤード業務の実現は、転換率が向上して売上UPに繋がり、お客様満足度、ひいては店舗評価(レビュー)を向上させるというメリットにつながります。
では始めに、直接顔を合わせて接客を行うリアル店舗と違って、ECサイト上での接客方法についてご紹介します。
2)お客様の履歴に紐づいた接客を行う、ECサイトでのおもてなし
リアル店舗と違いECサイトでは、お客様が「自分の名前」や「住所」「連絡先」などを注文時に記載します。そのため、履歴に紐付いた接客が可能となるのです。
例えばリアル店舗でも、会員カードの作成や独自アプリ登録など、そこからお客様へ直接連絡を取り接客を行うといった手段はありますが、これはお買い物が完了する時に初めて分かる状況が多いです。そのため、購買に至るまでのプロセスでおもてなしするには、お客様の「顔」を覚えるしか方法がありません。
一方、ECサイトでは発送するために必ず個人の情報を買い物完了の前に登録する事になります。そのため、購入実績を分析して、サンクスメールの内容変更や、ノベルティを追加するなど、様々な施策を打つ事が可能です。
「自分に向けた連絡」を受けとることで、お客様が接客を受けている事を意識できるようになりますので、結果として店舗評価を向上させる事にもつながります。
ただし、間違ったメールやノベルティの送付といったミスは、同時に厳しい評価にも繋がるため、ミスを減らす体制作りにも注力しましょう。
特に、D2C・EC市場拡大に伴い、インターネット通販による消費生活相談件数も2019年から2020年にかけては27.26%増加しています。
(参照:消費者庁「令和3年版消費者白書」「インターネット通販」に関する消費生活相談件数の推移(商品・サービス別))
せっかくおもてなしを実現仕様としているにもかかわらず、些細なミスからトラブルに繋がらないようにすることも、ECサイト運営の施策として重要です。
3)ECサイトで接客時のミスを減らすために出来る対策法
ECサイトで接客を行う際に、お客様のお買い物毎にノベルティやメールを使い分けるというのは煩雑な業務ですので、片手落ちではミスも頻発します。
この業務を正確に管理するためには、マーケティング担当とバックヤード担当がお互いの業務を理解している事が必要です。
例えば、マーケティング業務では、ECサイトへの集客やアクセス分析、キャンペーンの企画や広告運用などを行っていて、バックヤード業務では、受発注業務や商品管理などを行っているとします。
双方に自分の業務だけを考えていると、理想と現場でのミスマッチが生まれてしまい、結果的に業務効率が下がってしまいます。
ですので、どちらの業務に関わる方も、「相手の実務をイメージできること」が望ましいです。
また可能であれば、独自の会員システムを構築して、そこに各カート/モールの受注データとバックヤードの出荷データを自動連携させられると業務理解がより円滑に実現するでしょう。
ここまで、お客様の履歴に紐づいた接客方法とその際に生じるミスの対策法についての解説でした。続いてECサイト上での返品対応のサービスについて解説します。
4)返品対応のサービス強化でECサイト内での転換率アップを目指す
リアル店舗に対してECサイトでは商品が手元に届くまで、商品を直接確認することができないため、購入を決断するまでのスピードがリアル店舗と比較して遅くなってしまいます。
この購入に至るまでのスピードは、ECサイトの転換率引き下げにも影響しています。
この要因を解決するには、「30日以内であれば返品に応じる」などの返金・返金施策を実施する事で、ECサイト上でも安心して商品を購入いただけることをアピールすることが大切です。
また、返品対応を長期間無料で受ける事をサイト内でアピールする事により転換率が向上する例もあります。
ECサイトでの返品対応のサービスを強化することは、売り上げ向上につながる大きなポイントです。
一方で、大々的に返品対応を行った場合、バックヤードでの業務がより煩雑化してしまうことが課題として挙げられます。
5)返品対応の業務を軽減するための対策法
返品交換施策を実施するためには、通常の入出荷の5倍時間がかかるとも言われています。
この莫大な作業時間を少しでも減らしスムーズに実施するためには、バックヤードの中でも「カスタマーサポート」と入荷や調達、販売から回収までを計画・実行管理する「ロジスティクス」がお互いの業務を理解している必要があります。
この2つが切り分かれていると、どうしても業務が滞ったり、間違った案内をしてクレームにつながってしまいます。
日頃の倉庫内の入荷から出荷までの業務一つ一つが売上店舗評価の蓄積につながっているということを意識しましょう。
5)ECサイトにおける倉庫業務の重要性
例えば、ECサイト上で比較的高額な化粧品クリームを販売するとします。同じ商品を取り扱っているデパートでは、化粧箱に指紋をつけないように、白手袋を用いて扱っています。
それが、もしECサイトから購入したクリームを開けてひどく偏っていたら、第一印象は悪くなりますし、リピート購入の可能性も低くなるでしょう。
目の前にお客様はいなくても、化粧品のクリームを保管する際、天地を守ることや高温多湿や温度変化の激しい場所を避けることを徹底することなどは、顧客満足度を守り、店舗評価を下げないための基本的な施策です。
「お客様にとっての当たり前」をECサイトの在庫管理や出荷作業においても行えているかどうか、今一度確認してみましょう。
まとめ
ここまで多くのポイントをご紹介しましたが、品質重視の物流管理を実現するためには倉庫で対応を行う項目が多くなります。
また、ECサイト運営の業務全体には様々な役割が存在しますが、各担当者が相互に業務内容を理解をしていることも必要であり、教育/マネジメントにもコストが発生します。
実際に、今でも即日出荷を強みに出来ない企業が多いのはマーケティングとバックヤードの連携が出来ておらず、正しいオペレーションが構築出来ていない事が要因の一つです。
おもてなしという目的に対して適切な投資が行えてないため、バックヤードが正確に機能していないという現状もあるでしょう。
客層や商材に合わせて物流を含めたバックヤードコストを見極めることは企業戦略として非常に重要なポイントになるのです。
株式会社いつもが提供しているリピート通販への倉庫サービスでは、このような企業戦略上重要なポイントをよく理解しているため、自社で物流を行うほどはコストがかからない範囲で、大手と同じレベルのシステムを利用する施策を実施できるように設計しています。専用倉庫には自動梱包設備など、ECサイトにとって重要なスピード対応も可能にします。
システムを活用したスピード対応とコストのバランスを取ることは、お客様へのおもてなしを実現するために企業戦略上欠かせないポイントとなっています。今一度、自社の商材とお客様に合わせた、バックヤードから実現できるおもてなしサービスを検討してみて下さい。
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