【保存版】D2C・ECブランドを立ち上げるための全ステップと成功ポイント
EC市場がますます拡大を続け、ECのあり方も次々と変化を続けている現代。SNSが一般に普及し、SNSに影響を受けて買い物をするミレニアル世代〜Z世代も増えている今、D2Cへの注目も集まっています。
しかしながらD2Cは自社でやらなければならない業務が多く、「何から始めたらいいのか分からない」「どこまで自社でやらなければいけないのか分からない」と感じる方もたくさんいらっしゃいます。
この記事では、当社が蓄積してきたD2Cに関するノウハウをまとめ、D2C未経験の事業者様でも立ち上げイメージがわくようにご説明しております。
「D2C・ECブランドの立ち上げを視野に入れている」という事業者様は、ぜひご一読ください。
従来のマーケティングとDtoCマーケティングの違い
まずは従来のマーケティングとD2Cマーケティングの違いについてご説明いたします。
佐々木康裕著の「D2C『世界観』と『テクノロジー』で勝つブランド戦略」では、D2Cブランドと伝統的なブランドとの違いとして下記のように紹介されています。
引用元:「D2C『世界観』と『テクノロジー』で勝つブランド戦略」佐々木康裕著,株式会社ニューズピックス,P.3,図0-1D2Cブランドと伝統的なブランドとの違い
特に注目すべき点は「チャンネル」「提供価値」「顧客の位置づけ」についてです。
D2Cマーケティングでは、とにかくお客様とブランドの距離感をいかに縮められるかがポイントになります。
ある意味、ブランドとお客様が一体(仲間)となり、一緒にブランドを作り上げていく関係値まで築くことができれば成功といえるでしょう。
このように、D2Cはターゲットや価値提供、チャネルなど複数の面で従来とは異なる形をとっているのです。
D2C・ECブランドを爆速で立ち上げるための4ステップ
D2Cの知識がない方でもイメージがわくように、D2Cの立ち上げを4ステップに分けてご説明いたします。
ステップ1:工場探し、パートナー探し、顧客ニーズ調査
D2C・ECブランドを立ち上げる際は、工場探し・パートナー探し・顧客ニーズ調査が必要です。
<工場探し>
「D2Cはブランドコンセプトが重要」とは言うものの、お客様の元に届く商品のクオリティが第一です。工場の選定は慎重にしましょう。協力してくれる工場が見つかったら、サンプルを作ってクオリティを確認します。
工場探しは始めての人にとって難しく感じるかもしれませんが、まずはインターネットで検索して会社をリストアップし、相性の良さそうな工場を見つけていくのが手っ取り早い方法です。
ただし、ニッチな分野では、ホームページが整備されていないこともあります。その場合はめぼしい会社に電話をかけて、直接情報を集めましょう。
また、地域の商工会に連絡をするとおすすめの工場を紹介してもらえることもあります。また、関連会社から情報をもらえることもありますので、関連会社もリストアップしておきましょう。
例えば本革のバッグ関連のブランドを作る場合。バッグを作ってくれる工場を探しがちですが、本革を販売している会社や本革のなめしを行なっている会社に連絡をすると効率良く工場の情報を入手できることがあります。
工場探しはネットで完結しないことも多いです。電話をしたり現地に足を運んだり、紹介してもらったり。地道に相性の良い工場を見つけましょう。
<パートナー探し>
D2C・ECブランドはスモールスタート(小規模)で始まることが多いです。もしはじめてD2Cブランドを立ち上げる場合は、製造から販売、流通までを1人で行なおうとすることはおすすめしません。まずは自分に足りない部分を補ってくれるパートナーを探しましょう。
例えば、立ち上げる本人がネットには強いがブランドのジャンルである食品に疎い場合は、食品関連分野に強い人をパートナーとして選びましょう。
職人的な仕事をしているもののネットに疎い場合は、サイト制作やWEB広告に強いパートナーを探す必要が出てきます。
なるべく少人数で幅広い業務を網羅できるように、複数の分野にまたがった知識のあるメンバーを集めると心強いです。
また「外注できないジャンルに強い人」を探すことも大切。例えば物流やECサイトの立ち上げは、外注パートナーを見つけやすい部分です。商品開発やブランドコンセプトづくりなど「外注できない部分」に強い人を中心にチームに入ってもらいましょう。
D2C・ECブランドのメンバーを調査すると、はじめは元々の知り合いに声をかけて立ち上げるパターンが多いと分かります。その辺りはD2Cというより、会社を立ち上げる時のイメージに近いです。
<顧客ニーズ調査>
需要のない商品を作っても売れません。顧客や競合を分析して「本当にニーズがあるのか?」調査します。
具体的にはペルソナを明確にして、市場の状況と照らし合わせながらニーズを調査します。その市場は成長見込みがあるか、競合はどれくらい利益を上げているかなどは参入前でも情報を集められます。
すでに類似ジャンルでブランドを持っている場合は、アンケートやレビュー、自社ECで蓄積された顧客情報を参考に顧客ニーズを洗い出していきます。
ステップ2:ブランドコンセプト(ストーリー)を決定する
D2Cにおいて大切なのが「ブランドコンセプト(ストーリー)」をきっちり作ること。D2Cは「体験を買うビジネスモデル」とも言われていますので、商品自体のスペックだけでなく、商品が誕生した背景やコンセプト、ブランドに込めた想いに価値があります。
D2C市場の主なターゲットは、ミレニアル世代(1980年頃〜1997年生まれ)やZ世代(1998年以降生まれ)です。この世代の消費者は、商品自体の質や値段で物を買うわけではありません。SNSなどで情報を集め、ブランドのコンセプトや世界観に共感して商品を買うのです。
従来の高級ブランドを「所持していること」にはあまり魅力を感じず、何を考えているか、何を重要視しているかを大切にします。そのため、自分の価値観を反映できるような世界観のブランドを好むのです。
ステップ3:高品質の商品を作成
世界観が重要視されるとはいえ、それは高品質の商品ありきです。世界観は素敵なのに商品が低品質だと、かえって評判を落としてしまいます。
商品が決まったら、工場と連携してサンプルを作成しましょう。世界観に合う商品か、品質に問題はないか、納得いくまで改良してくれる工場に依頼したいです。
ステップ4:集客手法、物流方法を決定
最後は商品を見つけてもらう、そして届けるステップです。具体的には「集客」で情報を届け、「物流」で商品を届けます。せっかく良い物を作っても商品を知ってもらわなければスタートラインに立てません。D2Cを含むECでは、主にインターネットを活用して集客していきます。集客に関しては次の章で詳しくご説明いたします。
物流については、最低限の物流知識がないと自社物流は難しいです。意外と時間と労力の取られる分野なのです。しかも最後の最後でミスが発生すると、ブランドの価値は一気に下がってしまいます。D2C=全て自社で行うというイメージがあるかもしれませんが、物流に関しては外注パートナーを探すことも一つの手です。
D2Cにおいて他社と差別化をはかりやすいのは、ブランドコンセプトづくりや商品づくりなどの開発パート。物流は差別化しにくいですし、いかにミスを減らすか?が勝負でもあります。「自分たちは何に力を割くべきか?」を考え、外注することも大切です。
実際に、トレーニングウェアなどを販売する株式会社LÝFTでは、物流を外注化して上手くいった企業のひとつです。「オープンロジ」というサービスを使うことにより、梱包や出荷などは自動化できたとのことです。物流のプロが扱ってくれるため、クオリティが高くて料金は安く済みます。
物流に割く労力を他に充ててブランドを強化するためにも、外注パートナーは早めに調べましょう。
D2Cマーケティングを徹底理解しよう
D2Cマーケティングは、インターネットを効果的に使うことが必須です。SNSやライブコマース、広告配信、インフルエンサー、メルマガ、動画などあらゆる手段を用いて情報発信します。
SNSマーケティングのポイント
- 広告感、宣伝感の強いものは敬遠される可能性。ユーザーの日常に馴染むコンテンツを作成する
- ユーザーの意見を参考に改良する
- SNSからスムーズに注文できる形を整える
- 「モノ」だけではなく「コト」や「体験」を作る
- UGC(口コミ)を上手く活用して信頼と安価さを両立させる
- 画像や動画コンテンツでフォロワーの目を引く
日常に馴染むコンテンツを作成し、ユーザー目線で最適化していきましょう。
ライブコマースのポイント
- 視聴してくれるファンを確保した状態で始める
- 視聴者とのコミュニケーションに慣れている配信者を手配する
- 問題発生時の対応をあらかじめ決めておく
- ライブ画面からスムーズに購入できるよう導線を整える
- アーカイブを残し、後からでも視聴や購入できるようにする
視聴者と配信者を確保して、スムーズな配信をしましょう。配信する側は商品の紹介はもちろん、コメントにその場で対応する力も必要なので、初めての人には難しいかもしれません。
広告配信のポイント
D2Cは必ずしも広告を打つと良いわけではなく、あくまでもブランドのイメージが保たれる訴求をする必要があるのです。従来のECとは違い、幅広い媒体で広告を打てばいいわけではありません。お客様にファンになってもらえるよう、継続的に好印象を持たれるような売り方をしましょう。
インフルエンサー起用のポイント
- 商品のターゲットと合ったインフルエンサーを起用する
- ジャンルと相性の良いSNS媒体を利用する
- 宣伝感が強すぎない、違和感のないPRをする
インフルエンサーマーケティング成功のコツは、いかに自然にPRできるか。インフルエンサー×商品、SNS媒体×商品など全てにおいて自然に馴染むことが大切です。
メルマガのポイント
メルマガは随分前から用いられる手法です。ポイントはたくさんありますが、特に重要なのは件名に重要情報を明記し、セグメントをしっかりし、効果測定をしながら配信することです。
YouTubeのポイント
動画の良さを活かせるジャンルかどうかが重要です。特にアパレルや化粧品など視覚に訴えかけるジャンルは、YouTubeとの相性が良いです。最近では漫画動画も伸びていますので、漫画動画にして分かりやすく情報を伝えるのも良いでしょう。
日本流のD2C戦略を理解しよう
D2Cは日本よりもアメリカで先に浸透し始めました。日本ではアメリカの約2年後に同じ流れになるとも言われていますが、ことD2Cの分野においては”日本流”として独自の市場が確立されつつあります。
もちろんアメリカの成功事例が参考になる部分もあるのですが、文化や風土の違いから「日本とアメリカで大きく違う部分」もあります。
まずアメリカは大規模でないと商売が成り立たないことも多いです。一方、日本は小規模な形でも成り立つ可能性があります。日本には昔から職人が作った伝統工芸がありましたので、質の良い物をファンが買う、という形が馴染むのです。職人の想いや何百年続く伝統を上手くPRすることで、少数の根強いファンが商品を購入してくれるのです。
アメリカでは、最先端のジャンルで熱狂的なブームを作り、多くの人に購入してもらわなければD2Cが成り立ちません。そもそもD2Cの始まりはシリコンバレーのテック系のスタートアップ企業なので、「最先端」「ブーム」などのキーワードが優先されるのです。
また、アメリカのD2Cでは「安くて質の良いもの」が人気ですが、日本は「値段は少し高めで、質の良いもの」が人気です。日本はユニクロやGU、無印良品など「安くて質の良いもの」はすでに溢れています。そのため、D2Cの分野ではコンセプトや品質にこだわった少し高いものが人気です。
このように、日本特有のモノづくり文化、人々の購買心理の違いをしっかりと理解してブランドを立ち上げる必要があります。
関連記事>https://itsumo365.co.jp/blog/post-3302/
D2C・ECブランドの成功事例を紹介
D2C・ECブランドの成功事例として有名なのが、コスメブランド「Glossier」。
ファッション雑誌に携わっていたエミリーワイズが立ち上げたアメリカのブランドです。本業であるファッション雑誌の知識を生かしてブログを開始し、ブログで読者の意見を聞いているうちにコスメブランド立ち上げに至りました。
Instagramのフォロワーは276.5万人(2021年3月1日時点)。幅広い性別や人種、年齢のモデルを起用してながら視覚的に美しいカタログのようなInstagramを運営しています。
関連記事>https://itsumo365.co.jp/blog/post-11772/
いつも.のD2Cサービス紹介
ここまででD2C・ECブランドを立ち上げるための流れとポイントをまとめて参りました。ここで、弊社のD2C支援サービスについて簡単に説明をさせて頂きます。
当社のD2C支援サービスの特徴
- 値引きをしないやり方で事業拡大を目指す
- デジタルシェルフ(商品棚)サービスを活用して、自社サイトや楽天・Amazonなどで最適なマーケティングを行う
- 他ブランドよりも高いレビューがつくように、担当者が写真やメール対応、物流などをサポートする
- バックオフィス一体型のマーケティングのため、「売る」と「守り」を両立できる
D2Cは幅広い業務をこなさなければならず、全てを自社で行うのは難易度が高いです。当社ではマーケティング活動から商品製造・管理、ECサイト運営、集客活動、顧客対応、配送など幅広くサポートしております。
弊社では、D2Cという言葉が日本で浸透する前より、情報収集を行い、これまで数多くのD2C・ECブランドの立ち上げに携わって来ました。
「これからD2C・ECブランドを立ち上げる」「D2Cに興味はあるが不安が多い」という方のお力になれればと思っております。
いつも.公式 DtoC支援ページ>https://itsumo365.co.jp/service/unnei/uneidaikou.html
参考書籍の紹介
当社取締役副社長の望月がまとめた「2025年、人は「買い物」をしなくなる」「買い物ゼロ秒時代の未来地図」は、D2Cだけでなく今後のEC業界全般に言及した書籍です。D2C時代の先のEC市場はどうなるのかを事例を交えて紹介しております。
これからD2C・ECブランドの立ち上げに携わる方には、ぜひ参考に読んで頂きたい書籍です。
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まとめ
D2Cは業務が多岐に渡ります。物流など専門知識がないとミスが起きやすい工程もありますので、「どこまでは自社で担うべきか」「どこからは外注した方が高品質に仕上がるか」を見極めることが重要です。
当社では長年ECに携わってきた実績と経験をもとに、D2C事業の支援を行っております。D2C・ECブランドの始め方でお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。