公開日:2019年3月13日

【EC業界動向】アメリカのEC市場の戦略から学ぶ日本EC業界の傾向

みなさん、こんにちは。EC/D2Cコンサルティングを提供する株式会社いつも.のコンサルタントです。

アメリカは、世界第2位のEC市場規模を誇っています。アメリカの2019年のEC市場規模は日本円に換算すると5,869億ドル(約65兆円)で、日本の1,154億ドル(約13兆円)の約5倍です(経済産業省・令和元年電子商取引に関する市場調査)。

また、市場規模だけでなく、アメリカのEC市場は、日本と比べて2年先を行っていると言われています。

アメリカのEC市場の現状を知れば、世界最先端のEC事情が分かるほか、今後の日本のEC市場の動向も予測可能です。今回は世界最先端のEC業界事情と、今後の日本のEC市場の動向を知りたいという方のために、現在のアメリカのEC業界や市場の特徴について説明していきます。

アマゾン中心で回るアメリカEC市場

43%の市場シェア!アマゾンの圧倒的勢力

アメリカのEC市場の特徴の一つが、アマゾンが圧倒的なシェアを占めているという点です。

アマゾンの市場シェアは43%を占めており、2位以下の「Apple(アップル)」「ebay(イーベイ)」「ウォルマート」「ホームデポ」「ベストバイ」「メイシーズ」といった企業を大きく引き離しています。

世界のBtoC-ECトップ30
世界のBtoC-ECトップ30

図1:世界のBtoC-ECトップ30

出典:経済産業省・平成29年電子商取引に関する市場調査資料(PDF)

ECの枠を超え、リアル小売業界にも進出!

EC市場で世界トップの座にいるアマゾンは、リアルの小売業界への進出にも力を注いでいます。

アマゾンは2017年に、食品小売業の大手である「ホールフーズ・マーケット」を買収しました。最近は生鮮食品の即時配送サービスを強化しているほか、試験的に無人店舗の運営も始めています。

このようにアマゾンはECの枠を超え、リアルへの影響力も強めているのです。

アマゾンは広告!?アメリカEC事業者のアマゾン活用方法

アメリカの多くの事業者は、膨大な顧客を持つアマゾンを広告媒体として活用することで売上を伸ばそうとしています。アマゾンに広告を掲載して、マーケットプレイス内の自社ショップに誘導するのはもちろん、広告から外部の自社ECサイトにユーザーを集める動きも広がっています。

アマゾンは、アメリカの市場シェアの4割を占めているだけでなく、有料会員プログラムである「Amazonプライム」でも8,500万人という顧客基盤を持っています。膨大な数の見込み客が集まるアマゾンは、今やショッピング広告のプラットフォームとしても大きな役割を担っているのです。

新たな勢力!Googleショッピング広告が注目

アメリカでは、日本よりも「Googleショッピング広告」の利用が進んでいます。Googleショッピング広告とは、Googleの検索結果に、検索したキーワードに関連する商品の画像や価格、スペックなどが表示される「検索連動型広告」です。

ショッピングが目的のユーザーにとって、キーワードにマッチした商品の画像や価格が直接表示されるGoogleショッピング広告は利便性が高いと言えます。コンバージョン1件あたりにかかった広告費用である「CPA(Cost Per Acquisition)」や成約率は、Googleショッピング広告のほうがリスティング広告よりも高いと言われています。

 

日本でも拡大中!アメリカで盛り上がるDtoC市場

 

オムニチャネルを推進するが苦戦する百貨店「メイシーズ」
オムニチャネルを推進するが苦戦する百貨店「メイシーズ」

図2:オムニチャネルを推進するが苦戦する百貨店「メイシーズ」

小売業界の衰退から生き残りをかけた戦略がDtoC

アメリカでは現在、メーカーが自社の製品をサイトなどで直接販売する「DtoC(Direct to Consumer)」が活発化しています。アメリカでDtoCが広がっている背景には、アマゾンの台頭により、量販店が次々に駆逐されている現実があります。

メーカーは、本来の商品の売り先である量販的の衰退を受けて、エンドユーザーに直接商品を販売するDtoCによって生き残りを図っているのです。

メーカー直販を強化する「アンダーアーマー」の旗艦店
メーカー直販を強化する「アンダーアーマー」の旗艦店

図3:メーカー直販を強化する「アンダーアーマー」の旗艦店

DtoCではSNS活用がポイント!

DtoCを採り入れているメーカーでは、直販の強みを活かし、顧客データをマーケティングや「CRM(Consumer Relationship Manegement)」に活用しています。CRMとは「顧客関係管理」のことで、顧客の情報を管理することで、それぞれの顧客に商品販売の最適なアプローチをとる手法です。

一人ひとりの顧客に最適なアプローチをとることにより、顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益である「LTV(Life Time Value)」を高められるのがDtoCの特徴の一つです。

DtoCのもう一つの特徴は、プロモーションに従来のテレビCMやウェブ広告よりも、SNSを積極的に活用している点にあります。DtoCの主なターゲットは、人口ボリュームが多く、消費意欲も高い「ミレニアル世代」です。ミレニアル世代はデジタルネイティブでもあり、スマホやSNSを日常的に使っているため、SNSを活用したプロモーションが有効だと言われています。

まとめ

世界第2位のEC市場規模を誇るアメリカのEC市場には、以下3つの特徴があります。

  • アマゾンを中心に回っている
  • Googleショッピング広告が注目されている
  • DtoCが活発化している

これらのうち、Googleショッピング広告やDtoCは、日本のEC市場でも注目され出しています。日本の2年先を行くと言われているアメリカでGoogleショッピング広告やDtoCが活発化している以上、2年後の日本でも同じような状況が起こるかもしれません。

ただし日本のEC市場には「楽天市場」があるため、日本のアマゾンがアメリカのように圧倒的なシェアを得る確率は低いと言えます。しかしだからこそ、現在の日本では、アマゾンでの競争率もアメリカほど高くはありません。

長期的に考えて、今のうちにアマゾンを活用しておくのも有効な手段の一つだと言えるでしょう。