リスクヘッジにサービスレベル向上。2拠点出荷が実現するメリットの影に注意点も
今回は、サービスレベルの向上や在庫一括管理によるリスクを軽減するなど、にわかに注目が集まっているECの2拠点出荷について考えていきましょう。
関東と関西などの地域別出荷や自社と外部倉庫など、拠点を分けて出荷先を持つ際のシステムやオペレーションについて最近問合せが増えてきています。在庫は一箇所にまとめて預けた方が何かと便利だと考えられがちですが、拠点を分けることには大きく以下の3つのメリットが存在します。
1.首都圏だと坪代が高く、商材によっては分散させることで在庫コストが下がる場合がある
2.一つの拠点から全国に送るよりスピードが早くなる
3.一つの拠点だと災害など不測の事態に対するリスクが高くなり、拠点を分けることはリスクヘッジにも繋がる
大規模なEC事業者にとって大きなメリットがあるだけでなく、小規模でもトラブル防止のために店舗にも在庫を置いておきたいなど、様々な事業者様から関心が寄せられています。
実際に出荷拠点を分ける場合に気をつけたいポイント
出荷拠点を分ける際に気をつけるべきポイントは2つあります。
1つ目は、商品に出荷拠点のフラグを持たせることです。倉庫への出荷指示の際に受注データを全て落として振り分けていくのは現実的ではないため、商品を公開する際に設定する商品マスタに、どこから出荷するものなのかフラグを持たせることが重要になります。出荷指示データの作成も、このフラグに基づいた抽出となります。
2つ目は出荷指示の締め時間を分けることです。
出荷指示を各拠点一斉に行ってしまうとどうしてもデータが混在してしまい、現場の混乱を招いてしまいます。そこで拠点毎の出荷指示を時間で分割するバッチ処理を行うことでリスクヘッジを行うことが可能となります。午前中にA拠点、午後にB拠点というように時間で区切ることで大幅にミスを減らすことが可能となるのです。
自社発送を行っていて、倉庫が一杯になったため一部を外部に委託したり、逆に卸用にいくつかの在庫を自社内でも保管しておきたいなど、様々な事情に合わせて今後複数の出荷拠点を持つことは増えてくることが予想されます。受注から出荷処理まで、フルフィルメントの整理は将来を見越して早くから行っておく必要があるでしょう。
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