EC物流バックヤード全体設計~受注スルー率とレビューの重要性~
急増するD2C/ECサイトのニーズに迅速に応え、収益性を高めるために特に重要となってきているのが、「物流バックヤード」です。
本記事では、EC物流におけるバックヤード全体設計の最適化ポイントとして、「受注スルー率」と「レビューの重要性」に着目してお送りします。
受注スルー率
受注スルー率とは、商品の注文を受けてから発送するまでの間に、無人化・自動化に成功した割合を数値化したものを指します。
Amazon FBA(フルフィルメント by Amazon)が実施している受注スルー率は100%に近いと言われており、注文があってからほとんど人の手が入らないということを意味しています。
Amazon FBAの商品がいち早く届く理由はここにあります。これは自社で配送網を持って動いているからという理由だけではありません。配送網がフルスペックで効率よく利用されているために、受注処理のタイムラグなく機能しているということなのです。
独自の配送網はコストがかかるしハードルも高いものですが、一般の配送網でも受注処理をせずに出荷作業にスムーズに入れるようになると出荷ボリュームが増えて配送スピードも早くなります。これは多くの企業で改善点が残されているポイントと言えます。
レビューの重要性
多店舗展開することを前提としてバックヤードを構築しながら、その結果の評価はレビューの内容を見ることが重要です。これは多くの方が認識されていると思いますがECで買い物をするときは、ほとんどのユーザーがレビューを見ています。また、現在ではECだけではなく、実店舗で購入する際にもオンラインのレビューが参考にされるようになってきており、影響力が増してきています。
店舗へのレビューの内容を項目別に大きく分けると9つに分かれますが、そのうちの約半数の項目が「配送が遅い」「梱包状態が悪い」「破損していた」「ギフト包装への不満」「CS対応への不満」といった何らかバックヤードに関わる項目となります。
ユーザーも、商品を買うときはテンションが上がっているのであまり細かな部分を気にされませんが、注文が終わって商品が届くまでの間は逆に冷静になっており、トラブルがあると気持ちがヒートアップしがちです。この部分がまさにフルフィルメントで、レビューへの影響が大きいことも頷けると思います。
レビューに関わる部分として「開封の儀」というものがありますが、昔は無地の茶箱で緩衝材・商品で良かったものが、今は届いた瞬間ブランド価値を持たせたきれいな箱にブランドロゴ、中身もブランドが伝わるものが求められるようになっています。
こちらに対応できていないと、「せっかく期待したのに茶箱で届いて残念でした」というレビューも書かれかねません。ユーザーの求めるレベルも高くなっているという認識が必要です。
以上、物流バックヤードの最適化ポイントについてお伝えしました。
当社は「売上を上げるためのフルフィルメント」という概念を提示しています。物流だけの会社ですと、その部分だけでどう解決するかという話になりますが、当社ではトータルでサポートしているからこそ解決できる幅が広いのです。
当社は基本的に全てのフルフィルメント業務を代行しております。どのような課題に対してもまずは一度ご相談頂ければ柔軟に対応させて頂きますのでよろしくお願いいたします。
物流・フルフィルメントについては、以下の記事もぜひご参照ください。
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