公開日:2017年5月30日

物流を含めたバックヤードから考えるEC売上アップの方程式

今回は、フロント業務におけるEC売上アップの方程式とは別に、物流を含めたバックヤードからアプローチできるもう一つの売上アップの方程式をご紹介しましょう。

EC売上アップの方程式とは アクセス×転換率×客単価 を指しますが、フロント側の考えではアクセスを伸ばすためにSEOや広告で集客を行い、転換率アップのためにページの作り込みを行い、客単価をアップさせるためについで買いを訴求するなど、お客様の目に直接触れる部分での売上アップの方法がよく知られています。

今回ご紹介するのは、そんな売上アップの方程式を、物流を含めたバックヤードの観点から、さらに売上アップを目指す方法です。バックヤードにおいても売上アップの方程式は アクセス×転換率×客単価 なのですが、そのアプローチの方法が異なりますので、一つずつご紹介しましょう。

①アクセス
バックヤードからページへのアクセスを増やすためにできることとして、配送スピードの向上が挙げられます。各モールの注文から翌日までに届くようなサービスはより多くのアクセスを集めることに繋がります。例えばイベントなどが翌日に迫った時にどうしてもプレゼントしたいものがあったとして、翌日の何時までに届くことが分かればその利便性から利用者が増加します。

②転換率
フロント側では、ページを縦に長くして情報量を増やしたり、競合他社にあって自社にない情報を付加するなど購入の決め手となる情報を増やす方法などがありますが、バックヤードの観点から見ると、土日発送、ギフトラッピングや熨斗(のし)対応など、お客様の目的に応える事で転換率を上げる事が出来ます。無料お試し(返品無料)なども実施出来れば、リアル店舗の強みと言われる「見てから試してから買える」という事にも対抗する事も可能になります。

③客単価
客単価アップにはカートモールの項目選択肢を利用して関連性の高い商品の購入をおすすめするクロスセル(お買上げ点数増加)の方法がよく取られます。抱き合わせ価格を設定する事も一般的です。また、お客様の購買履歴に応じたチラシやノベルティの同梱などによるアップセル(お買上げ単価増加)も有効な方法といえます。これは同一商品を何度も購入頂くリピート通販でよく見受けられます。

しかし、このようなサービスをページに表示するのは簡単ですが、実現するためにはバックヤードにコストをかける事になります。

アクセス数のために配送スピードを上げる、転換率のためにサービスを強化する、客単価を上げる、いずれも業務内容は増える事になり、人的リソースの追加や担当者のスキルアップが必要となります。加えて土日祝日の発送まで行うとなると担当1人での運営は実質不可能と言えます。

注文の処理や作業はある程度自動化出来ます。例えば「3回以上お買上頂いている方にはノベルティのAを同梱する」「サイトの項目選択肢の内容に応じて商品を自動で追加する」など、Eコマースの場合は受注データのいずれかに必要な情報が必ず含まれているために、ほとんどのマーケティングは自動化出来ます。ただしその場合はシステムウェア、ハードウェアに投資をする必要があります。

一つの解決策としてバックヤードのアウトソーシングがあります。いわゆる発送代行、フルフィルメントサービスなどがそうです。自社で投資が出来ない場合もアウトソーシング先の既存システムを使用する事で、大企業と同等のアセットを持つ事も可能となります。

バックヤードは仕方なくコスト化してしまう業務だと思われがちですが、使い方により売上アップも担う業務だという事を知って頂ければと思います。ただし、その取り組みにより「ミスが増える」「出荷が遅れる」など基本部分がないがしろにされてしまっては本末転倒でお客様のためにもなりません。プロへのアウトソーシングも含め、今一度お客様のために何をすべきかお考え頂ければと思います。

このようなバックヤードから売上アップの方程式を実現していくためには、いつも.のようにECの風上から風下まで全てのノウハウを一気通貫で有している必要がありますが、その効果は絶大です。自社で出来ることをやり尽くして、更に次のステージに挑戦したいとお考えであれば、ぜひ一度バックヤードから出来る売上アップの方程式実現をご検討下さい。

 

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