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グローバルビジネスの基礎知識③~保税地域とは

グローバルビジネスの基礎知識③~保税地域とは

海外渡航が困難な状況が長期化する一方で、貿易取引については依然として活発に行われています。
国内でのEC事業から、新たに海外進出を計画されている方も多いのではないでしょうか?
グローバルビジネスの基礎知識の連載としてお送りしている本企画の第三弾は、保税地域についてご説明をします。

保税地域とは

保税とは関税賦課を留保するという意味で、保税地域(Bonded Area)にある間は関税は保留の状態となります。輸入された貨物を、税関の輸入許可が下りていない状態で関税を留保したまま蔵置することができる場所のことを保税地域と言います。

輸出の場合にも原則として、税関へ輸出申告をした後、保税地域へ搬入し、税関による検査が行われます。ただし、日本では輸出には関税がかからないため、関税はすべて輸入の場合にのみ適応されます。

保税地域には以下の五種類があります。

(1)保税蔵置場(Customs Warehouse)

外国貨物を置くことができる場所として、税関長が許可した場所のことで、保税蔵置場に貨物を搬入してから3カ月を超えて保管する場合は、税関長の承認を受けること(蔵入承認)で2年間まで長期の蔵置が可能(延長可能)です。

(2)保税工場(Customs Manufacturing Warehouse)

外国貨物について関税などを課さないままで加工、製造できる場所として税関長が許可した場所のことで、加工貿易の振興のために設けられ、その加工又は製造の期間は原則として2年ですが、作業の都合によっては、更に期間を延長することも認められます。

(3)保税展示場(Customs Display Area)

外国貨物を展示する会場として、税関長が許可した場所のことで、国際的な規模で行われる博覧会や公的機関が行う外国商品の展示会などの運営を円滑にするために、外国貨物を関税などを課さないままで、簡易な手続により展示したり、使用する場所として設けられます。

(4)総合保税地域(Integrated Customs Area)

輸入の促進や対内投資事業の円滑化などの動きを背景として、各種の輸入インフラの集積のメリットを助長するため、そのような施設が集積する地域に対応する保税制度として創設されるものです。外国貨物の荷捌き、蔵置、加工及び製造、展示及び使用が認められます。

(5)指定保税地域(Designated Bonded Area

税関手続を簡易、迅速に処理するために設けられ、外国貨物を積卸し、運搬し、又は一時(原則として1か月)蔵置することができる地域。国や都道府県、市のような地方公共団体などが所有したり、管理している土地や建物など公共的な施設について、財務大臣が指定して設置されます。

特例申告制度

保税地域への外国貨物の搬入が原則となりますが、メーカーなど輸出者の申請にもとづき、税関長がコンプライアンスやセキュリティの審査を行い、特定輸出者(AEO=Authorized Economic Operator)として承認する特定輸出申告の制度があります。この特定輸出者が輸出を行う場合には、輸出する貨物を保税地域に入れずに、輸出者の工場や倉庫で輸出申告から輸出許可を受けるまでの手続きが可能です。

また、輸入においても特例輸入申告制度があり、あらかじめ税関長の承認を受けた輸入者(特例輸入者)、または税関長の認定を受けた認定通関業者に委託した輸入者(特例委託輸入者)が輸入申告と納税申告を分離し、納税申告の前に貨物を引き取ることが可能です。

貨物のセキュリティ管理と申告制度は、2001年9月11日の米同時多発テロにより大きな影響を受けて、日本国内を含めてその後の制度変更や整備も進みました。

今般の感染禍の影響により、グローバル物流システムについても大きく揺さぶられており、国境における検査や税関手続きの今後の動向については注視していく必要があると言えるでしょう。

以上、グローバルビジネスの基礎知識として、保税地域をご紹介しました。

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