公開日:2021年2月12日

楽天市場で自社商品がECギフトに選ばれるためのポイント

経済産業省が公表している「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2021年物販系分野の国内BtoC-EC市場規模は「13兆2,865億円」となり、過去最高を記録しました。
また全商取引における電子決済の割合(EC化率)も「8.78%」と、過去最高を記録しており、国内のEC市場規模は今後もさらに拡大していくことでしょう。

そして今回のテーマである「ギフト市場」も、新型コロナウイルス感染症蔓延の影響を受けて、一時的に規模が縮小しましたが、2022年も市場規模が回復する見込みが立っています。

そこで今回は「競合他社のECギフトに差をつけて、楽天市場で自社商品がECギフトとして選んでもらう施策」について解説していきます。
「既にECギフト対策は万全です!」という事業者様も、この機会に今一度チェックしていただけますと幸いです。

ECギフトと通常のECサイト上の商品の違いを解説

初めに、ECギフトと中小のECサイトで販売されている商品の違いについて解説いたします。

どちらもEC上で取引される商品という点では共通ですが、ECギフトは「ギフトシーンに選ばれる商品」を指しており、誕生日プレゼントやクリスマスプレゼント、母の日ギフトなどに需要が高まります。

また、通常のECサイト上の商品であれば、注文した商品が自宅に届き、その中に明細書などが含まれていますが、ECギフトでは、購入者とは異なる配送先へ商品を届けることも多いため、納品書や商品タグは取り除かれています。
他にも、ラッピング包装やメッセージカード挿入など、商品が届いた時点でギフトとして成立するように工夫されているのがポイントです。

ECギフトとギフトECの違い

ちなみに「ギフトEC」は「ギフトに特化したECサイト」を意味しています。
通常のECサイトであれば、購入者自身が消費者となる「自宅用」を多く扱っており、ギフト対応やラッピング対応などはオプション追加となる場合が多くあります。しかし、ギフトECでは、全ての商品がギフト対象商品のため、ギフトを贈りたいユーザーに配慮されたECサイト作りが行われています。

例えば、ギフトECでよく知られる工夫の1つに「シーン・イベントからギフトを選ぶ」というものがあります。
通常ECサイトのサイドバーなどには商品カテゴリなどが並びますが、ギフトECでは「入学祝い」や「出産祝い」、「誕生日」といったギフトシーンから絞り込む機能が搭載されているのが特徴です。
また、商品名の冒頭部分に括弧書きで「名入れギフト」と記載があるなど、ギフトシーンの「あったらいいな」を想定して、細かな気配りが行き届いています。

少し混乱しそうになりややこしい区別にはなりますが、「ECギフト」はプレゼントに特化された仕様の商品であること、そしてECギフトを専門に取り扱う「ギフトEC」と呼ばれるECサイトが増加傾向にあるということです。

ここまでECギフトのギフトECの概要から、「楽天市場内の自店舗にはあまり関係ないのでは?」と考えたEC事業者様もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ユーザーから選ばれるECギフトを販売するために、ギフトECで用いられている施策を理解することが大切です。

楽天市場で自社商品がECギフトに選ばれるための施策

実際にサービスを展開しているギフトECとの差分を見ていくとよく分かります。
その差分をもとにして、楽天市場内で取り組みたい施策が以下の7つです。

自店舗とギフトECのビジネスモデルの違い、売り方・魅せ方の違いなどを知り、自店舗におけるECギフト需要を上げていきましょう。

特集、キーワードの設定で集客する

まずは、検索してアクセス(流入)してもらう必要があります。
流入数を増やす施策として、「キーワード対策を行うこと」そして、「キーワードを活用した独自のページを作成すること」が大切です。

初めに、「キーワード対策」について説明します。
まずは、検索エンジン上でギフト関連のキーワードを打ち込み、サジェスト(推奨)キーワードについて確認しましょう。
例えば「クリスマスプレゼント」と検索すると、「クリスマスプレゼント 彼女」「クリスマスプレゼント 彼氏」「クリスマスプレゼント 子供」「クリスマスプレゼント 手作り」といったキーワードが出てきます。
しかし、「クリスマスプレゼント」を対策キーワードとして設定し、ユーザー流入を想定した特集ページを作成しても、作成したページがユーザーニーズを満たさない可能性もあります。これは、想定される読者のターゲットが広すぎるためです。
対策キーワードを考える際は、2語以上の「複合キーワード」、または3語以上の「ロングテールキーワード」で上位表示できるように意識することが大切です。

続いて特集ページを作成していきます。
複合キーワードやロングテールキーワードは、流入数の多い1語のキーワード(ビックキーワード)よりも、月間で検索されるボリューム自体は少ないですが、より検索ユーザーのニーズがはっきりしている特徴があります。
先ほどの「クリスマスプレゼント」を検索エンジン上で検索した場合、「クリスマスプレゼント 女性 実用的」といったサジェストキーワードが表示されることに加えて、検索結果には他社ECサイトが作成した「女性向けクリスマスプレゼント特集ページ」や「女性に贈る実用的なクリスマスプレゼント20選(コラム記事)」といったページも表示されます。
特集ページ作成時には、類似ページから記事構成を検討することも重要なのです。
検索1ページ目に表示されている記事群が「クリスマスプレゼント 女性 実用的」というキーワードのニーズを満たしている記事と判断できるため、自店舗でも作成できそうな記事構成を探っていきます。

また、ランキング記事を作成する場合は、評価基準を明確にしておくことも大切です。
実際に上位表示されている他ページのやり方を参考にしても良いですが、予め他のギフト関連のキーワード(母の日プレゼント、バレンタインギフト)でも記事を作成することを想定しておくことで、季節やイベントに合わせた記事作成がスムーズになるからです。
また、自店舗における「販売実績」や「レビュー実績」を反映し、その商品を購入したユーザーの生の声(レビュー)も一緒に掲載するとよりユーザーへの訴求力がある記事になるでしょう。

ちなみにECギフトのように、各イベントシーンで需要が増える季節商品は、リアル店舗で売れる月の約2ヶ月前から売れることが分かっています。
したがって、クリスマスプレゼントの特集ページを作成する際は、リアル店舗で特設コーナーが設けられる11月を基準として、9月には準備しておくことが望ましいです。
とはいえ、「ECサイトのクリスマス特集ページを9月に作成するのは抵抗がある」という声もあるかと想いますので、9月の時点ではあえてコラム記事を作成し、「11月に入る段階でコラム記事とは別のクリスマスプレゼント特集ページを作成する」といった工夫も、ECサイト運営において効果的といえます。

「ギフトラッピング・熨斗(のし)対応」を行う

「ギフトラッピングや熨斗対応は、自店舗の商品でも通常対応しています」と回答されるEC事業者様も多いですが、いざギフトラッピングや熨斗対応の依頼があると、「想定していた以上に人的工数がかかってしまった」という話を耳にします。
ユーザーからのリクエストがあってから対応するのではなく、はじめから全ての自社商品を対象にギフトラッピングや熨斗対応の準備を行っていれば、急な依頼にもスムーズに対応できます。

また、ユーザーがギフトラッピングや熨斗対応を手軽に選択できるように、注文確認画面で選択式のタブを用意しておくと、ユーザーの利便性を向上させられます。

「メッセージカード」を同梱する

ギフトラッピングや熨斗対応を行っているEC事業者様の中には、「メッセージカード対応は行っておりません」という方もいらっしゃいますが、こちらも販売機会を損失している可能性があります。
ギフトラッピングや熨斗対応に加えて、メッセージカードが同封できることでユーザーからの印象も変わってきます。

例えば、楽天市場内で注文前にメッセージカードのフォーマットを選べるような工夫を行ってみるのも良いでしょう。
またバックエンド業務では、メッセージカードに記載する文言もいくつかテンプレートを用意しておくことで、ユーザーが場面に応じた利用を行えるようになりリピートにも繋がるかもしれません。
「お祝いメッセージ」や「感謝の気持ち」を伝えることが苦手なユーザーにも利用しやすい店舗を心がけることが大切です。

「分割配送」を行えるようにする

企業などの法人ユーザーだけでなく、個人ユーザーの注文でも複数の配送先へ商品を配送することがあります。
これを「分割配送」といいますが、ユーザーの手間を省くために、バックエンド業務で分割配送が行える体制を整えておくことも重要です。
一度の注文で複数の配送先にギフトを郵送できると、ユーザーの利便性は向上するため、お客様の囲い込みや、客単価UPにも繋がります。

「セミオーダーサービス」を用意する

ECギフトならではのサービスが「セミオーダーサービス」です。
予め用意したテンプレートをもとに、ユーザー自身で要素をカスタマイズできるサービスをECギフトとして提供すると、オリジナリティを出したいユーザーから重宝されます。
例えば「バレンタインギフト」など、毎年定番化されてしまいがちなプレゼントを贈るシーンなどに最適なサービスです。

「訴求ターゲットを明確」にする

先述した「特集、キーワードの設定で集客する」の内容と重なりますが、訴求ターゲットをただ「クリスマスプレゼントを贈りたいと考えているユーザー」とするのではなく、「女友達・女性の上司に実用的なプレゼントを贈りたいと考えるサラリーマンの男性」と訴求ターゲットを明確にすれば、最適な商品が選びやすくなるでしょう。
また、訴求ターゲットから最適な商品を探すのではなく、自社商品から訴求ターゲットを新たに設定することも1つの戦略といえます。
他の店舗では訴求しない方法でユーザーに訴求すると、他社商品との差別化が図れます。

季節のイベントや自社イベント時に個別のメールで「リピーター」をつかむ

楽天市場内で自店舗を一度利用してくれたユーザーや、長く利用してくれるユーザーがいるならば、個別のメール配信によってリピート購入を促しましょう。
「使い慣れた店舗でギフトも購入したい」というニーズを持ったユーザーを逃さないために、定期的に個別もしくは一斉メールを配信し、しっかりとユーザーとの接点を持ち続けることが重要です。

まとめ

楽天市場内で自社商品をECギフトとして選んでもらうには、ギフト商品を専門に取り扱うギフトECの戦略を参考にすることが近道です。

ギフトECだからこそ提供できる価値をユーザー目線で調べ、自店舗に取り入れられる施策はないかチェックすることをおすすめします。

分割配送や個別のメール配信などの施策は、受注システムやCRMツールとの兼ね合いもあるためすぐに実行できないケースがありますが、「自店舗に足りないもの」を意識しておくことが大切です。

キーワード選定や、キーワードを活かした特集ページや記事の作成など、地道な作業ではありますが、確実に対策できる施策は必ず取り組むように心がけましょう。

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