公開日：2024年12月9日
最終更新日：2024年12月12日

楽天が2024年9月25日に「Rakuten Analytics」のサービス提供を開始し、大きな注目を集めています。

楽天は「楽天エコシステム（経済圏）」によって膨大なユーザー情報を保有しており、新サービスではこのビッグデータを活用可能です。

もちろん楽天市場のショップ運営にもRakuten Analyticsは活用可能で、大きなメリットをもたらしてくれる可能性が高いでしょう。

本記事では、Rakuten Analyticsでできることや活用例・今後の展開について詳しく解説します。

「Rakuten Analyticsについて知りたい」「楽天市場の売上を伸ばしたい」方は、ぜひ最後までご覧ください。

※閲覧時期により本記事でご紹介の情報は変更・更新されている場合がございます。

楽天市場における顧客分析の重要性

楽天市場の運営において、顧客分析は非常に重要な意味を持っています。

楽天市場で売上を伸ばしていくためには、新規顧客を獲得して購入者の母数を増やすとともに、リピーターを育成していかなければなりません。

例えば、新規顧客獲得には適切なマーケティング戦略が必要で、戦略の立案には自社がターゲットとするユーザーを深く理解する必要があるでしょう。

また、リピーターを育成するためには、購入品や頻度から傾向を分析し、適切な提案・情報提供をしていく必要があります。

これらの「マーケティング戦略の立案」や「提案・情報提供」を成功させる鍵は、顧客分析にあるのです。

Rakuten Analyticsとは？

Rakuten Analyticsとは、楽天が保有する統計データを活用して意思決定を支援する、新しい分析プラットフォームです。

引用元：YouTube「Rakuten Group Official」

Rakuten Analyticsでは、直感的に操作可能なインターフェースを備えており、分析結果を簡単に把握できます。

企業はこの分析データを自社の顧客情報と紐づけることで、顧客分析をより深く行えるようになります。

そして、商品開発やキャンペーン・広告戦略の立案などに役立てることが可能です。

Rakuten Analyticsで使用される統計データは、「楽天エコシステム（経済圏）」のデータベースである「CustomerDNA」を基盤としています。

具体的には、蓄積されたデータをAIで4,000以上の属性に分類したものです。

また情報は、登録情報や購買履歴などの事実に基づいた情報と、それらから推測される情報に大別されているため、より多角的な視点から顧客分析ができます。

大企業から中小企業まで、さまざまな事業者の意思決定を支援する強力な分析プラットフォームです。

Rakuten Analyticsでできること

Rakuten Analyticsでできることは、大きく3つあります。

それぞれ詳しくみていきましょう。

顧客のオンライン・オフラインの行動

Rakuten Analyticsでは、顧客のオンライン上の行動だけでなく、オフラインでの行動も分析可能です。

楽天は全部で70以上のサービスを提供しているため、楽天IDに紐づけられた情報を照らし合わせることで、オフラインでの行動も精度高く可視化できます。

例えば、楽天IDの基本情報と楽天カードの情報を照らし合わせることで、どの地域に住んでいて、どのような暮らしをしているのか推測可能です。

ペルソナの具体化

Rakuten Analyticsでは、さまざまな情報を組み合わせることでペルソナの具体化が可能です。

例えば、楽天市場の購入品を見ればペットの有無や趣味が推測できます。

また、楽天トラベルの予約情報を見れば、どのくらいの頻度で旅行に行く人なのかも推測可能です。

このように、楽天エコシステムを利用しているさまざまな情報を照らし合わせていくことで、非常に具体的なペルソナを設定できる可能性が高いでしょう。

データに基づいた意思決定支援

Rakuten Analyticsでは、統計データに基づいた意思決定支援が最大の強みです。

ビジネスの意思決定では、実にさまざまな情報を考慮する必要があります。

市場規模や動向・ターゲット顧客の属性情報・競合など、必要な情報は膨大で、意思決定の際には的確な情報収集が欠かせません。

Rakuten Analyticsでは、顧客情報だけでなく市場動向や競合分析も可能なため、膨大な情報を元にした確度の高い分析結果を得られます。

データ量に加え、意思決定のスピード感も実現できることが、Rakuten Analyticsの大きなメリットです。

Rakuten Analyticsの活用例

Rakuten Analyticsの活用例を2つ紹介します。

1.キャンペーンの立案
2.商品分析

活用した結果、期待できる効果まで詳しくみていきましょう。

顧客セグメント別キャンペーンでCVR向上

Rakuten Analyticsでは、ユーザーを4,000以上の属性に分類したデータが活用できます。

実際の情報やそこから得られた情報を活用しているため、ターゲティング精度が非常に高く、施策の立案に役立てることが可能です。

例えば、顧客を細かいセグメントに分けて、それぞれにパーソナライズしたキャンペーンを実施することで、CVRの向上が期待できるでしょう。

キャンペーンを立案する際には、「20代女性・独身・年収500〜600万円・犬と同居・旅行好き」など、セグメントの粒度を高くしていくことがおすすめです。

商品分析で在庫最適化と売上向上

Rakuten Analyticsを楽天市場に活用することで、在庫最適化と売上向上が期待できます。

例えば、よく売れる商品や地域による売れ行きの違いを分析することで、在庫を最適化できるでしょう。

また、ショッピングの時間を分析すれば、どのタイミングで在庫を多めに確保しておけばよいかがわかり、売り切れによる機会損失を無くすことができる可能性があります。

結果として売上向上も期待できるため、Rakuten Analyticsを商品分析に利用するメリットは大きいと言えるでしょう。

Rakuten Analyticsの今後の展開

楽天は「AI-nization（エーアイナイゼーション）」という、AIとの共存をテーマに掲げています。

AI-nizationとは、楽天が考案した「AI化」を意味する造語です。

このAI-nizationを軸として、Rakuten Analyticsの今後の展開が発表されているため、解説していきます。

分析結果の解析を支援するAIアシスタント機能

Rakuten Analyticsには今後、分析結果の解析を支援するAIアシスタント機能が追加される予定です。

楽天が開発した「楽天AI」との連携によって、利用者は分析結果を解析する必要もなくなる可能性があります。

楽天は、ChatGPTを開発したOpenAI社と協業するなど、AI開発にも力を入れています。

そのため、AIアシスタント機能は近い将来に実装される可能性が高いでしょう。

楽天市場内外のマーケティングツールとのAPI連携

Rakuten Analyticsは現在、他のマーケティングツールと連携できませんが、API連携機能を実装することが発表されています。

API連携が可能になれば、マーケティング施策の実行が容易になることが予想できます。

例えば、MAツールと連携することで、自社の顧客情報とRakuten Analyticsのデータを自動で統合するなど、より効果的な活用が可能になるでしょう。

まとめ

「Rakuten Analytics」は、楽天がこれまで蓄積してきた膨大な情報を活かして、企業の意思決定を支援する新しい分析プラットフォームです。

ペルソナの具体化や戦略の立案など、活用できるシーンが多いため、ビジネスの成長を促進できる可能性があるでしょう。

中には、「Rakuten Analyticsを活用したいけど、具体的な方法がわからない」といった方もいらっしゃると思います。

そのような場合には、楽天市場をはじめ、さまざまなECサイトの支援実績がある株式会社いつもにご相談ください。

Rakuten Analytics（楽天アナリティクス）に関するよくある質問