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グローバルビジネスの基礎知識⑫~貿易救済措置

グローバルビジネスの基礎知識⑫~貿易救済措置

海外渡航が困難な状況が長期化する一方で、貿易取引については依然として活発に行われています。
国内でのEC事業から、新たに海外進出を計画されている方も多いのではないでしょうか?

グローバルビジネスの基礎知識をお伝えしている本連載の第十二回は、貿易救済措置についてお伝えします。

貿易救済措置は、ルール違反の貿易政策・措置による被害に対し、WTO協定で認められた救済手段の一つです。

具体的にはアンチダンピング(AD)、補助金相殺関税(CVD)、セーフガード(SG)の三種類があります。順にご説明します。

アンチダンピング(AD)

アンチダンピング措置とは、輸出国の国内価格よりも低い価格による輸出(ダンピング輸出)が、輸入国の国内産業に被害を与えている場合に、その価格差を相殺する関税を賦課できる措置のことです。この措置は、WTO協定(GATT・AD協定)において認められているものです。

アンチダンピング措置の発動要件としては、ダンピング輸出、国内産業への損害と両者の因果関係の3要件が満たされていることが認められた場合に発動されます。

補助金相殺関税(CVD)

相殺関税措置とは、政府補助金を受けて生産等がなされた貨物の輸出が輸入国の国内産業に損害を与えている場合に、当該補助金の効果を相殺する目的で賦課される特別な関税措置のことです。相殺関税制度は、WTO協定(GATT・SCM協定)において認められています。

発動要件としては、補助金を受けた貨物の輸入の事実、国内産業の損害の事実と両者の因果関係があり、国内産業を保護するために必要である場合とされ、輸入関税が賦課されます。

セーフガード(SG)

セーフガードとは、特定品目の貨物の輸入の急増が、国内産業に重大な損害を与えていることが認められ、かつ、国民経済上緊急の必要性が認められる場合に、損害を回避するための関税の賦課又は輸入数量制限を行うものです。

輸入の増加、国内産業に対する重大な損害を与えているかその恐れがある場合などが要件とされています。

日本における貿易救済措置の発動は諸外国に比して少ない件数にとどまっていますが、ねぎ、生しいたけ、畳表について2001年にセーフガードを発動したことなどがあります。

貿易救済措置は、貿易自由化に伴って影響を受ける地方産業や農林水産業へのセーフティネットの役割を果たしています。

他方で、こうした措置を安易に適用し、依存を増すことで、貿易自由化の利益が無効化されてしまうことも懸念されています。WTO上で認められている貿易救済措置ですが、それが保護主義的な目的で濫用されないよう十分な注意を払うことも大切です。

 

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