公開日:2022年5月10日

会社が取り組むべきサステナブル経営の具体例について

会社が取り組むべきサステナブル経営の具体例について

昨今様々な地球規模の社会課題に直面し、改めて人類の未来を見つめたビジネス経営「エコなビジネス」(サステナブル経営)が注目されています。
しばしばサステナブル経営は「CO2排出量の削減」といったエネルギー問題への取り組みとして認識されますが、中小企業やEC事業者にとって具体的にどのような施策例があるのか、よく認識できていない方も多いことでしょう。

そこで今回はサステナブルの概要や注目される背景を説明した後、サステナブル経営の具体例を4つ紹介していきます。
また記事後半では、サステナブル経営をスタートさせたい事業者様に向けて「サステナブル経営レポート」をお配りしております。
この機会に自社のサステナブル経営について考えを深めていただけますと幸いです。

サステナブルとは?その意味について

サステナブルとは?その意味について

サステナブル(sustainable)とは日本語で「持続可能な」を意味する言葉です。
2015年に国連サミットでSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が採択されたことをきっかけに多くの人へと知られることになりました。
概念自体は1972年のスイスの民間シンクタンクであるローマ・クラブが発表したレポートに端を発するとされ、1987年には国連が発表した報告書『我ら共有の未来(Our Common Future)』によって、「環境・資源基盤を保全しつつ開発を進める」という意味合いの「持続可能な開発」が言及されました。
そこから様々な行動計画の策定として、SDGsへと引き継がれることになる「MDGs:ミレニアム開発目標」が採択され、2015年に「持続可能な開発目標(SDGs:17の国際目標、169のターゲット)」が採択されて今日に至ります。

そして以前からあったサステナブルへの関心は、コロナ禍でより多くの層へと広がり、消費スタイルの変化などへと繋がっていきます。
この関心の広まりは様々な外出制限やコロナ禍で生まれた新しいルールなどに起因していると考えられ、コロナ禍をきっかけに自身の消費スタイルを見つめ直し、地球環境の維持やエコな暮らしを志向する1つの機会になったと言えます。

「サステナブル」は決して大きな市場ではありませんが、先行き不透明な時代を生きていく中で、人々の関心事として注視されるトピックの1つとなることは間違いないでしょう。
企業はこうした消費者ニーズの変化に注目し、従来の経営スタイルから「サステナブル経営」へと変化させていく必要があります。
まずはサステナブルについて理解を深め、どのようにしてサステナブル経営を行っていくのか、その具体例を確認しましょう。

サステナブルが注目されている理由

サステナブルが注目されている理由

先述したようにサステナブルの概念自体は約半世紀前に誕生していますが、昨今の異常気象に端を発する「環境問題への関心の高まり」が人々をサステナブルへと惹き付けていると推測できます。
人々の間で徐々に「地球環境や地球資源を保全し、持続可能な範囲で経済活動を行っていく」といった意識が醸成されつつあるといえるでしょう。
またそうした人々の意識や行動は「新型コロナウイルス感染症の蔓延によって加速している」と報告するデータもあります。

IBM Institute for Business Valueが2021年に行った世界の消費者調査によると、「ブランドを選ぶ際にサステナビリティはどれくらい重要か」という消費者アンケートの結果、「とても重要」と答える人が2019年時点で45%、2021年時点で55%と、わずか2年で10%も増加し、実に半数以上がサステナブルを非常に重視していると回答しました。
つまり「パンデミックがサステナブルの重要性を急激に上昇させた」ことが分かったのです。

アンケート_「ブランドを選ぶ際にサステナビリティはどれくらい重要か」

またボストンコンサルティンググループが2021年7月に調査した消費者意識データによると、「サステナビリティへの関心がある」と答えた割合は30%程度と、日本は米国と比べると低い数字となりましたが、「関心がある」と答えた約30%の先進層の内訳をみると、これからのコアターゲットとなる20代~30代が約50%を占めている状況であることが分かりました。

ボストンコンサルティンググループ サステナブルな社会の実現に関する消費者意識調査(2021年調査)

このことから「社会全体としてのサステナビリティへの関心は米国に比べて低いが、次世代を担う若い世代を中心に、日本でもサステナビリティへの関心は高まっている」といえるでしょう。
しかしその一方で、無関心層の内訳も20代・30代が約50%を占めており、若年層の二極化が窺える結果となりました。

実際コロナ禍において、世界的な物流システムや相互依存関係の問題はスーパー・デパート・ECサイトにおける「商品の欠品」という形で表面化し、医療体制が整っていない地域では満足のいく医療が受けられず苦しむ様子が日夜報道されました。
日本においても都市部と地方の間で情報格差や誤解が生じ、社会全体というよりは個人それぞれの中でサステナビリティへの関心が高まっていったと考えることができるでしょう。

コロナ禍でこれまで見えなかった問題や壁が現れたことによって、人々は少しずつ意識・行動するようになった「サステナビリティ」への動きを加速させたと推測できます。

サステナブルとビジネスの関係性

サステナブルとビジネスの関係性

先述のレポートから、コロナ禍により、人々の間で徐々に育まれてきたサステナビリティへの関心は加速していることが分かりましたが、サステナブルとビジネスはどのような関係性にあるのでしょうか。
大企業だけでなく、中小企業やEC事業者にも関係があることなのでしょうか。

結論から言えば、様々なビジネスを営む事業者にとって、サステナブルは大きなビジネスチャンスとなりえます。
例えばECビジネスの場合、生産段階におけるエネルギー問題やパッケージの簡略化、配送の適正化といった課題がありますが、その全ての段階においてベンチャーが誕生しており、地球環境の保全に対する取り組み以前に、ビジネスチャンスと捉えている企業が増えていると推測できます。

サステナブルビジネスの領域例

  • 生産管理システム
  • 過剰注文防止システム
  • 棚の配置
  • 値引きの自動化
  • 廃棄物の寄付
  • 廃棄物を再利用(エネルギーなど)

サステナブルへの取り組みを企業で進めていくことは大切ですが、それ以上に様々な企業にとって「サステナブル領域」はビジネスチャンスに富んだ領域であり、「新規事業開発≒サステナブル領域における新規事業立ち上げ」の動きを加速させている1つの要因と考えられます。
とはいえサステナブルの重要性は理解できても、すぐに行動に移せる企業はそう多くありません。
それでも社会の大きな動きとして「サステナブル経営」が注目される背景には「ESG投資」の存在があります。

ESG投資とは、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)も考慮した上で行う投資を指しています。
より長い期間で投資を行う機関投資家にとって、SDGsの採択は投資判断の項目に「環境要素」が入ってくることを意味しています。
それにより、従来特に重視することのなかった「環境要素」が企業活動において大きな意味を持つようになったのです。
ただし、すぐに機関投資家や企業がESG投資に対応できたのではなく、環境省が発表したレポート「「環境サステナブル企業」についての評価軸と評価の視点の公表」などによって徐々に理解・浸透していきました。
こうした取り組みを通じて大企業を中心に「サステナビリティ×ビジネス」の動きが強まり、社会全体へと影響を与えつつあるのが現在ということになります。

サステナブル経営の具体例をご紹介

サステナブル経営の具体例をご紹介

では実際にサステナブル経営に取り組む大企業の取り組み事例を見ていきましょう。
※いずれも2022年4月26日確認時点での情報となります。

三菱重工株式会社×日本アイ・ビー・エム株式会社「CO2NNEX TM」(コネックス)


三菱重工業株式会社 (以下、三菱重工)と日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は、二酸化炭素(CO2)の排出をネット・ゼロにするカーボンニュートラル(脱炭素社会)に貢献するため、CO2を有価物として活用する新社会への転換を目指すデジタルプラットフォーム「CO2NNEXTM」(コネックス)の構築に向けて協力し、来るべき新世紀へのクリーンな地球環境の保全に正面から取り組んでいきます。具体的には、現状では貯留や転換利用と選択肢が限られているCO2の流通を可視化・整流化することにより用途の選択肢を広げ、全ステークホルダーが一丸となって地球環境保護に貢献できる世界観を生み出します。

引用元:IBM Newsroom
「三菱重工と日本IBM、CO2流通を可視化するデジタルプラットフォーム「CO2NNEXTM」構築へ 取引サイクルを活性化しカーボンニュートラルの早期実現に貢献」

大林組「Obayashi Sustainability Vision 2050」


大林組は、2011年に中長期環境ビジョン「Obayashi Green Vision 2050」を策定し、再生可能エネルギー事業の推進など環境に配慮した社会づくりに取り組んできました。このビジョンをより発展させ、さまざまな社会動向や大林グループを取り巻く事業環境の変化を捉え、経営基盤としてのESGや社会課題であるSDGsの達成への貢献を取り込み、大林グループ一体で「地球・社会・人」と自らのサステナビリティを同時に追求するため、2019年6月に「Obayashi Sustainability Vision 2050」へと改訂しました。

引用元:株式会社大林組
「Obayashi Sustainability Vision 2050」

ダヴィネス:「持続可能な美」の追求

  • ステークホルダーの車輪(事業に直接的・間接的に関わる人々との関係性)の公表
  • SDGsに関連した取り組みの一部を公開
  • 全てのパッケージ製造で排出される間接的な温室効果ガス(CO2e)を 100%相殺
  • リサイクルまたは回収した固形廃棄物の割合を公開
  • カーボンフットプリントの徹底

引用元:ダヴィネス「SUSTAINABILITY REPORT 2018/2019」

ユニクロ(ファーストリテイリング):再生素材を利用した服作り

ユニクロは「飲み終わったペットボトルから糸を生産し、新しい服をつくる」という再生素材を利用した服作りを行っています。「ペットボトルの回収」「洗浄・粉砕」「リサイクルポリエステルチップの生成」「糸状に加工」という工程を経て、様々な服へと生まれ変わります。「ファーリーフリース フルジップジャケット」は生地の30%にペットボトルを再利用したリサイクルポリエステルが使用されており、「ドライEX ポロシャツ」は生地の40~80%にリサイクルポリエステルが使用されています。これにより、石油由来の原料に比べ、ポリエステルチップ生産時のCO2排出量を63%削減することに成功しています。

またユニクロやGUの持株会社であるファーストリテイリング(FR)は、持続可能な社会の実現に向けた企業の取り組みを報告する「サステナビリティレポート」を年1回発行しており、サステナビリティレポート2022では社会貢献活動や労働環境の改善レポート、新しい産業の創出(Life Wear)に向けたビジョンなどを公開しています。さらにファーストリテイリングは「正しい経営」と題し、経営とサステナビリティ活動が一体化するように「サステナビリティ委員会」を設置しています。

※いずれも2022年4月26日確認時点での情報となります。

企業のサステナブル経営への取り組みは、①商品やサービスの製造過程で発生する「二酸化炭素(CO2)の削減」と、②消費者と事業を共創するための「サステナビリティレポートの発行」の2つに大きく分類されます。

例えばダヴィネスは、製造過程で発生するCO2量を商品に分かりやすく表示するカーボンフットプリントを徹底しており、ある商品が一生を通じて排出するCO2量を測定し、それらをゼロにするカーボン・ニュートラルに取り組んでいます。
企業がカーボン・ニュートラルに取り組むためには、まず自社で排出するCO2量を可視化する必要があります。
そして「どうすれば自社の製造過程で排出される直接的・間接的なCO2量をゼロにできるのか」を考えていかなければなりません。
企業は自社の商品やサービスがライフサイクル全体で与える環境負荷を定量的に評価する「LCA:ライフサイクルアセスメント」の手法を用いて分析することから始める必要があるでしょう。

またそうしたサステナブルな取り組みを企業内で進めつつ、同時に消費者へとアピールすることも必要になってきます。
サステナブル経営の取り組みが深化すれば、サステナビリティレポートを発行してステークホルダーに自社の取り組みをアピールできます。
しかしサステナビリティ活動を始めたばかりの段階では、サステナブル経営を行う企業だと胸を張って言うことは難しいでしょう。
したがって、はじめは小さな取り組みからスタートし、ステークホルダーへ徐々にアピールしていく必要があります。
いきなり大企業のようなインパクトの大きい施策は展開できないため、まずは自社商品の製造過程で発生するCO2量を算出し、「どのような方法でカーボン・ニュートラルを実現していくか」を考えると良いでしょう。

今回はEC事業者のサステナブル経営への取り組みとしてユニクロとダヴィネスの大手2社を紹介しましたが、「サステナブル経営レポート」ではより身近なEC事業者のサステナブル経営の事例として、生花店、接骨院、アパレルの3例について紹介しております。
ご興味のある方は是非下記よりご請求ください。

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サステナブルを会社の経営に取り入れる際のポイント(EC事業者の場合)

サステナブルを会社の経営に取り入れる際のポイント(EC事業者の場合)

サステナブルを会社経営に取り入れる際の具体的な方法として、例えば以下のようなものがあります。

  • サステナブルへの取り組みをECサイトに掲載する
  • サステナブルコーナーの展開

まずは自社ブランドがサステナブルへの取り組みを行っていることを発信することから始めましょう。
意外にも「経費削減」が「サステナブルの取り組み」と重なることもあり、自社が既にサステナブル経営へのファーストステップを踏み出している場合もあるのです。
サステナブルへの取り組みを大々的に周知する広告やCMを制作する前に、まずはECサイトでの発信を行ってみましょう。

またECサイトにおける発信と連動する形で、サステナブルコーナーを展開するのも1つのステップとなるでしょう。
シンプルに「簡易包装選択」などのタブを設置したりすることで、少しずつサステナブルへの取り組みをスタートすることができます。
決して大きく展開する必要はなく、できることから始めて消費者の反応を窺うことがポイントとなるのです。

まとめ

サステナブル経営への取り組みは世界的なムーブメントであり、そこには「サステナブル」を支持する消費者の想いや、「サステナブル」をビジネスチャンスと捉えた企業視点などが存在しています。
サステナブルは決して一過性のものではなく、今後ビジネスを展開する事業者にとって無視できないものとなるでしょう。
この機会に「サステナブル経営レポート」を手に取り、「自社にできるサステナブルの取り組み」を検討するところから始めてみてはいかがでしょうか。

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