公開日:2019年5月8日

データで理解!EC業界を熟知するための統計・調査データまとめ

日本でEC事業をするのなら、基礎知識として様々なデータや統計は押さえておくべきです。

しかしそう言われても、どんなデータや統計を押さえておけばいいのか分からないという方もいるでしょう。また押さえておくべきデータや統計が分かっていても、それを一つずつ調べていくのには手間がかかります。

そこで今回は日本のEC事業者のために、EC市場を把握するための様々な統計と調査データをまとめて紹介していきます。あわせてコンサルの視点から、自社ECの活用のヒントなども盛り込んだので、ぜひ参考にしてみましょう。

1「データ1)年代別のSNS利用率は?」

総務省の令和2年情報通信白書によると、年齢階層別SNSの利用状況は以下の通りとなっています。

年齢階層別ソーシャルネットワーキングサービスの利用状況

出典:総務省 令和2年情報通信白書

【高齢者の利用率推移に注目】

上記のグラフの通り、2018年と2019年のSNSの利用率を年代別に比較したデータでは、全体としてたった一年で60%から69%に利用が急速に拡大しています。また、すべての世代において利用が拡大傾向にあることがわかりました。

世代別では、2019年において20代(87.1%)、30代(83.0%)、10代(80.5%)の順に利用率が高くなっています。

他方でより注目したいのは、高齢者層の推移です。

70代では23.6%から40.7%へと倍近い伸びを示し、80歳以上に至っては16.9%から42.8%へと2.5倍以上と全世代で最大の伸張を見せたのです。

増加の割合の観点では、若年層よりも高齢になるほどその増加率が顕著となっていることがわかります。

このことから、もはやSNSの利用の拡大は若年層に限ったことではなく、全世代において生じている現象であると言えます。

特にLINEやYoutubeは全世代で親しまれるソーシャルメディアとなっています。

ポイント!

70代の半数近くがSNSを利用。シニア層がターゲットに含まれる商品カテゴリーであれば、シニアを意識したSNS発信も求められる。インターネットの利用率の調査においても高齢者のインターネット利用が一般化していることが明らかとなっており、こうしたデータは高齢者をターゲットとしたマーケティングの認識の転換を迫るもの。

 

2「データ2)スマホとPCの利用動向は?」

出典:LINE株式会社『〈調査報告〉インターネットの利用環境 定点調査(2017年上期)』

【スマホのみ利用者の比率に注目】

インターネットを週1回以上の頻度で利用する15 ~59歳の「デバイス別の利用比率」を見ると、スマホ利用者は85%、PC利用者は46%となっており、全体の91%がスマホまたはPCでインターネットを利用しています。このうち、スマホのみを使っているのは46%、スマホとPCを使っているのは39%、PCのみは6%でした。

ECにおいても、使われるデバイスはスマホが中心。特にファッションや美容健康など、主に女性をターゲットとする商品カテゴリーではスマホ比率が非常に高いです。

こうした現状を踏まえると、商品ジャンルによっては「スマホファースト」のフェーズを過ぎ、「スマホオンリー」の時代に入ってきているといえます。

ポイント!

スマホのみ利用の比率が50%近くになる状況で、ECサイトも「スマホファースト」が必須。一方で「スマホ+PC」も40%近くいることを忘れずにサイト分析を行う必要。

3「データ3)スマホで良く利用するサイトは?」

日本におけるスマートフォンからの利用者数

出典:ニールセン デジタル株式会社「日本のインターネットサービス利用者数ランキング」

 

【対昨年増加率に注目】

上記の表のニールセン デジタル株式会社の2017年1-10月の調査は、モバイル端末で利用されているサービスの中で、利用率が高いサービスのベスト10を示しています。GoogleとYahoo!Japanが1~2位にランクインしており、スマホにおいても検索エンジンは多くのユーザーに利用されていることがわかります。

同時に、大手ECモールやSNSも名を連ねています。近年は若年層を中心に検索に使うサービスが多様化しており、商品の情報を検索する際、検索エンジンではなく、SNSやECモールを使う消費者が顕著に増えています。

消費者の検索行動が多様化していることを踏まえ、集客施策を考えることが必須です。

ポイント!

自社のターゲットが「どのチャネルで商品を認知するのか」「どのサービスからECサイトに流入しているのか」の作戦を練ることが集客の鍵。

 

 

4「データ4)Instagram経由のショッピング動向は?」

Instagram経由のショッピング動向

出典:株式会社マージェリック『Instagramのショッピング機能に関する調査』

【衝動買いの比率に注目】

上記のグラフの通り、株式会社マージェリックによる2018年6-7月の調査によると、SNSで商品やサービスの情報を検索するユーザーが増える中、Instagram上での商品との出会いがショッピングのきっかけになっています。Instagramで見つけた商品を実際に購入したことがある割合は、Instagram利用者の45.8%。そのうち約7割は「衝動買い」をしたことがあると答えました。

Instagramの利用者は若い女性が多いため、洋服やアクセサリー、化粧品、靴、バッグといったファッションアイテムが買われやすいようです。

2018年6月には、Instagramの投稿からECサイトにリンクを貼れる「ShopNow」が日本でも始まりました。Instagramで商品のことを知り、すぐさま通販サイトを訪れて購入する消費行動は日本でも定着しつつありますから、Instagramを活用したマーケティングは、ますます重要になるでしょう。

ポイント!

Instagramのメインユーザーである10~30代の女性をターゲットにしているEC事業者は、Instagram上で商品の認知度を上げる取り組みが大切に。

5「データ5)ネット通販の配送に望むことは?」

オンラインショッピングの配送に対する意識

出典:ニールセン デジタル株式会社「Nielsen Online Shopping Report 2017」

【送料無料・まとめてお届けの比率に注目】

上記のグラフの通り、ニールセン デジタル株式会社の2017年のレポートによると、ネット通販の「配送」に関する意識調査で、ネット通販の利用者の72%が「早く届かなくても良いので、送料が無料になる」ことを重視すると答えました。また、「一定金額以上購入すると、送料が無料になる」を重視すると回答した割合も72%です。

昨今のEC業界では、宅配会社による送料の値上げを受け、送料無料を廃止する動きも広がっています。しかし、こうした消費者の声を踏まえると、やはりECにおいて「送料無料」は非常に強力な施策であると言えるでしょう。

フルフィルメントコストの最適化などに取り組むことで、送料無料を維持できるコスト構造を構築することが重要です。

ポイント!

ECにおいては「早さ」より「送料無料」が重要。無料でも利益を確保できる商品の開発と、バックヤード業務の効率化によるコスト削減の両輪が求められる。

6「データ6)ネット通販で使われる決済は?」

出典:総務省 令和2年情報通信白書

【クレジット以外の手段に注目】

上記のグラフの通り、総務省の令和2年の情報通信白書によると、インターネットで商品を購入する際に利用する決済手段を見ると、「クレジットカード決済」が79.7%でもっとも多く、ECサイトへのカード決済の導入は必須であることがわかります。

ただ、「代金引換」や「銀行・郵便局の窓口・ATMでの振込・振替」などで現金支払いが減少していますが、「コンビニ払い」は依然として40%を超えており、現金払いのニーズは根強いこともうかがえます。コンビニでも支払える「後払い」の重要性は現在でも高いと言えるでしょう。

また「電子マネーによる支払(楽天Edy、Suicaなど)」が急増しています。クレジットカードを持っていない消費者が一定数いることを考えると、カード決済以外の決済手段も幅広く備えておくことが必要です。

ポイント!

クレジットカード決済が必須。購入後にコンビニなどでも支払える「後払い」の導入も必要。スマホEC時代になり、電子マネーの重要性も高まっている。

 

7「まとめ」

EC事業を成功させるには、日本のEC市場のデータや統計は最低限押さえておくべきです。この記事で紹介したものはいずれも基礎的なものばかりですが、だからこそ知っているのと知らないのとでは後々大きな差が出ます。

EC事業を展開している事業者の方は、ぜひこの記事を参考にして、自社ECに活かしてみてはどうでしょうか。