データで理解!EC業界を熟知するための統計・調査データまとめ間に

データで理解!EC業界を熟知するための統計・調査データまとめ間に

日本でEC事業をするのなら、基礎知識として様々なデータや統計は押さえておくべきです。

しかしそう言われても、どんなデータや統計を押さえておけばいいのか分からないという方もいるでしょう。また押さえておくべきデータや統計が分かっていても、それを一つずつ調べていくのには手間がかかります。

そこで今回は日本のEC事業者のために、EC市場を把握するための様々な統計と調査データをまとめて紹介していきます。あわせてコンサルの視点から、自社ECの活用のヒントなども盛り込んだので、ぜひ参考にしてみましょう。

1「データ1)年代別のインターネット利用率は?」

インターネットの利用動向

出典:総務省「通信利用動向調査の結果」

【60代、70代の利用率に注目】

国内におけるインターネット利用率は80.9%で、年齢階層別に見ると13歳から59歳は9割を超えています。20~40代は100%近いです。

注目すべきは、60代が74%、70代でも46.7%がインターネットを利用していること。スマホユーザーに限っても50代は約70%、60代は約40%、70代は約15%です。このデータを踏まえると、「シニアはインターネットを利用しない」という認識は、間違いだと言えるでしょう。

また50~70代の約8割がネット通販を利用したことがあり、年間で平均11万6000円をECに使ったとする調査結果もあります。シニア層は積極的にインターネットを活用しているのです。

ポイント!

70代の半数近くがインターネットを利用しています。シニア層がターゲットに含まれる商品カテゴリーであれば、シニアを意識したサイト作りも行いましょう。

2「データ2)スマホとPCの利用動向は?」

アクティブなネット利用者の実態

出典:LINE株式会社調べ『〈調査報告〉インターネットの利用環境 定点調査(2017年上期)』

【スマホのみ利用者の比率に注目】

インターネットを週1回以上の頻度で利用する15 ~59歳の「デバイス別の利用比率」を見ると、スマホ利用者は85%、PC利用者は46%となっており、全体の91%がスマホまたはPCでインターネットを利用しています。このうち、スマホのみを使っているのは46%、スマホとPCを使っているのは39%、PCのみは6%でした。

ECにおいても、使われるデバイスはスマホが中心。特にファッションや美容健康など、主に女性をターゲットとする商品カテゴリーではスマホ比率が非常に高いです。

こうした現状を踏まえると、商品ジャンルによっては「スマホファースト」のフェーズを過ぎ、「スマホオンリー」の時代に入ってきているといえます。

ポイント!

スマホのみ利用の比率が50%になる状況で、ECサイトも「スマホファースト」が必須ですが、一方で「スマホ+PC」も40%いることを忘れないでサイト分析を行う必要があります。

3「データ3)スマホで良く利用するサイトは?」

日本におけるスマートフォンからの利用者数

出典:ニールセン デジタル株式会社

【対昨年増加率に注目】

この調査は、モバイル端末で利用されているサービスの中で、利用率が高いサービスのベスト10。GoogleとYahoo!が1~2位にランクインしており、スマホにおいても検索エンジンは多くのユーザーに利用されていることがわかります。

同時に、大手ECモールやSNSも名を連ねています。近年は若年層を中心に検索に使うサービスが多様化しており、商品の情報を検索する際、検索エンジンではなく、楽天やAmazonのアプリを使う消費者が顕著に増えています。

また、情報を検索するとき、検索エンジンよりもSNSを使うことが多いと答えた割合は、20代が37.5%、30代でも23.5%に達しているという調査結果もあります。消費者の検索行動が多様化していることを踏まえ、集客施策を考えることが必須です。

ポイント!

自社のターゲットが「どのチャネルで商品を認知するのか」「どのサービスからECサイトに流入しているのか」の作戦を練ることが集客の鍵になります。

4「データ4)モール別の女性、男性の利用比率は?」

モールごとの男性、女性利用比率

出典:株式会社ドゥ・ハウス調べ『「インターネット通販サイトの使い分け」に関する調査結果』

【男女での違いに注目】

直近1カ月間に利用したサイトを男女別で見ると、男性は楽天市場とアマゾンがそれぞれ約4割で拮抗しているのに対し、女性は楽天市場が約5割でアマゾンの2倍近くに達しています。

楽天市場はセールやポイントキャンペーンなど、「価格の安さ」や「買い物の楽しさ」を訴求する企画を頻繁に実施するのが特徴。お得感や買い物の楽しさを求めるのは一般的に女性が多いため、楽天市場は女性の利用比率が高いと考えられます。

一方、アマゾンは、メーカーや品番を「指名買い」する男性ユーザーが比較的多いのでしょう。モールごとの男女の利用率の差も踏まえて、自社商品がどのモールに向いているか判断してください。

ポイント!

楽天市場は“買い物の楽しさ”を提供し、アマゾンは“買い物の利便性”をとことん追求しているのが特徴。各モールが提供する特徴を理解したページコンテンツ作りが必要。

5「データ5)モール別の購入されやすい商品は?」

モール別の商品購入動向

出典:株式会社ネオマーケティング調べ『ECサイトに関する調査』

【モール別に差が大きい商材に注目】

この調査は、大手ECモールやメーカー公式サイトを利用する消費者が、直近3カ月以内に各サイトでどの商品ジャンルを購入するか調べたもの。楽天市場は洋服や家具・インテリア・雑貨、バッグの比率が他よりも高いのが特徴。アマゾンは家電製品や文房具といった型番商品が高い傾向にあります。

こうした数字を紐解くと、ファッションアイテムを探すなど「購入するジャンルは決まっ

ているが、明確に買うものが決まっていない」ときには楽天市場を利用する割合が高く、型番商品のような「購入する商品が明確に決まっている」ときはアマゾンを利用するといった傾向が見えてきます。

消費者は商品に応じて調べるECサイトを使い分ける動きもあり、各モールの特徴を理解し、自社に合ったモールに出店することが重要です。

ポイント!

購入する「ジャンル」だけ決まっている消費者は楽天市場の利用率が高く、購入している商品自体が決まっている場合はアマゾンの利用率が高い。モールごとの特徴をつかみ、自社の商材に合ったモールに出店しましょう。

6「データ6)ソーシャルメディアの利用動向は?」

出典:総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」

【InstagramとYouTubeの比率に注目】

主なソーシャルメディアの利用率を見ると、LINEとYouTubeが約70%、Facebookは30%強、Twitterが30%弱、Instagramが約20%となっています。どのSNSも数千万人単位の利用者を抱え、消費行動にも大きな影響を与えていることを踏まえると、マーケティング媒体として無視することはできません。

各サービスの利用率を年齢層別に見ると、InstagramとTwitterは20代が多く、Facebookは30~40代が多く利用しています。一方、YouTubeは年代や性別を問わず利用率が70~90%と高いため、幅広いユーザーにリーチできる媒体と言えるでしょう。

SNSごとにメインユーザーの年齢・性別に違いがあることを理解し、ターゲット層や商品ジャンルに応じて広告を出稿する媒体を使い分けましょう。

ポイント!

TwitterとInstagramは20代の利用者が多く、Facebookは30~40代が中心。YouTubeは全年齢層に浸透しており、商品認知の媒体の1つと捉えていく時代に入りました。

7「データ7)Instagram経由のショッピング動向は?」

Instagram経由のショッピング動向

出典:株式会社マージェリック調べ『Instagramのショッピング機能に関する調査』

【衝動買いの比率に注目】

SNSで商品やサービスの情報を検索するユーザーが増える中、Instagram上での商品との出会いがショッピングのきっかけになっています。Instagramで見つけた商品を実際に購入したことがある割合は、Instagram利用者の45.8%。そのうち約7割は「衝動買い」をしたことがあると答えました。

Instagramの利用者は若い女性が多いため、洋服やアクセサリー、化粧品、靴、バッグといったファッションアイテムが買われやすいようです。

2018年6月には、Instagramの投稿からECサイトにリンクを貼れる「ShopNow」が日本でも始まりました。Instagramで商品のことを知り、すぐさま通販サイトを訪れて購入する消費行動は日本でも定着しつつありますから、Instagramを活用したマーケティングは、ますます重要になるでしょう。

ポイント!

Instagramのメインユーザーである10~30代の女性をターゲットにしているEC事業者は、Instagram上で商品の認知度を上げる取り組みが必須になりました。

8「データ8)ネット通販の配送に望むことは?」

オンラインショッピングの配送に対する意識

出典:ニールセン デジタル株式会社調べ「Nielsen Online Shopping Report 2017(ニールセン・オンラインショッピングレポート 2017)」

【送料無料・まとめてお届けの比率に注目】

ネット通販の「配送」に関する意識調査で、ネット通販の利用者の72%が「早く届かなくても良いので、送料が無料になる」ことを重視すると答えました。また、「一定金額以上購入すると、送料が無料になる」を重視すると回答した割合も72%です。

昨今のEC業界では、宅配会社による送料の値上げを受け、送料無料を廃止する動きも広がっています。しかし、こうした消費者の声を踏まえると、やはりECにおいて「送料無料」は非常に強力な施策であると言えるでしょう。

フルフィルメントコストの最適化などに取り組むことで、送料無料を維持できるコスト構造を構築することが重要です。

ポイント!

ECにおいては「早さ」より「送料無料」が重要となっている。無料でも利益を確保できる商品の開発と、バックヤード業務の効率化によるコスト削減の両輪が必須。

9「データ9)ネット通販で使われる決済は?」

出典:出典:総務省「通信利用動向調査の結果」

【クレジット以外の手段に注目】

インターネットで商品を購入する際に利用する決済手段を見ると、クレジットカード決済が63.0%でもっとも多く、ECサイトへのカード決済の導入は必須です。

ただ、コンビニ払いや代引も30%を超えており、現金払いのニーズが根強いこともうかがえます。特にコンビニ払いが35.1%に達していることを踏まえると、コンビニでも支払える「後払い」の重要性は高いと言えるでしょう。

このグラフには入っていませんが、アマゾンのIDで簡単に決済できる「Amazon Pay」は、スマホでの購入アップにつながることなどから、独自ドメインのECサイトへの導入が急増しています。クレジットカードを持っていない消費者や、ECサイトにカード情報を入力することに抵抗感を持つ消費者が一定数いることを考えると、カード決済以外の決済手段も幅広く備えておくことが必要です。

ポイント!

クレジットカード決済が必須であるのはもちろんですが、購入後にコンビニなどでも支払える「後払い」の導入も必要。スマホEC時代になり、「Amazon Pay」を始めとするID決済の重要性も高まっています。

10「データ10)中国人が越境ECで購入するきっかけは?」

出典:JETRO「中国の消費者の日本商品等の意識調査」

【伸び率の高い理由に注目】

年間の訪日観光客が2800万人を超え、その内、中国からの観光客が730万人を突破し前年比で25%増えている状況です。700万人というと、愛知県・埼玉県全体の人口に匹敵し、旅行者の消費や体験の影響は高まっていく状況です。

JETROが実施した中国の消費者の日本製品等に対する意識調査によると、越境ECを通じた日本輸入品の購買について、近年、購買経験者の割合が上昇しています。2017年8月時点での調査では、約67.7%が購買経験ありと回答しています。

購入した日本製品で割合が多いものとしては、「化粧品」48.5%、「食品」41.6%、「医薬品」35.5%が挙げられます。購買理由について、「日本に旅行をしたときに購入して気に入った製品だから」が、1年前の調査の22.7%から大きく上昇していることから、日本市場での訪日客に購入してもらうことが中国100兆円EC市場へ売り込む一歩となります。

ポイント!

中国で販売拡大するための一歩目は、日本に来る訪日客に買ってもらえる仕掛けをする。日本の主要モールのランキング上位を獲得することも有効。

11「まとめ」

EC事業を成功させるには、日本のEC市場のデータや統計は最低限押さえておくべきです。この記事で紹介したものはいずれも基礎的なものばかりですが、だからこそ知っているのと知らないのとでは後々大きな差が出ます。

EC事業を展開している事業者の方は、ぜひこの記事を参考にして、自社ECに活かしてみてはどうでしょうか。

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