公開日:2022年1月31日

Amazonで「ショッピングカートを獲得する」ための具体策とは?

Amazonで「ショッピングカートを獲得する」ための具体策とは?

今回は自店舗の売り上げに大きく貢献する「Amazonのショッピングカート獲得」について、具体的な獲得方法を含めて解説を行っていきます。

Amazonで店舗を構えたばかりのEC事業者も掲載枠を獲得できる可能性がありますので、ぜひチェックいただければと思います。

売上に直結する、Amazonの「ショッピングカート獲得」とは?

EC運用における「カート」といえば、ユーザーが購入予定の商品を一時的に入れておくためのカゴを指す言葉でや、サイトにEC機能を実装するECカートシステムを指す言葉であったりすることが一般的であるため、Amazonの「ショッピングカート獲得」も同じようなものとして解釈している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、Amazonの「ショッピングカート獲得」が意味する内容は少々異なります。

Amazonは楽天市場やYahoo!ショッピングと違い、商品が店舗単位ではなく商品ページ単位で出品され、同一商品を複数のショップが販売している場合、1つの商品ページにまとめられます。

こうした特徴から、Amazonは「商品軸」、楽天市場やYahoo!ショッピングは「店舗軸」とよばれます。

このような認識を踏まえた上で、Amazonの「ショッピングカート獲得」について考えていくと理解がスムーズになります。

Amazonで商品ページの目立つ位置(ファーストビュー)に表示されるのは1つの出品者のみで、それ以外の出品者のものはほとんど露出されないので、商品ページのファーストビュー画面の目立つ場所に、自身の出品者名を載せることを「ショッピングカートボックスを獲得する(カートを取る)」と表現するのです。

Amazonで「ショッピングカート獲得状況」を確認する方法

では実際にAmazonで「ショッピングカートの獲得状況」を確認する方法について見ていきましょう。

まずはAmazonの検索窓に任意のキーワードを打ち込みます。例として「指定して商品名」を検索します。

検索結果一覧ページを経て、任意の商品ページを選択すると以下のような画面が表示されます。

画像の赤枠で囲われた部分に「カートに入れる」と表示があり、その下部に「発売元」として特定の店舗名が表示されます。

ここに自店舗の名称が表示されていれば、「Amazonのショッピングカートボックスを獲得できている」といえます。

先述したように、Amazonに商品を出品する際は商品ごとに一元的に管理されるため、例えば「指定した商品名」で検索をかけても、「別の商品名」では、ショッピングカートボックスに表示される出品者名は異なることを覚えておきましょう。

ちなみにショッピングカートボックスの下部に表示されている「販売元」と「出荷元」は異なるものです。

販売元と出荷元が自店舗である場合は、「発売元」として自店舗の名称が1つだけ表示されます。

しかし、FBA(フルフィルメント by Amazon)を利用して、特定商品の出荷作業をAmazonのフルフィルメントセンターに代行してもらう場合は、販売元が「自店舗の名称」、出荷元が「Amazon」と表記されます。

ショッピングカートボックスの獲得状況について迷った際には、こちらの情報を参考にしてみてください。

Amazonで「ショッピングカートを獲得する」メリット

では、Amazonでショッピングカートボックスを獲得するメリットとは一体どのようなものなのでしょうか。

まずメリットとして挙げられるのが、ショッピングカートを獲得することで、商品ページの目立つ枠に自店舗名を表示させることができる点です。

また、二次的なメリットとして、ユーザーが「カートに入れる」ボタンを押した時点で、自店舗の商品が自動的に注文される」ことになります。

つまり、ユーザーが追加で出品者比較などを行わない場合、売り上げアップの可能性が高まるのです。

ここで1度考えておきたいのが、「ユーザーが出品者比較を行う場合」についてです。

ご自身がAmazonで商品を購入する場面を想像してみてください。Amazonで商品比較を行う場合にはどういった理由があるでしょうか。

大まかには以下のような理由に集約されるのではないでしょうか。

まず1の場合、Amazonには商品ページごとに同一商品が紐付いているため、一見すると「比較のしようがない」と思われることでしょう。

しかし実際は、同一の商品ページには「新品」と「中古」の商品が混在しており、商品単位で価格比較ができるようになっています。

ECサイト利用、Amazon利用に慣れているユーザーであれば、価格をおさえるために「中古」を選択する可能性も否めません。

また、2の場合、ユーザーはAmazonプライムの非会員である可能性が高いでしょう。

Amazonのプライム会員は購入額にかかわらず送料が無料です。したがって、出品者比較を行う場合、ユーザーはAmazonプライム非会員である可能性が高く、「出荷元を1つにまとめるなどして送料を安くおさえたい」と考えている可能性が考えられます。

本題から少し遠回りしてみましたが、自社商品が先述したような1・2の状況に当てはまるユーザーを対象とするEC事業者でなければ、ショッピングカートボックスを獲得するメリットを最大限享受できると考えて良いでしょう。

ショッピングカートボックスの獲得を狙っている商品が、そもそも中古を扱わない日用品などであれば、1の可能性は回避できます。

また、自社で取り扱っている商品の単価が2,000円以上であれば、Amazonでは送料が無料になるため、2の可能性も回避することが可能です。

Amazonの商品ページでショッピングカートボックスを獲得している商品は、基本的に販売実績が多く、顧客対応・配送パフォーマンスが高い出品者の商品が採用されるため、ユーザーはあまり疑うことなく商品を購入していると予想できます。

つまり、Amazonのショッピングカートボックスを獲得することは、多くのEC事業者にとってメリットの大きいことであり、獲得のために対策が大切です。

加えて、カートを取ることにより、Amazonの検索連動型広告である「Amazonスポンサープロダクト」が利用できるようになります。

広告を使用することによって商品の露出を増やし、ユーザーの目に触れる機会が増えるため、購入される可能性が更に上がります。

こうした理由から、Amazonで店舗を運営する場合には「カートを取る」ということが売上を伸ばす上で最も重要なのです。

Amazonで「ショッピングカートを獲得する」基準

Amazonでショッピングカートを獲得するにはいくつか条件があり、Amazon Seller Centralでは以下のように定められています。

出典:Amazon Seller Central「ショッピングカートボックス利用資格あり

ただし、以上の条件をすべて満たす場合であっても、ショッピングカートボックスの獲得が保証されるわけではありません。

これらはあくまでショッピングカートを獲得するための条件であり、各項目の程度によって、ショッピングカートを獲得できるかどうかが決まります。

例えば、「パフォーマンス指標」は大いに改善の余地が残されている項目です。

先述した引用文にも記載がある通り、注文不良率(顧客満足度を示す指標)、キャンセル率(出品者都合でキャンセルされた注文の割合)、出荷遅延率(出荷予定日よりも遅れて出荷通知が送られた割合)は出品者の努力によって改善が期待できる数値です。

「注文された商品を丁寧に梱包して予定通りに出荷し、ユーザーからの質問やフィードバックに誠実に対応する」といった、EC事業者として徹底すべき基本業務を遂行することで、基準をクリアできる可能性があります。

もし自店舗の梱包・出荷作業に課題がある場合は、1度FBAの利用を検討してみることをおすすめします。

先述したAmazon Seller Central「ショッピングカートボックス利用資格あり」でも、FBAを利用することで、2の「パフォーマンス指標」の改善を図ることが可能、と記載があります。

Amazonで「ショッピングカートを獲得する」具体策

Amazonでショッピングカートを獲得するための具体策として、以下のようなものが挙げられます。

それぞれについて解説していきます。

出品形態を「大口出品」に設定する

Amazonでカートを取るためには、出品形態を「大口出品」にする必要があります。

小口出品では、そもそもカートを取る資格が与えられていません。これはAmazonが公式発表している基準であるため、必須項目になります。

大口出品は小口出品に比べプラン料金が上がりますが、一括出品やショップの詳細な管理などが可能になるため、この機会に設定しておきましょう。

ポイントを付与する

販売価格の安さ(商品価格-ポイント+送料)がカートの取得の重要要素であるため、ユーザーが商品を購入した際に、ポイントを付与し、カートの取得につなげます。

また、ポイントの獲得はユーザーにお得感を与え、次回も購入するきっかけにもなるため、リピート促進にも繋がります。

付与したポイント分はストアの売り上げから引かれる仕組みのため、実質的には商品価格を下げていることと同じではありますが、メーカー側はポイント付与を上手く設定することで、定価を守りながら販売実績を伸ばしていくことが可能となります。

リードタイムを短縮する

リードタイムとは、「注文を受けてから発送するまでの日数」を指します。

簡単に言えば、注文を受けてからの発送が早ければ早いほど、カートを取りやすくなるということになります。

ユーザーの目線に立てば、「注文した商品は一日でも早く届いてほしい」と考えるものです。受注後は早めに発送の手続きを行い、可能な限りリードタイムを短縮しましょう。

また、出品者の休暇中などは、リードタイムを変更するといった対策を取るように意識しましょう。

FBAを利用し、店舗のパフォーマンスを上げる

FBAとは「フルフィルメント by Amazon」の略で、「注文を受けた商品の梱包や発送、決済などをAmazonが運用代行するサービス」のことです。

このサービスを活用することで、商品の梱包・出荷作業、決済はもちろんのこと、FBAのカスタマーサービスを受けたり、返品管理も任せることができます。

自社の受注体制について課題に感じていることがあれば、FBAの導入を検討しましょう。

まとめ

Amazonのショッピングカートボックスを獲得することで、EC事業者はその商品ページで多くの売上を期待することができます。ショッピングカートボックスの獲得のためにクリアすべき条件はいくつかありますが、面倒に思うことなく、自店舗のパフォーマンスを向上させる意図も含めて、今日から改善を図っていきましょう。

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Amazon専門チーム
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株式会社いつもが誇るAmazon専門チームが、Amazonにおける最新の集客支援の施策や運用のポイント、広告戦略についてお送りします。

Amazon専門チームは、Amazon専門のマーケティングセンターとして、全国のAmazon運営企業から大手メーカーまで豊富な実績を有しています。Amazon社内の担当者と都度打合せを行っており、現在のAmazonの動向や今後の動きなどを把握し、「今」ではなく「その後」の動きに合わせた対策を行うことができるのが強みです。

本ブログでは、米国での最新事例から、今後日本でも起こるであろうAmazonでの対応策まで、幅広くお伝えします。

Amazon支援グループ 事業責任者
丸山 晃一

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amazonカート取得に関するよくある質問

 

amazonで「カートを取る(取得する)」とは?
商品詳細ページにて、同一商品を複数のショップが販売している場合の一番目立つ位置に表示される出品者になることです。
amazonで「カートを取る(取得する)」必要性は?
ユーザーが「カートに入れる」ボタンを押した時点で、自社の商品が自動的に注文される、ということになりますので売り上げアップの可能性が高まります。また、カートを取ることにより、Amazonの検索連動型広告である「Amazonスポンサープロダクト」が利用できるようになります。
amazonで「カートを取る(取得する)」具体策は?
具体策として、以下のようなポイントが例として挙げられます。
・販売価格 ・在庫状況 ・配送スピード
具体的には下記ページで紹介しております。
https://itsumo365.co.jp/blog/post-1934/
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