「触れない」壁をどう超えるか?楽天カテゴリトップランカーと考える「体験価値」の作り方

「触れない」壁をどう超えるか?楽天カテゴリトップランカーと考える「体験価値」の作り方

2026年春、弊社主催の「itsumoカンファレンス2026SPRING」を開催いたしました。本レポートでは、ベビー・キッズ用品の企画・販売で驚異的な成長を続けるウェステックスジャパンの坪田氏をお招きしたセッションの内容を、弊社の視点を交えて詳しくお届けします。

「競合が増えて差別化が難しい」「商品が良いはずなのにECで伝わらない」と悩むすべてのEC事業者様にとって、2026年の戦略指針となるはずです。

年間成長率123%を支える「データ×体験」の掛け合わせ


ウェステックスジャパン様は、ベビーチェアやベビーカーなどを展開するメーカーです。現在、楽天市場を主力に、AmazonやSNSコマースなど多角的な展開を行っています。

特筆すべきは、直近の圧倒的な実績です。

  • 年間売上成長率:前年比123%
  • CVR(転換率):ページ改善後 +1.1pt
  • レビュー獲得数:年間 5,000件超

同社がこれほどの成果を出せた背景には、市場の激変に対する「冷徹な分析」と「顧客への深い共感」がありました。

陥りがちな「過剰な差別化」の罠:スプーン1本の失敗から学んだこと


2023年末以降、キッズベビーカテゴリーの商品点数は前年比+87%と急増し、文字通り「選ばれないリスク」がかつてないほど高まっています。

こうした中、坪田氏が明かしてくれたのは、自信作だった「シリコン製乳児用スプーン」の失敗談でした。

・メーカーとしての仮説:「赤ちゃんに硬い素材は危険。柔らかいシリコンなら絶対売れる」
・市場の反応:全く売れず

【弊社の分析:メンタルモデルの乖離】消費者はスプーンに「危険」を感じておらず、むしろ「適度な硬さがあり、すくいやすいこと」を期待していました。「差別化」を意識しすぎるあまり、カテゴリの基本要件(期待値)から外れてしまったのです。2026年のEC戦略において、「独自性」は「基本の徹底」の上にしか成り立たないことを、この事例は痛烈に示しています。

弊社のコンサルティング現場でも実践する「体験価値」3つの突破口


ベビー用品のように「安全性」や「使用感」が命の商材において、ECの最大の弱点は「触れない・試せない」ことです。ウェステックスジャパン様と弊社が取り組んだ、この壁を突破する3ステップをご紹介します。

ステップ①:ユーザーインサイトの再定義

「なぜ買わないのか」を徹底調査した結果、不安の正体「安全性」「実際の使用感」「自分の子に合うか」の3点に集約されました 。これを踏まえ、弊社では「スペック訴求」から「不安払拭訴求」への転換を提案しました。

※独自調査結果

ステップ②:動画と画像による「擬似体験」の構築

主力製品のベビーチェア「Beyond Junior」では、以下のコンテンツを大幅に強化しました。

リアルな使用シーン:生活の中での使い勝手や掃除のしやすさを可視化。

エビデンスの可視化:厳格な認証マークや安全素材を、誰にでもわかる言葉で図解。「なんとなく良さそう」を「これなら安心」という確信に変える設計です。

ステップ③:レビューを「最強の接客資産」へ

単なる感想ではなく、「購入前の不安がどう解消されたか」というストーリーを持つレビューを戦略的にピックアップし、商品ページの目立つ位置に配置しました。これにより、未購入者の背中を強力に押す仕組みを作っています。

【重要データ】AI時代の購買行動:レビューは「最後の砦」


本セッションで弊社が特に強調したのが、最新の消費者データです。

  • AI検索の日常化:約60%のユーザーが、漠然としたニーズの段階からAI検索を利用。
  • レビュー確認の徹底:女性の97%が購入前にレビューを確認。ほぼ「全員」です。
  • 横断的な「口コミ検証」:AIが提案した商品に対し、86.8%がGoogleなどで再検索して検証。その結果、約半数が当初の候補とは別の商品を購入しています。

つまり、2026年の購買フローは「AIが出会わせ、レビューが意思決定させる」構造へと変化していきます。ブランド側は、AIに選ばれるための「情報の質」と、人間に選ばれるための「レビューの鮮度」の両方を管理しなければなりません。

2026年の展望:テクノロジーと「人の温かみ」の融合


最後に、今後の楽天市場での戦略についてまとめます。楽天はAI活用を加速させており、商品説明文の自動生成や、対話型接客(AIコンシェルジュ)による購入決定時間の短縮などが進んでいます。

しかし、坪田氏は「だからこそ人の温かみが重要になる」と語ります 。

  • 商品ページでの体温が伝わる表現
  • 心に響く同梱物
  • 誠実な顧客対応

AIで効率化できる部分は徹底的に活用し、生まれた余力で「顧客との絆」を深める。これこそが、いつも(itsumo)が考える2026年以降のEC成長の方程式です。

弊社では、ウェステックスジャパン様のような成功事例を生み出すための「データ分析」と「クリエイティブ」の両面支援を行っています。
自社の「体験価値」をどう言語化すべきかお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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楽天専門チーム
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株式会社いつもが誇る楽天専門チームが、楽天における最新の集客支援の施策や運用のポイント、広告戦略についてお送りします。

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