楽天市場で商品が“勝手に売れる”好循環に入る仕組みを解説
みなさんこんにちは。楽天市場におけるコンサル、広告運用、運用代行などで楽天市場総合マーケティングを提供するいつも.のECコンサルタントです。
みなさんは楽天市場で最も成功しやすいと言われているビジネスモデル「自走モデル」をご存知でしょうか?それは商品が“勝手に売れる”好循環を作ることです。今回は自走モデルを作るための具体例と、商品軸で施策展開を行うべき理由について解説していきます。
※本記事に掲載されている、事例の内容、売上に関する情報、サービスの価格・機能・仕様などの情報は、変更・更新になっている場合がございます。
楽天市場の「売れている商品」が更に売れる仕組みとは?
楽天市場では「売れている商品」が更に売れるように、検索結果での優先表示や、人気ランキング掲載、特集ページへの抜粋など、様々な仕組みが採用されています。
楽天市場で安定して売れ続ける「自走モデル」とは?
楽天市場では商品が一度ヒットすると、その後はある程度自立して売り上げが伸びる傾向にあります。売れている商品は楽天市場内の検索上位に表示されやすくなりますし、ランキングにも掲載されやすくなるため露出が一気に高まります。
また、楽天市場が企画する特集ページは特定のキーワードの検索結果画面が使われることも多いため、売れている商品は特集ページへの露出も期待できます。
このように、「売れるから露出が増え、露出が増えるから売れる」という好循環に入ると、広告をあまり使わなくても売り上げが安定して稼げるようになります。
このような「売れ続ける仕組み」を弊社では「自走モデル」と呼び、楽天市場での継続的な売上確保に欠かせない重要な施策として位置づけています。
自走モデルを実現させるためには「商品軸」で施策を行う
「自走モデル」を実現するには、「商品軸」で施策に取り組むことが重要です。モール内で露出を増やすにせよ、集客を増やすにせよ、転換率を高めるにせよ、店舗単位で施策を考えるのではなく、商品単位で施策を考える必要があるということを覚えておいてください。
商品軸で施策を打つには、まずは店舗の柱となる商品群を決めます。そして、商品ページに検索上位表示に向けた最適化を実施して露出を増やし、さらにサムネイルの改善や送料無料の導入などに取り組んでアクセス数を増やすことで売り上げを伸ばしていきます。
その際、各種KPIを分析し、業績改善に対するインパクトが大きな施策から優先順位をつけて改善策を立案。露出アップ→集客アップ→転換率アップ→リピート率アップというストーリーに則って売上拡大のボトルネックを解消します。
とはいえ、いきなり「商品軸で施策を展開しよう」と言われても、なぜ商品軸で施策を展開する必要があるのか、また施策の具体的な展開方法は何か、分からない人もいることでしょう。
楽天市場での「自走モデル」と「商品軸の施策」の理解を深めるには、楽天市場で商品が売れるまでのサイクルを踏まえると分かりやすくなります。楽天市場で商品が売れる基本的な流れは以下の通りです。
①商品の露出
まずは、どんな商品もユーザーに見つけてもらう必要があります。いくら商品ページを作り込んだとしても、ユーザーが1人も訪れない商品ページは売上に繋がらないため、価値がありません。
したがって、まずは特定の商品を、楽天市場内の様々な場所に露出する方法を考えていく必要があります。分かりやすい例として、楽天市場のホーム画面をイメージしましょう。楽天市場のホーム画面には、初めて訪れたユーザーにも様々な商品が表示されます。
例えば画面ファーストビューには、楽天市場が開催する「楽天スーパーSALE」や「父の日特集」などのバナー画像が表示されるようになっており、これらのバナー画像はカルーセルスライドで自動的に切り替わるようになっています。
バナー画像はクリックすると対象ページへと遷移するようになっており、楽天スーパーSALEであれば「セール対象商品」がユーザーに表示されます。
しかし膨大な数のセール対象商品から、自分のショップの商品がユーザーに優先的に表示されるかどうかは確約されていません。そもそも作りたてのショップや、販売実績が少ない商品を抱えているショップにとって、こうした人気ランキングのようなアルゴリズムは当てにならないでしょう。
では、販売実績の少ないショップでも特定商品の露出を増やす方法はあるのか。答えはYESです。主な方法として以下の2つが想定されます。
まず1つ目は、楽天市場における「検索連動型広告(RPP)」です。検索連動型広告とは文字通り「検索キーワード」に連動して表示される広告のことであり、各キーワードに連動して表示される広告の優先順位は主に「入札単価(CPC)」で決まります。
検索連動型広告の入札単価はRMS上で設定でき、最低10円~選択することが可能です。入札単価とは「1クリックに対してどのくらいの広告料を支払えるか」を表す指標であり、例えばAショップがZという商品に対して10円、BショップがZに対して20円の入札単価を設定した場合は、BショップのZ商品の方が広告として表示されやすくなります。
広告の表示率は入札単価だけでなく、「その商品が売れやすいかどうか(売上件数)」や「購入者の満足度が高いかどうか(レビュー)」などの影響も受けるとされており、一概には言えませんが、販売実績の少ない商品を広告として表示させるなら「検索連動型広告(RPP)で高い入札単価を設定すること」がポイントとなるでしょう。
そして商品露出を増やす2つ目の方法が「楽天スーパーDEAL」への出品です。楽天スーパーDEALは楽天会員向けに毎日開催されているポイント高還元サービスで、商品価格の10~50%のポイントがユーザーに還元されます。
通常の買い物ではポイント還元率1%の商品も、楽天スーパーDEALで購入すれば10~50倍お得になります(※10,000円の商品を通常購入した場合は100ポイントですが、楽天スーパーDEALなら1,000~5,000ポイントがユーザーに還元されます)。
(参考:楽天市場「楽天スーパーDEAL ご利用ガイド」)
楽天市場で普段から買い物を楽しむユーザーにとって、楽天スーパーDEALの商品は「毎日チェックしたい」と思うことでしょう。
もし既に購入したい商品が決まっていて、楽天スーパーDEALにその商品があったら、ポイント還元率の高い楽天スーパーDEALで商品を購入しない理由がありません。楽天スーパーDEALはそれだけユーザーメリットの大きいサービスなのです。
ショップ運営者はRMSから「楽天スーパーDEAL」への出品設定を行うことができます。出品方法には、楽天スーパーDEAL内の検索に対応する「DEALサーチ」と、楽天スーパーDEAL内の広告枠に対象商品を表示する「広告掲載枠への出稿」の2つがあるため、希望する出品方法を選択しましょう。
②商品へのアクセス
検索連動型広告(RPP)や、楽天スーパーDEALで上手く商品露出を増やすことができれば、ユーザーは商品ページへとアクセスし、商品内容を確認するステップへと入ります。
ここで重要なのは、ユーザーは商品ページにアクセスしているのであり、ショップにアクセスしているわけでないということです(※厳密にはショップの中の商品ページにアクセスしていますが、ユーザーが閲覧するのはあくまで商品単位です)。ユーザーは商品ページを楽天市場内で見つけ、商品ページにアクセスし、そのまま購入へと至ります。
したがって各商品ページには、その商品の特徴や用途、利用して得られる未来のユーザー像(ベネフィット)などを記載する必要があり、テキストよりも画像や図を用いた視覚的な説明が求められます。
また、各商品ページの構成はその商品の転換率(アクセスから購入へと繋がった割合)を意識して作られるべきなので、ショップ全体で固定された商品ページを作成するわけにはいきません。この点が、商品軸での施策が、自走モデルの実現に繋がる理由です。
※各商品ページには「ショップ内で利用できるクーポン」や「ショップ内セール・特集」などのバナー画像も配置できるため、商品ページ上部は固定された文言が並び、スクロールすると各商品に特化した内容が並ぶ、といった形式を取っているショップが多くあるのが実情です。他店の商品ページ作りを参考にしつつ、各商品ページを構成する要素において「何が最もユーザーに訴求できるのか」を意識してレイアウトを決めると良いでしょう。
例えば、Aという商品を購入したいと考えるユーザーが「評判を一度確認してから購入したい」と考えていると想定される場合、商品ページのレイアウトは「実際にAという商品を購入したユーザーの口コミ」が最初の方に来るよう設定すると良いでしょう。また他店との差別化があまりできないBという商品があった場合は、クーポンやセール情報などを宣伝するバナー画像を貼り、ユーザーの注意を引くことがポイントとなります。
③商品の購入
商品ページの内容をユーザーが確認し、購入意欲が高まったユーザーは「商品をかごに追加」「ご購入手続きへ」などのボタンを選択して購入画面へと進みます。
すぐに購入するユーザーもいれば、一旦かごに追加して、他のショップの商品と比較してから購入手続きに入るユーザーもいます。商品の購入率を上げるには、他のショップの商品や、類似商品よりもユーザーメリットが大きいことがポイントです。
例えば商品の価格や配送料の調整、ショップ内で利用できるクーポンの配布、楽天スーパーDEALの期間限定のポイント還元率設定、ポイント変倍など、差別化を図れる施策を展開すると効果的でしょう。
自走モデルの可能性を秘めた商品を見つけるポイント
一般的に以下の特性がある商品は、自走モデルになり得るポテンシャルを秘めているとされます。
まず「アクセスは集まるが購入されない商品」の場合。この商品の場合は、商品ページの改良を行うことで自走モデルへと化ける可能性があります。
既にアクセスを集めている商品は、商品ページを読んでいる途中でユーザーが離脱している可能性が高いため、ヒートマップツールなどを活用し、「ユーザーがページのどの部分で離脱しているのか」をはっきりさせる所から始めましょう。
※ヒートマップツールとは・・・Webサイト上の各ページで行われたユーザー行動(クリックなど)を、その頻度や回数によって色分けを行う可視化ツールです。数値ではなく、色で可視化する特徴があることから、サイト分析初心者でも扱いやすいツールとして知られています。
また、ヒートマップツールをすぐに用意できない場合は、外部の複数の人間に「商品ページを読んだ感想」を聞いてみることをおすすめします。
次に、「アクセスは少ないが転換率の高い商品」について。アクセスが少なくても転換率が高い商品は「既に売れている商品」なので、アクセスを増やす施策を実施します。
例えば、先ほど紹介した検索連動型広告(RPP)や、楽天スーパーDEALへの出品などがあるでしょう。既に売れている商品のアクセス数を増やせば良いだけなので、施策としてはシンプルかつすぐに効果が出るものになります。
最後に、「そこそこ売れているがパッとしない商品」の場合。やや曖昧な表現ですが、上述の1・2の商品のちょうど中間に位置する商品といえます。
「アクセス数はややあるが、転換率がそこまで高くない」「アクセス数は少ないが、転換率がやや高い」といった状況が該当します。
このようなケースでは、アクセス数増加の施策を行いつつ、同時に商品ページの改良も加えていく必要がありますが、施策の効果を確かめるために、どちらか一方の施策を行って数値データを取得することをおすすめします。
なぜなら、2つの施策を同時に行うと「結局どちらの施策が有効だったのか」が分からず、次の施策に活かせないからです。
これら3つの商品の中で、最も自走モデルに化けやすい商品は「2」の商品です。既に売れている商品は露出を増やすことでより購入され、広告などを使わなくても自動的にランキング掲載や検索上位へと表示されるようになります。
楽天市場で計画的に売上を獲得するポイント
これまでの内容からも分かる通り、楽天市場で継続的に売上を確保するには「いかに自走モデルを作るか」にかかっています。とはいえ自走モデルを作ることができるかどうかは、実際にやってみなければ分かりません。たくさんの施策を展開してもなかなか自走モデルを生み出せない可能性もゼロではないでしょう。
そこでここからは楽天市場で計画的に売上を獲得するポイントを紹介していきます。自走モデルの創出と並行して、以下の施策も是非実施していただければと思います。
年間販促カレンダーを作成し計画的に販売する
年間販促カレンダーは、楽天市場が公開している販促カレンダー「Rakutenカレンダー」を参考にすると良いでしょう。Rakutenカレンダーには1年間のセール予定日が記されています。
例えば、四半期に1回行われる楽天スーパーSALEは、2022年は3月・6月・9月・12月の計4回が予定されており、日付も決まっています。
この期間は楽天スーパーSALEで買い物を行うユーザーが、購入商品のポイントアップを意図して「ショップの買いまわり」を行う傾向にあり、普段購入しないショップでも購入を行うユーザーが増加します。
つまり楽天スーパーSALEの時期に合わせて商品の販売計画を立てることで、自走モデルの創出機会をつくったり、一時的な売上の確保したりできるようになるのです。
商品の販売時期を戦略的に読んで売る
また楽天市場内で販売する商品は、「季節商品」など、販売時期を戦略的に読んで売ることも重要です。
商品には様々な特性があり、季節によって需要が増す商品もあれば、年間通じて需要が一定のものもあります。
例えば、冬にニーズが高まる「厚手の手袋」などを、真夏に露出しても効果は期待できないでしょう。季節や時期に合わせて売れる商品を、「いかにもっと売るか」を考えて販売戦略を練っていくことが重要です。
まとめ
楽天市場で商品が勝手に売れるようになるには、「商品の露出を増やし、商品ページへのアクセス数を増加させ、実際に商品を購入してもらう」という一連のサイクルを加速させる必要があります。まずは自走モデルとなり得る商品を見極めて、商品の露出を増やすことが重要ですので、基本の「検索エンジン最適化」や商品ページ改善に加えて検索連動型広告(RPP)や楽天スーパーDEALなどを活用しましょう。
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楽天で売上を伸ばす方法に関するよくある質問
- 楽天で「売れている商品」が更に売れる仕組みとは?
- 楽天市場では「売れている商品」が更に売れるように、検索結果での優先表示や、人気ランキング掲載、特集ページへの抜粋など、様々な仕組みが採用されています。
- 楽天で商品が勝手に売れるようにできる?
- 楽天市場で商品が勝手に売れるようになるには、「商品の露出を増やし、商品ページへのアクセス数を増加させ、実際に商品を購入してもらう」という一連のサイクルを加速させる必要があります。
- 楽天で計画的に売上を獲得するポイントは?
- 年間販促カレンダーを作成し計画的に販売することです。年間販促カレンダーは、楽天市場が公開している販促カレンダー「Rakutenカレンダー」を参考にすると良いでしょう。Rakutenカレンダーには1年間のセール予定日が記されています。