【最新】楽天市場のSNS活用術
みなさんこんにちは。楽天市場におけるコンサル、広告運用、運用代行などで楽天市場総合マーケティングを提供するいつも.のECコンサルタントです。
今回は「SNSを楽天市場で活用する方法」についてお話をさせていただきます。
先日あるお客様から、こんなご質問をいただきました。
「楽天市場でもSNSの活用ってできますか?」
答えは、「Yes」です。
日本国内のネットユーザーの約8割が利用するSNS。このSNSの動向や媒体ごとの活用法を理解することで、効果的な運用と楽天市場での活用を実現させていきましょう。
【2022年最新】SNS利用者の動向
まずは日本国内のSNS利用者の動向を見ていきます。日本国内のSNS利用者数は2022年末に8,270万人に達し、ネットユーザー10,199万人のうち82.0%がSNSを利用する推計となりました。
日本国内のネットユーザーにおけるSNS利用者数は年々増加しており、2024年末には8,388万人に達する見込みで、ネットユーザーに対するSNS利用者数の比率は83.2%となります。
引用元:ICT総研「2022年度SNS利用動向に関する調査」
またSNS利用者のうち、LINE利用率は79.5%、YouTube 62.0%、Twitter 55.9%、Instagram 52.9%という結果になっています。そのほか主要SNSのなかでFacebookは24.6%、TikTokは19.7%となりました。
引用元:ICT総研「2022年度SNS利用動向に関する調査」
上記のデータから、若者に人気とされるTikTokは利用率としてはネットユーザー全体の約2割程度に留まっており、幅広い世代へと浸透していない状況が推測できます。反対にLINEはコミュニケーションツールとしてのユーザーニーズを上手く捉え、普段使いのSNS(生活インフラ)として世代を問わず定着しているようです。
実際LINEの年齢別利用率は以下のようになっており、「幅広いユーザー属性を抱えるSNS」ということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
・10代:88.7%
・20代:98.1%
・30代:93.4%
・40代:87.7%
・50代:82.6%
・60代:52.8%
引用元:LINE株式会社「マーケティングソリューションカンパニー 2021年1〜6月期版」
また先述した調査(ICT総研「2022年度SNS利用動向に関する調査」)の「SNSの課金機能の利用経験率」に関する調査項目では、SNS 利用者のうち、LINEで課金機能(有料スタンプなど)を利用したことのあるユーザーは 31.8%となり、最も高い課金機能利用率を記録していました。
また、LINEの次に多いのはYouTubeで16.3%(YouTubeプレミアムなど)、その次がTwitterの12.8%(スーパーフォローなど)となっています。
以上の調査データを参考にすると、まずEC事業者は利用率・課金機能利用率が高い「LINE」をSNS運用のチャネルとしておさえつつ、次にYouTubeやTwitter、Instagramを使った動画配信やコンテンツ配信をユーザー属性に応じて対策していくと良いでしょう。
楽天市場でSNSを活用するメリット
SNSを活用すると、楽天市場内の自店舗にSNSのユーザーを集客することが可能になります。
検索表示対策やコンテンツ対策などを通して、楽天市場のプラットフォーム内で集客を強化することはできますが、どうしても「楽天市場の会員」や「楽天市場の利用に慣れ親しんでいる会員」にアプローチしてしまいます。
新しい属性の顧客や、従来とは異なる層の顧客にアプローチするには、様々なユーザーが利用するSNSを集客チャネルに据えることがポイントとなるのです。
もし上手くSNSを運用できれば、自社アカウントから直接楽天市場の自店舗へと集客できるなど、送客率を高めることが見込めます。
特にLINE公式アカウントのリッチメニューやチャット配信、Instagramのショップ機能などは、楽天市場の自店舗へのリンクを設定するのにうってつけの機能であり、自社商品の魅力を伝えながら、購買意欲の高まったユーザーを迅速に楽天市場内の商品詳細ページへと誘導が可能です。
SNSを活用するとどんなメリットがあるのか?
楽天市場を利用するEC事業者がSNSを活用するメリットは大きく分けて2つあります。
1つ目は「自社ブランドを好む新規顧客を獲得できること」です。楽天市場内だけで集客を行っていると、楽天市場のショップに訪れるユーザーは「楽天市場の会員」もしくは「検索エンジンから流入するユーザー」に偏ってしまいます。
そうしたユーザーの多くはどちらかといえば、「自社ブランド」よりも「商品」の方に目が行きがちで、より安くて状態の良い商品があれば別のショップで購入する可能性もあるでしょう。つまり自社ブランドへ長く利益をもたらす「優良顧客」ではない可能性があるのです。
一方でSNSから集客するユーザーは、1度自社ブランドのSNSアカウントを通過しています。実はここがポイントで、ユーザーが自社ブランドの世界観やコンセプト、各SNSのアカウントから感じ取るブランドイメージを経て、楽天市場内のショップへとたどり着くことになります。
この「一度自社ブランドのSNSアカウントを通過したお客さん」が楽天市場のショップに来ていることを想像してみてください。
なかには「自社ブランドの投稿を5回見ており、発信内容やブランドの世界観に共感して訪れたユーザー」がいるかもしれません。また「今までその商品がほしいって思ったこともなかったのに、投稿内容に共感してしまって、いつの間にか楽天市場のショップにたどり着いていた」なんてユーザーがいても不思議ではないでしょう。
つまり自社のSNSアカウントから集客できるユーザーは「多様性が高くなる」のです。自社ブランドの新しい可能性や、新たなニーズを発見するのは、SNSからやってくる新規顧客かもしれません。
SNSを活用する2つ目のメリットは「高い送客率」です。例えばLINE公式アカウントの機能である「リッチメニュー」や「チャット配信」、「クーポン」などは直接楽天市場のショップへとリンクを貼れる絶好の機能となります。
またInstagramのショップ機能は、投稿の画像や動画に直接埋め込むことができるため、コンテンツを閲覧したユーザーが直感的に画面に触れた流れで、わずか2タップで自社ECへと遷移させることができます。つまり余計な行程を踏まずに、自社ブランドの魅力を伝えつつ、ユーザーを商品購入画面へと誘導できる優れものです。
Instagramのショップ機能を利用して、投稿画面から直接楽天市場などのECモールショップへとリンクが張りたいショップ運営者も多いかと思いますが、2022年6月8日時点では楽天市場含め、ECモールショップへのリンクは張ることができません。
独自ドメインを取得している自社ECなどであれば、「Instagramの投稿画面」「Instagram内のショップページ」「自社EC」という流れでユーザーを誘導させることが可能です。
Instagramのユーザーを獲得するには「自社ECの構築」が必要な形となりましたが、楽天市場のショップ+自社ECの2本柱でEC運営ができるため、集客・販促施策の幅が広がると思えば良い機会になることでしょう。
例えば独自ドメインを取得したサイトにはEC機能は持たせずブログサイトとし、楽天市場店へとユーザーを遷移させる方法も考えられます。このように役割を分けることで、ブログサイトはSEO対策に専念することも可能で、運用の難易度も下がることから、一石二鳥の施策となります。
SNSで発信する内容のポイント
ここまで、SNSを活用するメリットをお伝えしてきましたが、「商品の告知ばかりを行うのはNG」であることを意識しておきましょう。なぜなら、SNSはそもそもユーザーと交流することが目的の媒体だからです。
商品の効果的な訴求や、購買プロセスの省力化を支援するのがECプラットフォームの役割だとすれば、SNSはブランドへの興味・関心の醸成、購買以外の部分でのユーザーとの関わりを見出す場所と捉えることができます。
そのため、単に商品の機能面や他社比較ばかりを前面に押し出すのではなく、自社ブランドが大切にしているコンセプトや価値観などを1つひとつの投稿に反映していくことがポイントとなります。
例えばその商品を使うと、どんな素敵な『コト』が待っているのか?を訴求すると「いいね!」がつきやすい傾向にあります。
反対に、自社商品を上げ続けたり、イベントの告知や宣伝ばかりの投稿をしていると友達数やフォロワーが減少し、訴求力の低下につながる可能性もあるので注意が必要です。
SNS媒体ごとの活用法
最も利用者数が多く、また課金機能利用率が高いLINEを運用する場合は、LINE利用者1人ひとりにアプローチしやすい「LINE公式アカウント」を利用します。
LINE公式アカウントには先述したように一般ユーザーアカウントにはない機能が充実しており、企業やブランドがLINEを使った快適な集客活動が行えるよう整備されているからです。
例えばLINEの友だち追加をしてくれたユーザー1人ひとりに送付できる「クーポン」は、「A商品を楽天市場内のショップで購入するユーザーに限り、1,000円割引のクーポン適用」といった条件を設けて、友だち追加を行ったユーザーに効果的にアプローチできます。
また、Instagramの場合はLINEのように友だちではなく、フォロワーという形で見込み顧客が把握できるため、フォロワーに向けた情報発信を行っていきます。
例えば「フォロワーが自社ブランドの商品を手にすることで、どのような理想の未来が得られるのか」を考えます。そこで「自分らしいニュアンスカラーを取り入れたおしゃれコーデを得たい」という未来だったとすれば、ハッシュタグキャンペーンなどを行い、ある商品の名称やキャッチコピーなどを含めた投稿をユーザーに促しましょう。
そうしてユーザーが投稿したコンテンツは、「UGC(User Generated Contents:ユーザー生成コンテンツ)」と呼ばれ、自社アカウントがタグ付け・メンションされた際に、自社アカウントのストーリーズにて再投稿(リポスト)することが可能です。
ストーリーズ機能は24時間で消えるコンテンツですが、タイムリーにアカウントの状態を伝えることができる便利ツールとなります。キャンペーン期間中であれば、キャンペーンに参加してくれたユーザーの投稿をリポストし、自社コンテンツとしても利用できます。
楽天市場の出店向けSNS活用サービス「R-SNS」について
ここまでSNSの動向から発信する際の内容のポイント、各媒体での活用方法までを説明してきました。最後に、楽天市場内とSNSを掛け合わせることのできる、「R-SNS」について説明していきたいと思います。
SNSを利用した店舗運営の情報発信ツール「R-SNS」
「R-SNS」とは、楽天市場が提供する出店店舗向けのSNS活用サービスです。
(参考:楽天市場への出店・開業案内 「R-SNSとは」)
楽天市場では、ガイドラインにて「外部サイトへのリンクの設置」が禁止されていますが、このR-SNSを利用することで、店舗内に自社ブランドのSNSアカウントのリンクバナーを設置したり、メルマガ内にSNSリンクを設置したりといった行為が許可されます。
R-SNSを利用するメリット
R-SNSを利用するメリットは、先述した「SNSを利用するメリット」と関連して、既存顧客以外のユーザーへとアプローチできる点です。R-SNSを利用すると、楽天市場の店舗ページ内にバナーを設置して友達登録やフォロワー募集を行うことができます。
自社ブランドのメルマガを受信していないユーザーや、楽天市場でしか関われなかったユーザーにもSNSの接点を持つようになれます。
先述した、SNSを活用するメリットは、「SNSから楽天市場」という流れでしたが、R-SNSを活用し「楽天市場からSNS」という流れも生み出すことで、より新規顧客獲得の相乗効果が図れます。
R-SNSを利用する方法
R-SNSは初期費用0円で、月額費用3,000円を支払うことで利用を開始できます。この月額費用を支払うことで、楽天市場とSNSの自社アカウントをリンクで繋げるようになります。利用できるSNSはFacebook、Instagram、LINEアカウント、ROOMです(2022年5月31日現在)。
ただし、R-SNSのアカウントは楽天市場専用のアカウントとなります。楽天市場用のアカウントから、自社ECサイトへの送客は、利用規約や楽天市場の出店規約、ガイドラインで禁止されているので注意して下さい。
まとめ
以上、EC事業者様がSNSを活用するメリット、そして楽天市場内ではR-SNSを活用することで、より多くのユーザーに自社ブランドを認知してもらえることをお伝えしてきました。
SNSの自社アカウントを運用し始めた頃は手探りの状態が続きます。しかし、ユーザーの反応などを注意深くうかがうことで、発信内容の方向性やふさわしいコンテンツとは何か少しずつ分かってくるはずです。媒体ごとの特徴を意識して、商品説明に偏らないユーザーへ向けた投稿を意識し見てください。
SNSが活用でき、R-SNSを通して楽天市場とも掛け合わせることができれば、多様な新規顧客を獲得できるようになるでしょう。
R-SNSの運用方法や、SNSアカウント運用のヒントなどを知りたい方は、ぜひお気軽に弊社へご相談いただけますと幸いです。
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楽天市場でのSNS活用に関するよくある質問
- 楽天市場でSNSを活用するメリットは?
- 大きなメリットは2つ。「自社ブランドを好む新規顧客を獲得できること」と「高い層客率」です。
詳しくは下記の記事をご確認ください。
https://itsumo365.co.jp/blog/post-2512/
- 楽天市場でのSNSの注意点は?
- 「商品の告知ばかりを行うのはNG」であることを意識しておきましょう。なぜなら、SNSはそもそもユーザーと交流することが目的の媒体だからです。
- R-SNSとは?
- 月額費用を支払うことで楽天市場とSNSの自社アカウントをリンクで繋げるようになります。利用できるSNSはFacebook、Instagram、LINEアカウント、ROOMです(2022年5月31日現在)。