国内動向

これからの時代に求められるD2C商品とその情報発信(連載第7回)

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「デジタルシェルフ総研」バイヤー対談企画。
DtoC攻略のヒントとなる小売業界の仕入れについて、某スーパーマーケットチェーンでバイヤー経験を持つF氏に、株式会社いつも.取締役副社長の望月が伺いました。本企画では、小売店舗とECの「違い」と「共通点」からDtoCを成功させるカギを見つけ、今後の小売店舗とECの役割・共存について考えます。

株式会社いつも. 取締役副社長 望月智之
東証1部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつも.を共同創業。自らデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集しながら、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、ブランド企業に対するデジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。

元スーパーマーケットバイヤー F氏
関西の大手グループ系列のスーパーマーケットにて34年間勤務。バイヤー歴25年(カウンセリング化粧品、セルフ品、家庭用品等)、e-コマース営業部(ネット通販、ネットスーパー)部長2年担当。現在はセミナー講師やカウンセラーとして活動。

前回の記事では、スーパーマーケットのバイヤー視点から考えるD2C成功のポイントについてお伺いしました。そこから見えてくるD2C企業が小売店舗に進出するためのヒントは、ぜひ前回の記事を参考にしてください。

前回の記事はこちらから

https://itsumo365.co.jp/lab/12812/

今回は、これからの時代に求められるD2C商品とその情報発信について、F氏にバイヤーの立場からお話を伺いました。

 

D2Cの流れを小売のバイヤーはどう見ている?

望月 最近大手のメーカーさんとかが、小売に商品を置かずにまず自分たちで化粧品とかの新製品をECで売り始める事とかってあるじゃないですか。あれって小売さんはどう見ているんですか? だったらうちに置きなさいみたいな感じなんでしょうか。

 

F氏 まず、今は商品が売れない時代に入ってきていますよね。

 

そうですね。

 

特にコロナがこんなに流行っているということは、倒産・失業などの社会的不安から、より生活を豊かにするモノよりも、より生活を守る方に入るんですよね。

すると、「良いモノ」よりも「どれだけ自分たちの生活を助けてくれるか」っていうマインドで物を買うか考えているので、何でもいいから買うというお客様がいなくなります。それを、ECを使ってメーカーさんが直接商品の良さを伝える訳ですから、そのお客様が買わなくても、その周りの方に良い影響を与える可能性がありますよね。

 

作り手がしっかり情報発信する意義がありますよね。

 

そういう商品を自分のお店で扱っていたら、例えばメーカーのサイトをあえて載せるとかっていうのも1つの方法かもしれないですね。

 

今、メーカーさんとそういう話をすると、棚を取りづらいということもありますし、CMもそんなに良さがなかったりするので、まずはオンラインで実績を作ってからバイヤーさんとか卸さんに交渉しますみたいな流れはよく聞きます。

 

それは1つありますね。売れる売れないということもありますが、これも嬉しいと思うかどうかはバイヤーによるんですよ。

 

そうなんですか?

 

なんとなく自分の経験で目利きが出来るのであれば、特に必要な情報ではないかもしれないですけど、業界で初めての商品とか、今までに無い商品ですと言われると、やっぱりそういう情報はほしい訳です。

他社店舗との差別化にも繋がるというお話でしたよね、

 

だったらメーカーさんが売れてからバイヤーに話を持っていくというのは1つの方法ではありますね。

 

そこは実績の何個売れましたっていうのは分かりやすいですもんね。

 

そうです。

 

お店的にはネットで売れてから並べられるっていうのは安心感ありますよね。

 

そうですね。お店で発信する必要がないので、ネットで1位とかPOPをつけるだけで売れるかもしれないという売りやすさはあります。

 

TVCMは仕入れの決定に影響する?

一方で、最近TVCMの効果が下がっているっていう議論がずっとありますよね。棚を取るときにはTVCMってどれだけ配信しているのっていう話になるんですけど、TVCMがあるかないかは、仕入れの決定に関しては重要な要素なんですよね?

 

詳しく言うと、どの客層かによりますね。例えば50~60代の人たちならまだ可能性はあります。20~30代だと極端に落ちますね。そもそも見ないですからね。

 

ドラマとかは録画して見ますから、CMは飛ばしますよね。

 

そうですね、たしかに。だから客層によるっていうことなんですね。

 

はい。

 

それは小売さんも、客層によって使い分けているということがあるんですね。

 

人によるとは思いますけど、我々は意識していますね。小売はチラシもよく入れますけど、新聞を取っているのって30代でいうと半分くらいですよね。だからそのターゲットの商品をチラシに載せても意味がないんですよ。やはり50~60代の人たちが見ているので、活字が読める方にお渡しなければいけないし、だからそういうところは媒体も考えないといけないですよね。

 

今回のまとめ

F氏との対談はここで時間切れです。今回のお話ではメーカーさんが考えているような、ネットで実績してから売り込む話やTVCMの効果について具体的に確認することができました。50代~60代などシニア層に関してはまだまだチラシやTVCMなどの広告は意識されているようですが、若者向けの商品の場合、売り手としてもなかなかアプローチが難しいため、予めECで実績を作ってから売り込む手法はやはり効果的なようです。

F氏との対談を通して、スーパーのバイヤーさんがスーパーとしての最低限の条件をクリアしながら、いかに売り場の差別化やそのお店独自の商品を仕入れるかについて様々な具体的なお話を聞くことができました。小売さんも卸さんもみんなが今売れている商品や、これから売れるであろう商品にアンテナを張り巡らせており、特にバイヤーさんはこれからくる可能性のある商品を強く欲していることが分かり、D2C成功の可能性を見ることができたと思います。

今後も様々なチャネルのバイヤーさんにお話を伺って、D2C企業がどのように市場を攻略していくべきなのか、具体的なお話を交えて探っていきたいと思います。ぜひお楽しみに!

(連載第1回)
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