楽天市場で月商500~1,000万円の壁を超える施策
楽天市場に出店しているEC事業者様を月商別で分類すると、月商500万円未満の店舗様が約61%、月商500万円以上の店舗様が22%、月商1,000万円以上の店舗様が17%、という結果になっています(※弊社調べ)。
楽天市場に出店している店舗の約8割が月商1,000万円に到達していないことがデータから分かっており、多くの店舗様が同じような悩みを抱えていることも調査から見えてきました。
今回は「楽天市場で月商500~1,000万円の壁を超える施策」について紹介していきます。
楽天スーパーSALEで売上の波を作る
前提として、楽天スーパーSALEで単純に割引率の高い商品を出品したからといって、「いきなり月商500万円に到達する」という結果はほぼ起こりません。
既に月商500万円を達成した店舗様の多くは、楽天スーパーSALEの前から準備を始めています。例えば、2~3ヶ月程前から、お買い物マラソンなどで商品の売上テストを実施し、結果を分析した上で楽天スーパーSALEに臨んでいます。
つまり、年4回実施される楽天スーパーSALEを1つの区切りとして、そこに向けて1ヶ月・2ヶ月かけて準備を進めていくことが重要です。
この念入りな準備の結果、楽天スーパーSALEで売上の波を作れるようになります。
もう少し掘り下げて説明すると、「波を作る」ためには、「アクセスを獲得すること」と「ユーザーにお得感を訴求すること」が重要です。
アクセスを獲得する
ECにおける売上の計算式は以下ですが、このうち最初に意識をしたいのが「アクセス数」です。
売上=アクセス数×転換率×客単価
1万人のユーザーが訪れる店舗と、10万人のユーザーが訪れる店舗では、同じ転換率・客単価であったとしても売上に大きな差が出ます。
もちろん「転換率(アクセスしたお客様の購入率)」も大切です。しかし、月商500万円、月商1,000万円の壁を越えていくには、それなりのアクセス数が必要になります。
はじめはアクセス数を重視して、ある程度認知が取れてきてから転換率を上げていくように意識しましょう。
SEO対策を行う
では具体的にどのようにして自店舗へのアクセスを増やしていけばいいのでしょうか?
そのための施策の1つが「SEO対策」です。
楽天市場における全ての売上(取引)のうち、約7~8割が検索結果から流入したユーザーによってもたらされていることが分かっています。
それだけ楽天市場というECプラットフォームにおいて「検索エンジンの役割が大きい」と言えるので、楽天市場内でのSEO対策は必ず行うようにしましょう。
具体的に重要なポイントとしては、
①ユーザーが使用する検索キーワードを商品名・キャッチコピーに含める
②商品の販売実績を積み、レビューを蓄積していく
この二点が大切です。
ちなみに、楽天市場の検索結果におけるクリック率(CTR)を見てみると、1ページ目の上段、特に1位~3位までにランクインしている商品のクリック率が特に高いことが分かっています。
また、1ページ目の上段部分に掲載される楽天RPP広告枠のクリック率も高いことから、「楽天RPP広告で出稿した商品」もしっかりとユーザーに届いています。
RPP広告を活用する
アクセスを獲得する上で大切な2つ目の施策は「RPP広告の運用」です。
楽天市場の広告には市場広告など様々なフォーマットがありますが、特にRPP広告は検索連動型広告であるため、上位表示を狙いたい検索キーワードとアクセスを増やしたい商品ページを抱き合わせる形でRPP広告枠を獲りにいくことが可能です。
RPP広告であれば、検索結果の上段に自店舗の商品を露出させることで多くのアクセスが期待でき、そこから売上UPを狙えます。
また、RPP広告は広告枠に表示された商品のクリック単価(CPC)も計測できるため、売上に対して費用対効果が出ているのか?などのチェックを容易に行えるメリットも持っています。
ユーザーにお得感を訴求する
アクセスを獲得する施策を講じた後は、商品ページで「お客様にお得感を訴求する」ことを実施していきましょう。
例えば月商500万円、月商1,000万円を超えた店舗様は、以下のような施策を実施しています。
- スーパーSALEサーチ&値引き
- ポイント変倍
- クーポンの配布
- 楽天スーパーDEALへの出品
また順調に成長を続ける店舗様であれば、上記以外にも顧客認知を狙っていくために下記のような施策も実施していることが多いです。これらは楽天スーパーSALEの予告を既存顧客に通知する役割を担っています。
- メルマガを打つ
- 市場広告を出す(楽天市場トップページに出す広告)
- 店舗内のセールページ作成
- ターゲティングディスプレイ広告を出す
楽天スーパーSALEで売上の波を作るためには、こうした「ユーザーにお得感を訴求する施策」と「顧客認知を高める施策」を最低限実施することがポイントです。
楽天スーパーSALE時に施策を使い分けるために必要なこと
ただ「これらの施策は既に実施しているが、月商500万円、月商1,000万円の壁は越えていない」という店舗様もいらっしゃるかと思います。
そのような場合は、先ほど紹介した施策を「楽天スーパーSALEの際に使い分けられているか」を確認してください。
ほとんどの店舗様が同じような施策を実施している中で、自店舗だけが月商500万円、月商1,000万円の壁を越えていくには相応の工夫を必要とします。
つまり楽天スーパーSALEで売上の波を作り月商の壁を越えていくには、ただ施策を知っているだけでなく、様々な局面で使い分けることが重要です。
目的によってSALE対象にする商品を分ける
まず、目的によってSALE対象にする商品を分けることが重要です。
楽天スーパーSALEだからと、「割引」だけに注目して出品してしまうことが無いよう注意してください。
楽天スーパーSALE中は、「楽天スーパーSALEサーチ」と「楽天スーパーDEAL」とさらに2つのセールに分けられます。「楽天スーパーSALEサーチ」では割引、「楽天スーパーDEAL」ではポイント還元がそれぞれ大きくなります。
「楽天スーパーDEAL」は基本的には毎日実施しているものですが、楽天スーパーSALE時は特にアクセス数が高くなるため使い分けることが大切なのです。
例えば、「楽天スーパーSALEサーチ」には、「同一商品でサイズが一部欠けている商品」など通常の販売ではやや売上につながりにくい商品を出品すべきです。
これは、楽天スーパーSALE時に特設される「タブ」が関係しています。
特設タブによって、ユーザーが「せっかくの機会だから」といったスタンスで訪れることが見込まれるため、通常時にはアクセスされていなかったユーザーからの購入につながる可能性があるからです。
楽天スーパーSALEサーチに出品する際は、商品定価の半額もしくは割引となるので、普段は「売上への影響を考慮してなるべく小出しにしたい」という店舗様も「販売実績の増加」といった点に目を向けて出品すると良いでしょう。
一方楽天スーパーDEALは、「高いポイント還元率」が特徴です。
楽天ユーザーにとっては「楽天市場内外で利用できるポイントを多く貰えるセールイベント」としての認識が強くなっています。
そこで楽天スーパーSALEの際には「比較的売れていない商品(1年に1~5個程しか売れない商品)」や、「高額の商品」を選んで楽天スーパーDEALに出品することをおすすめします。
楽天ユーザーの中には、高いポイント還元を目的として商品を購入するユーザーもいますので、そのようなユーザーに向けて「高額商品を売っていく」という戦略を組むのも良いでしょう。
楽天スーパーSALE期間中で施策を変える
また楽天スーパーSALE期間中、特に中盤頃に売上が落ち込むことも多く、「この時期の売上を何とかして上げていきたい」という店舗様も多くいらっしゃいます。
そこで是非実施していただきたいのが、「時間限定クーポンの発行」や「店舗タイムセールの実施」です。これらの施策は事前にメルマガなどを活用してユーザーに通知しておくとより効果を発揮できるため、タイムセールの開始直後には「スタートダッシュクーポン」を配布して一気にランキング上位を狙うなど、工夫を凝らしてみると良いでしょう。
RPP広告の入札単価を適宜調整する
楽天スーパーSALE期間中は、競合他社も一斉にRPP広告枠の獲得に向けて入札単価を上げてきますので、普段よりも入札競争が激化してしまいます。
楽天スーパーSALE時のRPP広告の予算について一概にどれだけの予算を組むべき、といったことは断言できませんが、楽天スーパーSALE期間中は「狙っている検索キーワードで自社商品が広告枠を獲得できているか」を都度チェックすることが重要です。
仮に楽天スーパーSALE以前は獲得できていた広告枠が獲れていなかった場合は、入札単価を上げるなどして広告枠での表示を維持するよう努めましょう。
楽天スーパーSALE期間中に入札単価を上げる際は、広告予算がいっぱいになってRPP広告が出稿停止してしまわないように注意べきです。
また楽天スーパーSALEは、どちらかといえば売上アップを図るために最適なイベント期間なので、楽天スーパーSALE期間中は売上アップの施策に注力し、売上の壁を越えるために必要な土台である「アクセス数増加の施策(SEO対策)」は副次的なものとして捉えましょう。
楽天スーパーSALE期間中は、RPP広告の出稿や楽天スーパーSALEサーチ、楽天スーパーDEALへの出品などを通じて各商品の販売実績を作り、セールでの販売実績がそのまま通常時の検索ランキングにも良い影響を与える、といった認識を持つことが重要と言えます。
最新のアップデート情報
最後に、楽天市場の最新アップデート情報として、「検索キーワード分析」で「検索キーワードからの流入数が把握できるようになったこと」を紹介しておきます。
「検索キーワード分析」の機能によって「アクセスの多い検索キーワードで自社商品が上位に露出できているか否か」を確認できるようになります。
もしアクセスの多い検索キーワードで自社商品が上位表示できていないのであれば、せっかくの販売機会を逃していることになりますので、早急にRPP広告を出稿することをおすすめします。
楽天市場の最新動向を踏まえた対策ポイント、売上の壁を越える施策については以下のページでも詳しく解説していますので、こちらもご一読いただくことをおすすめします。
まとめ
月商500万円、そして月商1,000万円の壁を越えていくには、楽天スーパーSALE時に「①売上に波を作ること」、「②施策を使いこなすこと」の2つの施策が重要です。
楽天スーパーSALEで売上の波を作るためには、事前に分析して「アクセス数を増やし」、そのうえで「お客様にお得感を訴求する」ように意識しましょう。
また、楽天スーパーSALEサーチや楽天スーパーDEALにただ出品するのではなく、各施策に相応しい商品を選んで出品し、楽天スーパーSALEごとに施策を検証していくことも大切です。
事前準備をしっかりと行った上で「楽天スーパーSALEサーチだけ」「楽天スーパーDEALだけ」を実施するのではなく、複数の施策を並行して実施していくことが売上の壁の突破を早めてくれることを覚えておきましょう。
年数回の楽天スーパーSALEに向け、ぜひRPP広告やSEO対策などの施策に注力してみてください。
楽天スーパーSALEに関するよくある質問
- 楽天スーパーSALEはいつ開催される?
- 基本的には、毎年3月、6月、9月、12月といった「3の倍数月」に開催され年に4回です。
- 楽天スーパーSALEと楽天スーパーDEALの違いは?
- 開催頻度やセールの特徴が異なります。楽天スーパーSALEは「年に4回」楽天スーパーDEALは「毎日」開催しています。また、楽天スーパーSALEは「値引き額」、楽天スーパーDEALは「ポイント還元率」に強みを持っています。楽天スーパーDEALについては下記記事も参考にしてみてください。
【楽天スーパーDEALの活用法】商品登録と売上アップの解説