【保存版!】D2Cを成功させるためのマーケティング手法7選
これまで、D2Cマーケティングに関する特定の手法(例えば、SNS活用など)に特化して説明している情報はたくさんありますが、全体を網羅して総体的に学べるコンテンツはほとんどありませんでした。
この記事では、D2Cマーケティングに関するあらゆる専門知識が得られるように情報を整理しました。
それぞれのマーケティングに関するポイントと事例をかいつまんで説明しておりますので、気になる手法については、リンクをクリックして詳しく学んでください。
ぜひ保存やお気に入りに登録して、D2Cのマーケティングに関して困った際に、何度も読み返してみてください。
D2CにおけるSNSマーケティング
まずはSNSについてご説明します。D2Cはミレニアル世代との相性が良く、SNSを頻繁に利用する世代が主なターゲットになります。
D2C企業がSNSでマーケティングする際のポイントを以下にまとめました。
ポイント
- 広告感、宣伝感の強いものはNG!ユーザーの日常に馴染むコンテンツを作成する
- ユーザーの意見を尊重しながら常に最適化する
- オンラインで完結する導線を作る
- 「モノ」だけではなく「コト」「体験」「共感」を重視する
- UGC(口コミ)を上手く活用したマーケティングを
- 文章だけではなく画像や動画コンテンツを整える
それぞれご説明いたします。
<広告感、宣伝感の強いものはNG!ユーザーの日常に馴染むコンテンツを作成する>
ユーザーは、何かを宣伝されるためにSNSをやっているわけではありません。「わたしに合ったもの」「わたしが好きなもの」を取り入れるために、アカウントをフォローしています。
そのため、広告感や宣伝感の強いコンテンツは敬遠されます。
一般ユーザーの投稿から浮きすぎず、しかし埋もれないコンテンツを作成するバランス感がD2Cのマーケティングでは重要です。
<ユーザーの意見を尊重しながら常に最適化する>
SNSの特徴は、こまめにコミュニケーションを取れること。InstagramであればDMやコメント、TwitterであればDMやリプライなどで交流することができます。
ユーザーとコミュニケーションをとることで、リアルな意見を集められます。
<オンラインで完結する導線を作る>
SNSの投稿から商品の購入まで、オンラインで完結する導線を作りましょう。
商品を紹介したページにLPのURLを貼り付けたり、プロフィールから公式サイトに誘導したりすることで、「欲しい」と思わせてからすぐに購入に導けるのです。
<「モノ」だけではなく「コト」「体験」「共感」を重視する>
D2Cで商品を購入する層は、サービスの実利価値だけに価値を感じているわけではありません。ブランドのストーリーやコンセプトをトータル的に見た上で「いいな」と判断します。
「モノ」の実利性だけをアピールするのではなく、それを使うことによるユーザーの満足感、精神的な充足感を想像することが、D2Cマーケティングのポイントです。
<UGC(口コミ)を上手く活用したマーケティングを>
簡単に説明すると、UGC(User-generated-content)とはユーザーによる口コミのような投稿のこと。企業が作成したコンテンツではなく、ユーザーが作成したコンテンツを指します。
広告感の薄いコンテンツなのでユーザーに受け入れられやすく、D2Cマーケティングでは欠かせない要素になっています。
<文章だけでなく画像や動画コンテンツを整える>
InstagramやYouTubeを利用して、見栄えのするコンテンツを投稿しましょう。画像や動画は、届けられる情報量も多いです。他の投稿に埋もれないよう、目を引くコンテンツ作りは必須です。
D2CにおけるSNSマーケティングの事例
完全食というマイナージャンルで人気を集めている「BASE FOOD」のマーケティング事例を見てみましょう。
BASE FOODはUGCを上手に活用しているブランドの一つです。モニターやアンバサダーを広く募っていたこともあり、一般人やマイクロインフルエンサーによる宣伝感の薄い投稿が多いのです。
BASE FOOD公式Instagram:https://www.instagram.com/explore/tags/basefood/
BASE FOOD公式Youtube:https://www.youtube.com/results?search_query=BASEFOOD
InstagramやYouTubeで「BASEFOOD」と検索すると、一般ユーザーによる多くの投稿が出てきます。
モニターやアンバサダーを多く募ることで、自然な投稿を増やすことができます。SNSマーケティングの上手なD2Cの一例です。
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D2Cにおけるライブコマースマーケティング
「現代版の実演販売/テレビショッピング」とも言えるライブコマースのD2Cマーケティングのポイントをお伝えいたします。
ポイント
気をつけたい主なポイントは次の5つです。
- 視聴してくれるファンは確保できているか
- 視聴者とのコミュニケーションが上手な配信者を用意できるか
- ネガティブなコメントが来た時の対処法はどうするか
- 購入までの導線はしっかり用意できてるか
- アーカイブを用意する
1つずつご説明いたします。
<視聴してくれるファンは確保できているか>
視聴してくれるファンがいないと、ライブ配信をしても意味がありません。
もしSNSのフォロワーが数十人〜数百人しかいなかったり、薄いファンだったりした場合、いざ配信しても「視聴者0人」の可能性があります。
いきなりライブ配信をしても、誰も視聴してくれません。まずはSNSのフォロワーを増やし、「視聴してくれる可能性のある人」を確保することが優先です。
<視聴者とのコミュニケーションが上手な配信者を用意できるか>
ライブコマースの一番のポイントは、視聴者とコミュニケーションを取ること。配信者には、商品を説明する力だけでなく、臨機応変なコミュニケーション能力も求められます。
商品を説明し、視聴者のコメントを読み、臨機応変に答える必要があります。誰にでも簡単にできるわけではありません。場を回すことに慣れている担当者がいるかどうか?も鍵になります。
<ネガティブなコメントが来た時の対処法はどうするか>
ネガティブなコメントに対してどのように対応するのか、あらかじめ決めておきましょう。
対応を間違えると他の視聴者からの印象が悪くなったり、炎上したりする可能性もあります。
<購入までの導線はしっかり用意できてるか>
その場ですぐに商品を購入できるような導線作りも大事です。配信画面から購入までの導線が複雑だと、購買意欲は落ち、離脱してしまいます。
<アーカイブを残せるか>
ライブコマースは生配信ならではの臨場感が売りですが、その時間に視聴できない人もいます。
可能であればアーカイブを残して、ライブ配信後からでも動画を視聴できるようにしましょう。
D2Cにおけるライブコマースマーケティングの事例
モテクリエイターとして人気の「ゆうこす」こと菅本裕子さんは、約5年前から積極的にライブコマースを利用しています。以前は韓国から買い付けたコスメや洋服を紹介していましたが、最近はご自身の基礎化粧品ブランド「youange」を上手にPRしています。
動画を配信しながら、視聴者からのコメントにも丁寧に答えているので、見ていて好印象です。ライブコマースと相性が良いと言われているファッションや美容ジャンルで成果を上げています。
また、東急ハンズとコラボしたライブ配信も話題になりました。
実際の店舗を回りながら商品を紹介する形で、東急ハンズの良さを自然に伝えられる配信でした。
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【D2C×ライブコマース】それぞれの可能性と今後の展望について
D2Cにおける広告配信
従来のECは幅広くWEB広告を打たなければいけないイメージでしたが、D2Cマーケティングはそうではありません。
D2Cの広告のポイントは下記の通りです。
ポイント
- 必ずしも広告を打つべきではない
- ブランドのイメージが保たれるPR方法を意識する
D2Cは、ただ商品を売ればいいわけではありません。お客様にはブランドのファンになってもらい、継続的に良い印象を持ってもらうことの方が大切です。
そのため、ただ広告を売って瞬間的な売上を上げてもあまり意味がありません。
ブランドを広く浸透させたい時期には広告を打つのも手ですが、ブランドのイメージを担保するために、あえて広告を打たずに一般的な投稿のみで攻めるのも作戦の一つです。D2Cは従来のマーケティングとは異なります。
D2Cにおける広告の事例
広告の使い方に違いのある3つのブランドをご紹介します。
D2Cブランド事例:BASEFOOD
BASE FOOD AmazonストアURL:https://www.amazon.co.jp/s?k=BASEFOOD
完全食というマイナージャンルで人気のBASEFOODは、WEB広告と一般的な投稿を上手に組み合わせている例です。
WEB広告はFacebookやAmazonなどあらゆる媒体で出るように設定されていますし、一般的な投稿ではUGCを活用したマーケティングが上手です。
D2Cブランド事例:ドモホルンリンクル
公式ショップURL:https://www.saishunkan.co.jp/domo/
女性の基礎化粧品ブランドとして有名なドモホルンリンクルは、WEBだけではなく、テレビCMや新聞などいわゆる昔ながらの宣伝方法も多用しているブランドです。
D2Cブランドではありますが、創業してからの年数も経っている老舗。WEB以外での施策が活発です。
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D2Cにおけるインフルエンサーマーケティング
インフルエンサーのプラットフォームも増え、D2Cとインフルエンサーマーケティングは関連性の深いものになっています。
ポイント
- ターゲットを多く抱えるインフルエンサーを選定する
- ジャンルとの相性の良い媒体を使っているインフルエンサーを起用する
- 違和感のないPRをする
それぞれご説明いたします。
<ターゲットを多く抱えるインフルエンサーを選定する>
当たり前のことですが、売りたい商品を買ってくれる層を抱えるインフルエンサーを選定しましょう。
フォロワー数も多く人気が高くとも、ターゲット層が一致していないと、依頼するメリットは薄れます。
逆にフォロワー数が少ない方がファンが濃く、購買まで繋がる場合もあります。D2Cマーケティングでは、ファンの「濃さ」もポイントです。
<ジャンルとの相性の良い媒体を使っているインフルエンサーを起用する>
美容ファッションならInstagram、ビジネス系ならTwitterなど、媒体ごとにインフルエンサーを見るようにしましょう。
<違和感のないPRをする>
いかにもその商品を使っていそうなインフルエンサーを起用しましょう。また、PR案件であることを隠したままPRすると、ステルスマーケティングと判断されることもありますので、気をつけてください。
D2Cにおけるインフルエンサーマーケティングの事例
LOCOND(ロコンド)の事例
公式サイトURL:https://www.locondo.co.jp/
2010年に創業した靴通販ブランドロコンドは、インフルエンサーとのコラボ商品がヒットしました。
コラボ商品は、スニーカーとサンダル。どちらも1万円前後と安くはありませんが、登録者数400万人のヒカルとのコラボのより爆発的に売れました。
(ヒカル公式Twitterアカウント:https://twitter.com/hikaru2nd1031)
売上は発売からの1週間で約6億円。従来は30~40代女性が主な顧客層でしたが、ヒカルとのコラボレーションにより若い男性客が増えたのです。
単にコラボするのではなく、その過程も重要です。このコラボでは発売前からヒカル自身がYouTubeに商品開発の過程の動画をアップしており、ストーリーが丸見えになっているのです。
商品自体の価値だけでなく、背景や意味を重視するのがミレニアル世代。過程をオープンにすることで、「好きなインフルエンサーが情熱をかけて作ったものだ」という意識が生まれ、商品自体だけでない、プラスαの価値が生まれるのです。
WARBY PARKER(ワービーパーカー)の事例
公式サイトURL:https://www.warbyparker.com/
こちらは海外のD2C企業です。人気のグルメインスタグラマーMolly Baz(@mollybaz)に眼鏡をかけてもらい、自社Instagramに投稿しています。
眼鏡は年代や職業、性別問わず使ってもらえますので、起用するインフルエンサーのジャンルを問いません。実際に起用して話題となったMolly Baz(@mollybaz)さんは、グルメ系のインフルエンサーです。
(Molly Baz公式Twitter:https://twitter.com/mollybaz)
インフルエンサーを起用する場合、必ずしも近いジャンルのインフルエンサーを探す必要はありません。今まで接点のなかったユーザーに届けるため、あえてジャンルの遠いインフルエンサーを活用することもあるでしょう。
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【最新事例】D2C企業が活用したいインフルエンサーマーケティングの全貌について
D2Cにおけるメルマガマーケティング
メルマガの必須要素
メルマガマーケティングで成功するために最低限抑えておきたいポイントを3つまとめました。
①情報の有益性
②書き手の温度感
③行動に繋がる訴求
<①有益な情報を提供する>
当然ですが、読者にとってメリット(有益)となる情報をお届けすることが大前提になります。メルマガはそもそも開封されないことが多く、もし何かのタイミングで開封してくれた読者をガッカリさせてしまうことは大きな機会損失になってしまいます。このような”ガッカリ”が積ることでマイナスブランディングに繋がることもあるので、送る内容には注意が必要です。
ただし、D2Cのメルマガに関しては、必ずしも有益性が「毎回」求められているわけではありません。
D2Cブランドのファンは、そのブランドや創業者の世界観に価値を感じていたり、メルマガをSNSのように感じたり、従来のECユーザーとは異なる価値観を持っているため、毎回クーポン情報や、お得なセール情報を流さなくても大丈夫です。ブランドの想いやストーリー、または働いているスタッフに焦点を当てて、商品ではなくブランド自体へのファンの創出を目指しましょう。
<②書き手の温度感を伝える>
前述のポイントと重なりますが、D2Cのメルマガでは必ずしも毎回お得な情報を送らなくても大丈夫です。書き手のプロフィールを挟んだり、会社内の様子を伝えたりと、働いている人や会社のことがイメージできるような文章が好まれます。
この背景には、D2Cブランドの顧客は、そのブランドの世界観や誕生ストーリーに心を動かされたファンが多いためです。
そのようなファンに向けて、世界観を味わってもらえるような、温度感のあるメルマガを届けることが大事です。
<③行動に繋がる訴求をする>
毎回ただストーリーや想いを語るだけでなく、購買行動に繋がるような仕掛け作りも適切なタイミングで必要になってきます。
キャンペーンを企画したり、読者を巻き込んでのイベントを企画し、顧客が行動するような仕掛けをすることが、更なる濃いファン創出に繋がってきます。
D2C成功の秘訣は、とにかくブランドとユーザーの距離をどれだけ近づけられるかにかかっています。
メルマガの効果が下がるポイント
ここでメルマガの効果が下がる代表的なポイントをご説明いたします。
失敗しないポイントを理解しておくことで、成功確率がグンと上がるので、しっかり抑えておきましょう。
①配信内容の質が低い、毎回似通った内容になっている
②読者が知りたい情報を届けられていない
③メルマガ内にエラーが多い
④読者の意見を聞く機会がない
<①配信内容の質が低い、毎回似通った内容である>
よくあるケースとして、毎回同じような内容を使いまわしている場合があります。このようなメルマガを配信していては、顧客はファンになるどころか逃げて行ってしまいます。
週1回有益な情報が届けられるだけのネタがあるのか、メルマガに時間を割く価値があるのか、などをしっかり確認し、できないのであれば無理に配信することは避けましょう。
<②読者が知りたい情報を届けられていない>
たとえ配信内容の質が高くとも、読者の知りたい情報からかけ離れている場合は、開封率も売上も上がりません。読者が知りたい情報は何か?という事を常に念頭に入れて企画を行う必要があります。
ある程度ターゲティングしてメルマガを配信したり、読者にアンケートを取って意見を拾ったり、「読者の知りたい情報を届ける」ことを意識しましょう。
<③メルマガ内にエラーが多い>
メルマガ内にエラーが多いと、読むだけでストレスが溜まったり、企業への信頼度が落ちたりとマイナスが多いです。
文字化けや画像が表示されない、HTMLが崩れている、URLのリンクが切れているなどがエラーの代表例です。
配信前にテストを行い、問題ないか確認した上で、顧客への配信を行いましょう。
<④読者の意見を聞く機会がない>
これは②のポイントに繋がる内容ですが、定期的に読者の意見を聞く機会を設け、読んでくださる人がどう感じているのか、何を求めているのか、きちんと把握しましょう。
メルマガの最後にお問い合わせ先を明記することも忘れてはいけません。
メルマガの効果を高める具体的なポイント
メルマガの効果を高める具体的なポイントをいくつか紹介いたします。「効果を高める」とは、開封率アップから売上アップまでを含みます。
①割引・クーポン・キャンペーン情報を明記する
②分かりやすく短い件名にする
③配信日・時間・曜日を工夫する
④セグメントをしっかりする
⑤A/Bテストをして効果測定する
⑥視覚的に整える
⑦分析する
それぞれご説明いたします。
<①割引・クーポン・キャンペーン情報を明記する>
「メルマガには興味がないけど、お得になるならと思ってメルマガを登録している」という読者も多いです。
「メルマガを購読することによる利益」を読者に与えられるよう、お得な情報はタイトル含め分かりやすいところに明記しましょう。
<②分かりやすく短い件名にする>
メルマガにおいて件名は非常に大切です。なぜなら、件名の魅力の有無によって、開封してもらえるか、そのまま捨てられるかが決まるためです。基本、メルマガは開封されないモノとして考え、いかに開封させらえるかを考えて件名を付けましょう。
件名にはメルマガの内容を分かりやすく盛り込み、できるだけ簡潔にまとめましょう。
<③配信日・時間・曜日を工夫する>
「どのタイミングで配信するか?」も大切です。忙しい時間帯にメールが届くと、放置してしまうものです。
例えば、電車に乗って通勤する30代サラリーマンの場合は、朝8時前後、お昼の12~13時、帰宅時間の18時〜20時前後にメルマガを読んでもらえる可能性が高いです。
一方、子育て中の主婦の場合は、お昼の12~13時、就寝後の22時以降にメルマガを読んでもらえる可能性が高いです。
このようにターゲットに合わせて配信時間を調整することは、開封率の改善にとても役立ちます。
<④セグメントをしっかりする>
メルマガ購読時や商品購入時に把握できる情報に基づいて、ターゲットごとに内容の異なるメルマガを配信することはとても大切です。
男性に女性服セールのメルマガをお送りしても意味がないどころか、場合によってはブランドに対して悪い印象を与えてしまいます。
あまり細かく区切りすぎるとメルマガ担当者が管理できなくなってしまうこともよくあるケースなので、1つ1つセグメントを分けて対策していく事をおすすめします。
<⑤A/Bテストをして効果測定する>
メルマガの配信に少しずつ慣れてきたら、A/Bテストをして効果測定しましょう。読者の生の意見を聞くだけでなく、数字としてデータを得ることで、確実な分析に繋げられます。
<⑥視覚的に整える>
せっかく素晴らしい内容も、読み進めて貰わなければ意味がありません。
パッと見たときに深くまで読みたくなるようなビジュアルかどうか、チェックしましょう。
特にD2Cの場合、画像を含めた「見た目の綺麗さ」が物を言います。パッと見て惹かれるコンテンツかどうか、確認しましょう。
<⑦分析する>
メルマガの効果をより上げるためには分析は不可欠です。具体的には、開封率やURLのクリック率、メルマガによる売上の上昇率を見ていきます。どの内容、件名、時間帯、ユーザーがよく開封してくれたのか、それを踏まえて来月はどんなコンテンツをすればよいのか、毎回しっかりと分析して行くことが大切です。
出てきたデータや読者の声をもとに、地道に改善していきましょう。
D2Cにおけるメルマガマーケティングの事例
楽天公式サイト:https://www.rakuten.co.jp/snowland/
北海道産の特産品を扱っている「北国からの贈り物」がメルマガを上手く活用し、売上を伸ばして来ました。
こちらの店舗は、事業をECに拡大する前からDMを利用してお客さんと繋がっており、その当時からダイレクトにお客さんと繋がることの重要性を分かっていたため、EC事業を始めてからもメルマガに力を入れてきました。
当時は年末のカニがメイン商品だったため、年末以外の売上はあまり期待できない状況だったのですが、閑散期もメルマガを配信し、一度お客様になった方々との接点を持ち続けていました。そうすることで、年末年始はもちろんそれ以外のタイミングでも、「カニ」となったらお店のことを思い出して貰う仕組みを作ることができるのです。
このように、「直接売上を上げるわけではないが、商品や商品周りの情報を伝え続ける」ことでお客様との繋がりを保ち、接点を重ねることでファンにさせるというメルマガは、D2Cには大切な観点です。
たとえ閑散期だとしても、すぐには商品を買ってもらえなくとも、「お客さんと繋がる」ことを目的としたメルマガは、意味があるのです。
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D2Cにおけるyoutubeマーケティング
YouTube(動画)を使ってマーケティングする際のポイントをご説明いたします。
ポイント
- 動画の良さを活かせるジャンルか
- 通常の投稿と広告を使い分ける
それぞれご説明いたします。
<動画の良さを活かせるジャンルか>
動画との相性の良いジャンルは、アパレルや美容など「店舗に行かなければ使用感が分からない」もの。テキストや画像だけでは商品の質感や発色が分からない商品は、動画との相性が良いです。
一方、店舗に行かなくとも効果が十分に分かるものは、動画にする必要はないかもしれません。例えば情報商材などはテキストの方が分かりやすいですし、動画にしたところで動画のメリットは特にありません。
<通常の投稿と広告を使い分ける>
従来のECの場合、「YouTubeを使う=動画広告を打つ」という方法が一般的でした。しかし、D2Cは広告を打てばいいわけではありません。宣伝感の薄いコンテンツの方が好まれる傾向にあるためです。
コツコツと通常の投稿を行うことで、お客様の信頼を得る方が結果的に売上アップに繋がることもあります。
あえて広告を打たなかったり、通常の投稿と広告を戦略的に使い分けたり、D2Cならではの工夫が必要です。
D2CにおけるYouTubeマーケティングの事例
COHINA公式ツイッター:https://twitter.com/cohina_official
COHINAディレクター田中絢子さんがメインで運営しているチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UC7DMI-95XzIChdKWAOVavBg
低身長の女性向けアパレルブランドとして人気のCOHINAは、インフルエンサーを活用せずに上手にマーケティングしている企業です。
ディレクターを務める田中絢子さんがメインで運用されているチャンネルは登録者数約7,000人。一方、公式アカウントの登録者数は約1,000人。
公式アカウントを伸ばすだけでなく、中の人の個人アカウントを伸ばし、ブランドにもプラスの効果を与えている例です。
※登録者数は2020年10月28日現在の数字
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D2C成功の鍵はYoutubeにあり!動画マーケティングの成功ポイントまとめ
日本とアメリカのD2Cマーケティングの違いについて
アメリカでは、日本以上にD2C企業の影響力が増しています。ユニコーン企業と呼ばれる非上場で評価額10億ドル以上の会社も多く登場していますので、良いところを取り入れていきたいものです。
しかし、日本とアメリカではD2Cマーケティングに違いもあります。特に下記の2点は、日本とアメリカの市場の大きな違いです。
- 日本は「ものづくり」「ファンとの関係性」を重要視した小規模な形でも成り立つ
- 日本では「高くて質の良いもの」が売れる
それぞれご説明いたします。
「ものづくり」「ファンとの関係性」を重要視した小規模な形でも成り立つ
日本には昔から様々な伝統工芸があり、それらはいわゆる「ファン」との強い結びつきにより成立してきました。D2Cの形は新しいものですが、似たような形は日本に昔からあったのです。昔から日本にあったビジネスの形に似ているため、D2Cは日本人にとって馴染み深いのです。
「こだわりの製品」「想い」「伝統」などを打ち出すことにより、大々的にPRしなくとも、十分に利益を得られる傾向にあります。ストーリーに意味を感じる人が元々多いのです。
一方アメリカのD2Cは、日本のような文化はありません。最先端の分野で熱狂的な共感を生み、多くの人に受け入れてもらうことで成立しています。そもそもの始まりがシリコンバレーのテック系スタートアップ企業です。
最先端のものを扱い、多くの投資を受け、大規模に商売をしていくところから、アメリカのD2Cは始まりました。
アメリカのD2Cと比較すると、日本は規模が小さいかもしれません。しかし、ストーリーに意味を感じてくれる人が多いため、受け入れられやすいのも事実です。
日本では「高くて質の良いもの」が売れる
日本のD2Cは、「値段は少し高いが、質の良いもの」が売れる傾向にあります。
日本にはすでに「安くて質も十分良いもの」があふれています。ユニクロなどがその例です。コスパの良い商品、つまり実利的価値の高い商品はたくさんあります。「安くて質も十分良いもの」「コスパの良いもの」については、D2Cが参入する以前からあふれているのです。
そのため、市場に不足しがちな「値段は少し高いが、質の良いもの」「満足感を得られるもの」が、D2C市場では人気です。
一方アメリカでは、日本のような「安くて質の良いもの」が少ないため、「安くて質の良いもの」がよく売れるのです。
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まとめ
D2Cのマーケティングについてご説明してきました。D2CはSNSやライブコマース、インフルエンサー、YouTubeなどの新しい形でPRすることも多いです。従来の宣伝方法とは全く違う攻め方も必要になってきます。今回ご紹介したポイントを押さえながら、D2Cマーケティングを強化していきましょう。