公開日:2022年1月26日

EC物流倉庫における商品管理の基礎知識と重要ポイントを解説

今回は、EC物流倉庫における商品管理の基礎知識と重要ポイントについてご紹介します。

リアル店舗とEC店舗 それぞれの商品管理の違い

リアル店舗とEC店舗の商品管理は”効率性”に関しての意識の違いがあります。

リアル店舗の商品管理では、各ブランドメーカーの場所取り合戦があったり、利益性の高い商品を優先して置く必要があったり、目につきやすいように商品の向きを調整するといったことがあります。そのため、いわゆる”棚割”は商品管理の習慣によって保管スペースの効率性を無視したものになってしまうことがあります。

一方のEC店舗は、そもそも保管スペースにお客様が来店しないため、リアル店舗の商品管理のような習慣のしがらみもなく保管スペースを効率化することができます。つまり、保管スペースを効率化するということは、すなわりコスト削減に直結しますので、その分のコストを商品の代値引きや送料無料に還元することができれば、お客様の満足度も向上して結果的に売上アップに繋げることができるのです。

バックヤードの「商品管理」という取り組みでも、店舗の競争力を強化することに繋がるため、EC店舗においての物流倉庫の商品管理はとても大切な要素の一つと言えます。

このEC店舗での物流倉庫における商品管理の方法について下記で説明していきます。

知らないと損をしている!? ロケーション管理の方法

物流倉庫内ではロケーション管理の方法によって商品管理を行っています。ロケーション管理とは、物流倉庫内にある商品をピッキングしやすいように、商品の保管場所を住所と番地で管理し、システムで判別したり、看板などを設置してすぐ分かるように可視化したりすることです。

この商品管理をするロケーション管理方法には、「固定ロケーション」と「フリーロケーション」の2つの方法があり、取り扱い商品の特性によって商品管理の向き不向きがあります。仮に、商品管理に不向きな運用を続けている場合は「保管コスト」「出荷業務コスト」が増加していきますので見直すことをおすすめします。

次に、この「固定ロケーション」と「フリーロケーション」それぞれの商品管理の方法やメリット、デメリットについて説明していきます。

予め決められた保管場所にする「固定ロケーション」

商品管理の「固定ロケーション」は、その言葉の通り同じ商品を予め決められた保管場所にする方法です。

Aという商品が2点ある場合、「例:001-001-01」など指定された番地に2点まとめて保管されます。

この固定ロケーションを運用するメリットは、商品の判別が比較的難しいものや、ロット管理をアナログで行う場合などに固定ロケーションを用いてルールを決定することでピッキングミスを防ぐことが可能となります。

一方でデメリットは、商品の種類毎の保管場所が固定されているため、商品の種類が増えると保管坪数も増えていき、商品スペースを一度増やしてしまうと商品を売り減らしても保管坪数を減らしにくいという点です。

固定ロケーションを中心とした商品管理を効率良く行う場合は、販売終了を予定している商品の保管スペースに販売中の商品を詰めるなどして、定期的に無駄なスペースを潰していく運用を行うことが望ましいです。また、固定ロケーションを運用する際に注意するポイントとして、物流業務を外部に委託しているEC店舗は委託先がWMS(Warehouse Management System(倉庫管理システム))を導入しているかを確認することが大切です。

WMSが導入されていない場合は、高確率で固定ロケーションでの運用になっている可能性が高いです。仮にそうだとすると、無駄な商品スペースが請求されている可能性もあるので、今一度しっかりと確認するようにしましょう。

商品管理方法「固定ロケーション」の特徴を説明してきました。
次に「フリーロケーション」について説明します。

流動的に保管場所を変える「フリーロケーション」

商品管理の「フリーロケーション」は、商品の入庫日・番地・品名・数量を一体的に管理して販売動向に合わせて保管場所を変える方法です。

例えば、Aという商品が2点ある場合、「001-001-01という場所に1点、002-002-02という場所に1点」など同じ商品でも保管する場所が異なることになります。

このフリーロケーションを運用するメリットは、「棚が空いている所から順に詰めていく」運用のため、前述のように同じ商品でも複数の場所に別れて保管することが可能であることです。つまり、商品の保管スペースに空きがあれば流動的に詰めて保管することになるので、収納効率が高い運用を行うことができるのです。

一方でデメリットは、同じ種類の商品が異なる保管スペースに配置されることから、ピッキング作業やオペレーション業務の効率が悪くなるなど、作業ミスの発生に注意することが必要です。

ここまで「固定ロケーション」と「フリーロケーション」の管理方法について説明しました。商品管理は取り扱う商品や出荷に至る作業によって、「固定ロケーション」と「フリーロケーション」のどちらが最適なのかは変わってきます。WMSを導入した物流倉庫では、商品管理の効率化のために両方をミックスさせる場合もあります。一部だけフリーロケーションを採用するといった対応が可能な場合もあるため、検討している物流倉庫が見学できるようであれば一度現地を見学してみるのも良いでしょう。

商品管理の注意点は詳細にしっかり伝える

化粧品や時計といった高級商材では、特に細かい商品管理を意識しなければなりません。

例えば、物流倉庫内での移動では「手袋の着用を義務付けて指紋の付着を防ぐ」など、特性に合わせて商品管理を徹底する必要があります。
「温度管理を行っていない常温の物流倉庫」の場合は、6~9月は物流倉庫内の室温が30度を超えてしまうことや、物流倉庫の保管スペースの割り振りで直射日光が当たってしまう場所になることも考えられるでしょう。実際に「常温の物流倉庫に委託していたら、革製品に日光が当たって欠陥品になってしまった」というお話を伺ったこともあります。

このように、物流倉庫における商品管理の定温・遮光などの細かい部分でも、しっかりと要件を伝えることが大切です。

また、これは前述のロケーション管理と大きく関連します。例えば、物流倉庫内で「Xxの商品はyy度指定のためzzの番地に保管」など具体的な商品管理に細かく対応するためには、ロケーション管理を行っていないと正確な商品管理は難しくなります。

ロケーション管理は、保管コストや商品を出荷する作業コストなどに大きく影響する重要な項目です。今回ご紹介した物流倉庫内における商品管理のポイントを押さえて、コストとサービス、更にはリスク管理まで含めたバランスの良い物流倉庫の体制を整えるようにしましょう。

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