消費財ブランドのDtoC(D2C)は顧客に届くまでの顧客体験を設計する
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小売業の閉店に伴い注目を浴びるメーカー直販モデル
みなさんこんにちは。D2C、ECコンサルティングを提供する株式会社いつも.のコンサルタントです。
今、ブランド保有企業やメーカーが、ECチャネルを通して直接消費者と接点を持ち、ファンを増やしながらEC売上を増やしていくという新潮流の「DtoC」(D2C)が加速しています。
特に、アメリカではメーカー企業がデジタルおよびECの接点を増やして、この「DtoCモデル」を加速しています。
加速する理由の一つ目として、アマゾンのシェアが急速に高まり、従来の主要販売チャネルであった百貨店や専門店において、新規顧客との接点が減っていくことへの危機感があります。
二つ目は、小売企業の業績悪化や店舗の大量閉鎖に伴い、店頭において自社の商品を適正に理解して、接客を通して顧客に商品価値や利用方法などをきちんと伝える機会が減ってきている点があります。
これらの動きが続けばブランド保有企業にとってはブランド価値を高めてファンを増やしていく上で大きな懸念点となっています。
アメリカでは、このような動向を踏まえて「やむを得ず、DtoC(D2C) モデルへシフトしている」という状況です。本来でれば主要取引先に一括で卸しながら販売委託する方が既存のビジネスモデルとして慣れていて、メーカーとしてはその方が楽なはずですが、デジタルを通して接触時間を増やしている20代~40代の接点の場として、ブランド価値を自社から直接伝えて購入してもらうEC直販のDtoC(D2C)へシフトしている状況です。
メーカー系企業にとって、EC・デジタルを通して直接消費者と接点を持つことは、従来とは全く反対の視点を持つことになります。
■従来は、メーカーとして
⓵マーケティング活動・商品企画
⓶商品の製造・管理
⓷卸先、主要小売業へ情報提供・販促支援
までが主な役割となり、
その先の消費者に向けての販売は、委託先の企業に任せながら「販売情報」や「お客様の声」を間接的に得ながら販売活動を行っている状況かと思います。
この従来モデルのメリットとしては、主要取引先に一括で納品し委託できる点であり、商流的には長年行われているので容易な点です。デメリットは、消費者の声が直接手に入らないことがあります。とりわけ、購入してくれた後の商品への評価などは正確に取得するのは難しいところです。更に、全国の店舗で実際にどのような売場や接客方法で売られているかも掴みきれない点があります。
一方、日本でも新潮流となりそうな「DtoC(D2C)モデル」に関しては従来モデルとは全く異なる発想や仕組みが必要となります。
■メーカーがECにて「DtoC(D2C)モデル」を構築する場合
⓵マーケティング活動、商品企画
⓶商品製造・管理
⓷ECサイト運営
⓸認知・集客活動
⓹EC受注・顧客対応
⓺消費者(C)向けの配送体制
をトータルに管理する必要があります。
更に、自社ブランドECサイト、楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなど複数の販売
チャネルにおいて販促活動や分析なども行う必要があります。DtoC(D2C)モデル構築で最も重要となるのは、「消費者に届いた瞬間」を起点にしたマーケティングとビジネスを作りあげることとなります。
メーカーとして直接消費者とつながることは慣れない面もありますが、EC直販においては「箱を開けた瞬間」「箱から取り出した直後」にブランドとしてどのように感動や情報を届けたいか?ということを起点に「DtoC(D2C)モデル」構築が必要になってきます。
例えば「ギフト用の箱」や「同梱冊子」などをブランドとしてどうこだわっていくのかを企画して実行していくことは従来のモデルではできなかったことができ、消費者と直接つながることで、ブランドのファンを増やすことが可能となります。
顧客からの評価についてもモールであれば「レビュー」にて直接得ることができ、他の購入を検討している消費者の購入を後押しすることにも役立ちます。
最近であれば、ブランドとして感動を与えるような商品パッケージやギフトボックスで届けることによって、自然な形でソーシャルでの拡散を増やす効果も狙えます。
ECを中心とした「DtoC(D2C)モデル」により、従来のようなメーカーが川上で消費者が川下という発想から、ブランドとして消費者(C)に直接「驚き」や「感動」をどのように届けるのか?ということを起点に発想・企画をするということへ大きく転換することになります。
日本においては、アメリカの2年程度遅れてこのような新潮流が大きく動き出していることを理解しつつ、数年後を見据えて「DtoC(D2C)」モデル構築を本格的にスタートする企業が増えてくる情勢ですので注目しておきたいところです。
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