公開日：2024年6月11日

Amazonで事業を展開する上で、さまざまなツールを活用することは必須です。 なぜなら、Amazonの膨大なデータを効率的に収集・分析し、競合他社の動向を把握することで、自社の強みを生かした販売戦略を立てられるからです。

本記事では、Amazon出品者におすすめのツールを総まとめしています。 商品リサーチから売上向上、広告運用まで、Amazonビジネスに必要不可欠な機能を網羅しています。

無料で使えるAmazon公式ツールから有料の専門ツールまで、さまざまな選択肢があります。 しっかりとリサーチを重ね、自社のニーズと予算に合わせて最適なツールを選びましょう。

Amazonでツールを使用するメリット

Amazonで出品する際、様々なツールを活用することで大きなメリットがあります。

効率化

出品作業の自動化や一元管理により、非効率な作業工程を省くことができます。 リサーチや分析ツールを使えば、手作業で行うよりも迅速かつ正確なデータ収集が可能です。

売上アップ

価格調整ツールを利用して、適正な価格設定を行うことで売上増加に繋がります。 広告運用ツールを活用すれば、効果的な広告運用によってさらなる売上アップが期待できます。

在庫管理の最適化

在庫管理ツールを使えば、過剰在庫や欠品リスクを最小限に抑えることが可能です。 適正な在庫水準を維持できるため、無駄なコストを抑えられます。
このように、Amazonで販売する際のツール活用は非常に重要です。ツールを上手く組み合わせることで、より効率的で売上の高い運営が実現できます。

【基本】Amazon公式ツール6選

Amazon公式が提供するツールを活用することで、Amazonビジネスの運営がスムーズになります。基本的なツールから紹介していきます。

Amazon Seller Central

Amazon Seller Centralは、Amazonビジネスの中核を成すツールです。出品者登録からアカウント管理、在庫管理、販売履歴の確認、決済処理など、Amazon出品に必要なほぼ全ての機能が集約されています。
主な機能は以下の通りです。

Seller Centralは必須ツールですが、機能が多岐に渡るため、初心者は操作に戸惑うことも多いでしょう。そのため、Amazon公式のスターターガイドやオンラインサポートを利用するなどして、使い方を一つずつ習得することをおすすめします。

Amazon Ads

Amazon Adsは、Amazonが提供する広告商品の総称です。代表的な広告メニューは以下の4つです。

適切な広告設定とターゲティングにより、Amazon内で商品購入をしたいユーザー層へのリーチが最大化できます。出品者は、自社製品の認知度向上や売上増加が見込めるため、Amazon Ads活用は必須と言えます。
関連記事：【2024年最新版】今から始めても遅くない！Amazon広告の必要性と具体的運用事例を解説

Amazon Brand Registry

Amazon Brand Registryは、知的財産の保護、出品情報の管理などを行うツールです。このツールを使ってブランドを保護することを「Amazonブランド登録」と言います。

Amazonブランド登録とは「Amazonの中でブランドの責任者になる」ということです。

Amazonブランド登録によって、ブランドが保護されるため、例えば競売の出品者が出てきた場合に自社のブランドを主張できたり、売上拡大に向けて使用できる機能が増えたりするメリットを享受できます。基本的に商標を持っているブランドが登録可能です。

Amazonブランド登録を行うメリットについては下記の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

関連記事：【最新版】ECサイト運営に欠かせないAmazonブランド登録方法と申請手順を解説

Amazon Transparency

Amazon Transparencyは、商品の真正性確認のためのツールです。Amazonに出品する商品の品質や信頼性を保証するための取り組みの一環として提供されています。具体的には、以下の2つのサービスから構成されています。

これらのサービスを利用することで、偽造品の流通を防ぐことができます。Amazon出品者にとってTransparencyは、自社製品の信頼性を高めるだけでなく、偽造品の流通を抑制することで自社ブランド価値の保護にもつながるため、非常に重要なツールと言えます。

Amazon Business

Amazon Businessは、法人や自治体、教育機関、個人事業主などの事業者を対象とした、Amazonの公式サービスです。 主な特徴は以下の通りです。

このように、Amazon Businessを利用すれば、事業者は従来のAmazon.comよりも割安な価格でさまざまな商品を購入できます。企業内での購買業務の効率化や、コスト削減も期待できるでしょう。

FBA料金シミュレーター

Amazon FBA(Fulfillment by Amazon)は、商品の保管、発送、返品対応などを Amazon に委託するサービスです。FBA料金シミュレーターは、商品の重量や寸法、発送先の国から FBA 手数料を概算できるツールです。

FBA 料金は以下の要素から構成されています。

事前に FBA 料金をシミュレーションすることで、収支を見積もり、適正な販売価格を決めることができます。Amazon出品において、FBA 料金シミュレーターは重要なツールの一つと言えるでしょう。

Amazonリサーチツール2選

ERESA：商品データ閲覧ツール

ERESAは、Amazonで販売されている商品のデータを閲覧できるツールです。商品名や価格、レビュー件数などの基本情報に加え、販売ランキングの推移なども確認できます。

製品の特徴は以下の通りです。

使い勝手の良さと低価格が人気で、中小規模のAmazon販売者から高い支持を得ています。価格設定の参考にするだけでなく、過去のランキング推移を分析することで、需要の変動を読み取ることもできます。 リサーチ目的だけでなく、販売戦略の立案にも役立つツールといえるでしょう。

PRIMA：低価格のデータ収集ツール

PRIMAは月額7,980円と低価格ながら、Amazon商品データの収集・分析ができるツールです。

主な機能は以下の通りです。

データは一覧表示されるほか、CSVでもダウンロード可能です。 収集したデータをエクセルなどで加工し、商品の売れ行き分析などに活用できます。
機能的には一通りの商品リサーチができるツールながら、 月額7,980円とリーズナブルな価格設定なので、 予算に余裕がない個人出品者にもおすすめのツールといえます。

【有料】Amazonの売上向上ツール2選

クロスマ：複数ECプラットフォーム（ECモール）一元管理ツール

クロスマは、Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングなど、国内主要ECプラットフォームの商品・注文・在庫を一元管理できるツールです。 各ECプラットフォームごとの管理画面を行き来する必要がなくなり、商品の一括登録や在庫の一元管理が可能になります。

商品の出品では、Amazonより商品データをワンクリックで取得し、ワンクリックで各ECプラットフォームに出品できます。

このように、クロスマを利用することで、複数のECプラットフォーム運営に伴う手間を大幅に削減できます。

ARPAcart：自動価格改定ツール

ARPAcartは、リアルタイムでAmazon上の商品価格を監視し、5分ごとに自動で最適な価格に改定してくれるツールです。

主な特徴は以下の通りです。

価格設定の自動化により、売上アップや在庫管理の効率化が期待できます。出品者の皆さまはARPAcartのようなツールを活用することをおすすめします。

料金プランは月額4,980円（税込）で、初回登録月は完全無料のキャンペーンも実施しています。

Amazonの広告管理ツール3選

perpetua：広告最適化ツール

perpetuaは、Amazon広告の自動最適化ツールです。広告キャンペーンの設定から運用までを自動化することができます。

具体的には以下の機能があります。

広告運用に係る手間を大幅に軽減できるほか、システムによる高度な最適化で広告効率を向上させることができます。perpetuaを導入することで広告運用の大半を自動化でき、人的リソースを他の重要業務に振り分けることが可能になります。

Commerce Flow：Amazon広告を自動運用

Commerce Flowは、Amazon広告の自動運用ツールです。AIを活用して広告の最適化を行い、コンバージョン率と広告収益の向上を図ります。

主な機能は以下の通りです。

また、以下のようなメリットがあります。

広告運用を自動化することで、出品者は広告運用に費やす時間を大幅に節約できます。そうした時間を他の重要な業務に割くことが可能になります。

Amazon広告は運用が難しく、手動での管理は非常に手間がかかります。Commerce Flowのように、AIを活用した自動化ツールを利用することで、広告運用の効率化と収益向上が期待できるのです。

Pacvue：Amazon広告の自動運用ツール

Pacvueは、Amazon広告の自動運用ツールです。キャンペーンの設定、入札、広告予算の最適化などを自動化することができます。

主な機能は以下の通りです。

広告運用に関する手間を大幅に省くことができます。

また、担当者のリテラシーレベルにあわせて、AIによるフルオート運用と、ルール化によるセミオート運用の2つの運用パターンがあるため、最適なプランを選択したり、それぞれの運用方法を組み合わせたハイブリッド運用なども実現可能です。

1か月間の無料トライアル期間もあります。

【無料プランあり】その他の分析ツール

ARROWS10

ARROWS10は、Amazonの検索データを分析するツールです。キーワードの人気度や競合状況を把握できるほか、商品のランキングや販売数量の推移も確認できます。

主な機能は以下の通りです。

月額料金は以下の通りです。

スタータープランでは基本的な機能が使えますが、標準プラン以上のグレードでは、より詳細なデータ分析が可能です。

ARROWS10を活用することで、Amazon販売におけるリサーチの質を高められます。キーワード選定から売上推移の分析まで、出品戦略の立案に役立つツールです。

ラッコキーワード

ラッコキーワードは、Amazonキーワードツールとして無料で利用できるサービスです。キーワードの検索ボリューム(検索数)を確認することができ、売れ筋商品を見つけるのに役立ちます。
【機能】

【メリット】

【デメリット】

まずは無料で使ってみて、本格的な商品リサーチが必要な場合は有料ツールを検討するのがおすすめです。ラッコキーワードは初心者にもわかりやすく、商品キーワードの発掘に役立つ無料ツールと言えます。

Ignite

Igniteは、ACORN-i社のパートナーであるDMT合同会社が提供するAmazonデータ分析ツールの1つです。主な機能は以下の通りになっています。

利用したい方は、DMT合同会社に問い合わせを行う必要があります。現状は法人向けのサービスとなっていますので、個人の方はサービス提供までしばらく待ちましょう。

コンサルティングや代行もおすすめ

Amazon出品において、専門家によるコンサルティングや代行サービスを利用するのも賢明な選択肢です。

自社で出品を行う際のサポート役としてコンサルティングを活用するメリットは大きいでしょう。一方で、人員が足りない場合や即効性が求められる時は、代行サービスを利用することで手間を大幅に軽減できます。

ただし、コンサルティングや代行を利用する際は、業者の実績や信頼性を確認することが重要です。Amazon出品に関する十分な知見と経験を持つ専門業者を選ぶようにしましょう。

まとめ

Amazon出品者にとって、様々な目的に応じたツールを活用することは非常に重要です。

まずは無料の公式ツールを十分に活用しましょう。Seller Centralで出品・売上管理、Brand Registryでブランド保護、Adsで広告運用など、基本的な機能を体験するのがおすすめです。

さらに売上向上を目指すなら、有料ツールの導入も検討する価値があります。リサーチツールの「ERESA」や「PRIMA」を使えば、商品選定の精度が格段に上がります。店舗管理ツールの「tool4seller」や「クロスマ」なら売上・在庫管理が一元化できるでしょう。価格自動設定ツールの「プライスター」や「ARPAcart」は価格競争力の維持にも役立ちます。

さらに広告運用に特化したツールを使えば、Amazon広告の自動最適化も可能です。「perpetua」「Commerce Flow」「Pacvue」などがその代表的なツールとなります。

このように目的別にツールを組み合わせることで、Amazon出品者の業務効率化と売上向上が期待できます。ただし、ツール選定には事前の情報収集、テスト利用が不可欠です。無料ツールの活用から始め、徐々に有料ツールを取り入れる、というステップを踏むと良いでしょう。

Amazonで使用するツールに関するよくある質問