最新版:Amazon「商品紹介コンテンツ(A+)」作成方法とは?これで転換率UPに期待
「アクセスは伸びているのに転換率が上がらない」ことで悩んでいたり、「転換率アップのためにすぐに実行できる施策を探している」方は多いのではないでしょうか。
売上をアップさせるためには、転換率を上昇させることが重要です。なぜなら、アクセスがどんなに伸びていても、転換率が低ければ全体の売上に対して貢献度も低くなってしまうからです。
そこで今回は、差別化が難しいAmazonの商品ページの中で自店舗や商品の特色を出しながら転換率アップを目指せる「Amazon商品紹介コンテンツ(A+)」について解説します。
※閲覧時期により本記事でご紹介の情報は変更・更新されている場合がございます。
EC市場における転換率とは
転換率とは「ショップに訪れたお客様の中から実際に商品を買う確率」を指します。
集客(アクセス)を増やしても、自店舗に訪れたユーザーが商品を購入してくれなければ(転換率が低ければ)売上が伸びることはありません。
つまり、集客したユーザーがどれだけ商品を購入する「顧客になるか」によって売上アップに繋がります。
例えば、月間1000人のユーザーが訪れる商品ページがあったとします。3,000円の商品を転換率1%で販売している場合、10人が購入する計算になるため1ヶ月の売上は30,000円になります。
もしこの転換率を1%から5%に改善できれば、商品は3,000円のまま、購入者は50人、売上は150,000円となります。
このように転換率の向上は、売上を伸ばすために必ず意識したい指標です。
Amazon商品紹介コンテンツ(A+)とは
「Amazon商品紹介コンテンツ」とは販売している商品詳細ページに画像やテキストなどの情報を追加することで商品の特色などをアピールできる機能です。
この「商品紹介コンテンツ」は「A+(エープラス)」と呼ばれています。
実際に商品紹介コンテンツ(A+)を導入した商品の転換率が上がり、売上アップに繋がった事例が確認できています。
売上アップに繋がる理由は、画像とテキストを組み合わせた商品詳細ページを使用することで、商品の特徴や魅力をより具体的に訴求できるようになり、ユーザーの購買意欲を刺激することが可能になるからです。
Amazonではショップ間の差別化が難しいのですが、この「Amazon商品紹介コンテンツ(A+)」は店舗の努力によって差別化できる部分ですので、最大限活用して転換率アップに繋げていきましょう。
Amazon商品紹介コンテンツ(A+)を活用する3つのメリット
「Amazon商品紹介コンテンツ(A+)」を活用するメリットは、主に以下の3つになります。順番に説明していきます。
商品画像とテキストを充実させることができる
Amazonの商品ページは同じフォーマットで作成されており、デザインに独自性がありませんでした。そのため、他社商品・他店舗の商品との差分化が難しいというデメリットがあったのです。
しかし、2019年8月頃からユーザーへの訴求バリエーションが増えました。そのおかげで「商品の詳細情報」以下の部分に画像とテキストで商品訴求できるスペースが設けられました。
画面幅いっぱいに画像を表示できるようになっただけでなく、画像内に様々なフォントのテキストを挿入してユーザーに訴求する「インフォグラフィック」も設置可能となりました。
Amazon商品紹介コンテンツでしっかりとユーザーに訴求し、レビューで比較検討を行っていただくことで、商品を購入するハードルを以前よりも下げられると推測できます。
ブランドストーリーを訴求できる
Amazon商品紹介コンテンツ(A+)では、当該商品だけでなく、商品のブランドメーカーについても訴求することが許されています。
もう少し具体的に説明すると、単純な商品の機能やスペックを証明するための画像・テキストだけでなく、「ブランドメーカーがどういった理念・方針でものづくりを行っているのか」といったブランドメーカーのコンセプトについてもユーザーに共有することができるようになりました。
昨今では、新規顧客を獲得するための単価が上昇していることから、新規顧客の獲得だけを目指すのではなく、一度利用してくれたお客様に再度自社商品を購入してもらうことも重視されてきています。
一度利用してくれたお客様が、繰り返し自社商品を購入していただけると「LTV(顧客生涯価値)」が上昇します。「LTV(顧客生涯価値)」とは、「お客様が一生涯でどれだけの価値を企業にもたらしてくれたか」を示す指標のことです。ブランドメーカーの中長期的な成長にはLTV(顧客生涯価値)の向上が不可欠とされています。
LTV(顧客生涯価値)を上げるためには、お客様との良好な関係性を築くことが大切です。良好な関係性を築くためには、お客様のニーズを深く理解し、どれだけ付加価値を提供できるかが重要になります。
そこで、ブランドストーリーを伝えたり、商品購入後のお客様がどのようなベネフィットを得られるのかを訴求できるAmazon商品紹介コンテンツ(A+)の機能が発揮されます。付加価値を訴求することでお客様にブランドメーカーのファンになってもらい、購入に繋げるようにすることが可能です。
SEO対策になり得る
Amazon商品紹介コンテンツでは、モジュールとよばれる「画像とテキストの様々なレイアウトイメージ」がテンプレートとして用意されています。
どのモジュールを組み合わせるかは、実際に試してみて効果検証を行う必要がありますが、テキスト部分にサジェストキーワードを含めると、広告を配信する際に商品情報が閲覧され、広告との関連性が高まります。
テキスト部分の対策を行う際は、以下の3つの手順を試してみてください。
1.Amazonの検索エンジンとGoogleの検索エンジン双方の検索窓に、上位表示を狙っている主要キーワードを1つ入力します。
2.検索窓の下に「サジェストキーワード」という検索エンジンから提案される2語以上の複合キーワードが表示されます。
3.このサジェストキーワードを含めるような形でAmazon商品紹介コンテンツのモジュールのテキストを作成します。
もちろんサジェストキーワードを含めたからといって、必ず検索エンジンで上位表示されるとは限りません。あくまでAmazonやGoogleの検索エンジンで上位表示されるための対策であることを覚えておきましょう。
実際にAmazonやGoogleの検索エンジンで上位表示を達成している事業者様は、サジェストキーワードを上手くテキスト部分に反映させるなどの工夫を行っています。
しかし、上位表示に関する基準の多くは非公開であるため、効果が保証されているSEO対策はありません。
SEO対策は仮説をもとに実践し、効果検証を繰り返していく地道な作業になることを意識していただければと思います。
Amazon SEOの仕組みについての詳しい説明はこちらの記事をご覧ください。
関連記事:【最新版】Amazon SEOの仕組み~上位表示対策方法までを解説
Amazon商品紹介コンテンツ(A+)のデメリット
Amazon商品紹介コンテンツ(A+)については特に大きなデメリットはありませんが、ページを掲載するためにはAmazon側での審査をクリアしなければならず、工数や手間がかかるという参入障壁があります。
具体的なページ作成の方法については後ほど解説しますが、そもそもAmazon商品紹介コンテンツ(A+)のページ作成をするのは少し複雑なため、ページ作成にはどうしても時間がかかってしまうことを覚えておきましょう。
また、掲載するためにはAmazonによる審査をクリアする必要があります。審査する量が多い場合は審査期間も比例して長くなります。
エラーを起こさずに商品紹介コンテンツ(A+)ページを作成したり、審査をスムーズに通すためにはAmazonのガイドラインに従うことが重要です。
モジュールとインフォグラフィックを活用する
Amazon商品紹介コンテンツ(A+)のページを作成する際は、画像とテキストが組み合わさったテンプレート「モジュール」を使ってレイアウトのデザインが可能です。
モジュールには様々なパターンがあり、画像がないテキストだけの標準的なモジュールや商品比較を行いやすいモジュールがあります。
複数のモジュールがあることから、どのパターンで作成するか悩まれる方が多いと思いますが、ユーザーに商品を分かりやすくアピールするためには、販売する商品の特徴など訴求したい内容に適したモジュールを選択する必要があります。
というのも、選択したモジュールによっては掲載できる画像の枚数や画像表示サイズが違います。モジュールテキストの位置や文字数も異なるので、出品している商品に適した組み合わせを選ぶことでブランドメーカーの訴求を行うことが可能になるのです。
また、モジュールだけでなく「インフォグラフィック」も他社との差別化を図る上では重要です。
「インフォグラフィック」とは画像内にテキストが含まれる画像を意味します。画像の中に様々なフォントのテキストを配置し、画像内の対象物を補足説明する役割を持っています。
はじめはAmazon商品紹介コンテンツ(A+)のモジュールを活用し、画像とテキストの組み合わせを試してみることをおすすめしますが、慣れてきたら効果検証も兼ねてインフォグラフィックをAmazon商品紹介コンテンツ(A+)に活用してみてはいかがでしょうか。
競合と差別化を図るだけでなく、商品ページに独自性を生み出すことができます。
Amazon商品紹介コンテンツ(A+)の作り方
Amazon商品紹介コンテンツ(A+)作成にかかる、大まかな手順は以下になります。
1.商品紹介コンテンツマネージャーへアクセス
2.「在庫」→「商品紹介コンテンツ」を選択
3.画面右上の「商品紹介コンテンツの作成を開始する」を選択
4.コンテンツ名、言語、製品ブランドメーカーのロゴ、商品説明テキスト、モジュールの選択
5.「次:ASINの入力」を選択
6.プレビュー画面で内容を確認し、「承認用に送信」を選択
7.審査/反映
先述したように、商品説明テキストには、AmazonとGoogleの検索エンジンで調査したサジェストキーワードを含めるようにしましょう。
また、注意したいのはモジュール内で使用する画像を、ガイドラインで指定されている画像サイズに調整して設定することです。
モジュール内に配置した画像サイズがバラバラだと、ユーザーは様々な形で切り抜かれた画像を閲覧することになり、閲覧する際にストレスの原因となる可能性があります。
閲覧しているユーザーのストレスを緩和するために、必ず指定された画像サイズに調整して設定するようにしましょう。
Amazon商品紹介コンテンツ(A+)作成時の注意点
Amazon商品紹介コンテンツ(A+)を作成する際は、以下の2つに注意しましょう。
「商品紹介コンテンツガイドライン」を順守する
Amazon商品紹介コンテンツを作成する際は、「商品紹介コンテンツガイドライン」に書かれていることを遵守しましょう。
Amazon商品紹介コンテンツ(A+)で紹介できる内容には「商品説明の改善」と「ブランドストーリー」のみが許可されています。許可された内容のみ訴求しているかどうかを確認することが重要です。
また、ガイドラインには「画像に含まれるaltテキスト(画像の内容を端的に説明するテキスト)が実際の画像と関係のない場合は申請が拒否されてしまう」といった項目があります。初めてAmazon商品紹介コンテンツ(A+)を作成される方は、一度目を通すようにしてください。
参考記事:Amazon seller central「商品紹介コンテンツガイドライン 」
ユーザーの使用媒体の違いも考慮する
昨今はEC市場でもスマホユーザーの利用が増えています。
そのため「スマートフォンでも閲覧しやすいかどうか」といった観点でチェックすることも重要です。
モジュールによっては画像とテキストのバランスが崩れて表示される恐れもあります。必ず設定後はスマートフォンでの表示を確認するようにしましょう。
特に画像内にテキストを含めるインフォグラフィックは、PC画面では見やすいものの、スマートフォン画面では見づらくなっている場合があります。
見やすいフォントサイズになっているか、スマートフォン画面で見た時に画像やテキストの発色は問題ないか、といった確認が必要です。
AmazonプレミアムA+について
AmazonプレミアムA+とは、2022年の8月に新たに追加された機能です。
従来のAmazon商品紹介コンテンツ(A+)と比べると、モジュールが増えていたり、ビデオの追加などが可能になっています。ここからはプレミアムA+の概要やかかる費用、利用条件などの詳細について解説します。
AmazonプレミアムA+の概要
端的に説明すると、AmazonプレミアムA+は、Amazon商品紹介コンテンツ(A+)のアップグレード版です。
プレミアムA+はブランドオーナー(Amazonブランド登録者)が利用できる商品ページ内のコンテンツを指します。
従来のAmazon商品紹介コンテンツ(A+)よりもモジュールなどの機能が増えたことによって、商品ページの情報をより豊富に掲載することができるようになりました。
商品ページの視認性が上がり、購入後のベネフィットを伝えやすくなったことで、消費者の購買意欲向上を狙えるサービスになっています。
AmazonプレミアムA+と通常のA+との違い
プレミアムA+が新しいサービスというのは分かったものの、従来のAmazon商品紹介コンテンツ(A+)と比べると具体的には何が違うかご存知でしょうか?
ベーシックなAmazon商品紹介コンテンツ(A+)と新サービスであるAmazonプレミアムA+を一覧表で比較すると以下の通りです。
参考:Amazon seller central「商品紹介(Aプラス)コンテンツにはどのようなタイプがありますか? 」
※図版は上記ページを参考に当社作成
テキストと画像を組み合わせたモジュールの利用ができるのは変わりありませんが、掲載できる画像のサイズが異なったり、動画を掲載することができるので、競合他社との差別化に活用できます。
AmazonプレミアムA+にかかる費用
現在はAmazonによるプロモーション期間中のため、無料でAmazonプレミアムA+を利用できます。
ですが、今後AmazonがプレミアムA+の手数料を発表した場合には、新規ASINのプレミアムA+の作成や適用に費用が発生する可能性があります。
”Amazonが、出品者の同意なしに手数料を請求することはありません。”
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引用元:Amazon seller central「プレミアムAプラスの費用はいくらかかりますか? 」
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ガイドラインには上記の記載があることから、急に使用料などを請求されることはないと言えます。
また、プロモーション期間中に公開されたプレミアムA+コンテンツについては有料に移行したとしても、そのまま商品詳細ページに継続して無料掲載される予定です。
”ただし、プロモーション期間中にASINに公開されたプレミアムAプラスコンテンツは、そのまま商品詳細ページに無料で掲載されます。AmazonがプレミアムAプラスの手数料を発表した場合、作成した既存のコンテンツには課金されません。”
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引用元:Amazon seller central「プロモーション期間の終了時はどうなりますか?」
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AmazonプレミアムA+が有料版になっても既存コンテンツには課金されないのであれば、今がチャンスです。無料期間のうちに、プレミアムA+を適用するのをおすすめします。
AmazonプレミアムA+を利用する条件
従来のAmazon商品紹介コンテンツ(A+)はブランドオーナーでなくても利用することが可能でしたが、AmazonプレミアムA+の利用条件としては「ブランドオーナー(Amazonブランド登録者)」であることが必須条件です。
また、Amazonでは毎月初めにプレミアムA+利用資格を再評価します。
ですので、現在プレミアムA+を利用できなくても、再評価された際に利用資格を満たした場合はAmazonプレミアムA+へのアクセス権をもらうことができます。
他にも商品紹介コンテンツ(A+)のコンテンツ管理ですべてのASINにブランドストーリーを適用しておかなければいけないなどの条件があります。
承認率を向上させるためにも、新しい商品紹介コンテンツ(A+)を作成する際はガイドラインに従うことをおすすめします。
まとめ
「Amazon商品紹介コンテンツ(A+)」や「AmazonプレミアムA+」は、差別化が難しいAmazonの商品販売ページに多様性を持たせてくれます。
「他社商品との差別化」や「ブランドストーリーを伝えファンを獲得する」には必要不可欠な機能です。
また、現在プロモーション期間中のため無料で適用できる「AmazonプレミアムA+」は、いつ有料版に移行するか分かりません。
少しでも興味を持ったのであれば、積極的に「AmazonプレミアムA+」を適用して、新規顧客やリピーターの獲得に繋がる導線作りを実現してみてください。
Amazonで転換率アップに重要な「商品紹介コンテンツ(A+)」に関するよくある質問
- EC市場での売上の計算式を教えてください。
- 「売上=集客×転換率×客単価」で求めます。集客したユーザーをいかに商品を購入する「顧客」へと転換させることができるのかが売上アップの鍵です。
- 商品紹介コンテンツ(A+)とは何ですか?
- 「商品紹介コンテンツ(A+)」とは販売している商品詳細ページに画像やテキストなどの情報を追加することで商品の特色などをアピールできる機能です。メリットやデメリットについては本記事をご参照ください。